かつて子どもだったすべての大人にこの舞台を届けたい
ニコニコ動画が開催する「アニメ総選挙2018年間大賞」で2位にランクイン。第50回星雲賞メディア部門を受賞したアニメ『SSSS.GRIDMAN』が舞台となって帰ってくる。
高橋「僕にとってはアニメでメインキャラを演じたのは、これが初めて。この作品をきっかけに声のお仕事をいただけるようになりましたし、自分の新しい可能性というか表現の場所を広げてくれた大切な作品。すごく思い入れがあります」
そう語るのは、サムライ・キャリバー役の高橋良輔。アニメでCVを務めた同役を舞台でも高橋が演じる。
高橋「アニメをやっている頃からずっと『2期はないんですか?』ってみんなで監督に話していて。それぐらいみんなこの作品が大好きだったし、いい作品として残るだろうという手応えもあった。それが今度は舞台でやれるなんてすごく楽しみだし、新作の『SSSS.DYNAZENON』の発表もされて、どんどんコンテンツが広がっていっていることがうれしいです」
舞台でメインとなるのは、サムライ・キャリバーら新世紀中学生の面々。高橋以外の3人は舞台版の新キャストが演じることになる。
高橋「またキャリバーをやらせてもらえるのはありがたいですけど、演じるという面ではアニメも舞台も大きな意識の差はないんです。ただ、アニメ版のキャストの想いを知っている分、やっぱり僕が関わる以上、彼らに納得してもらえるものにしたいし、舞台はどうなるんだろうってドキドキしているアニメファンのみなさんの期待に応えるものにしたい。そういう使命感はあります」
そう表情を引き締めながらも、「信頼して待っていただけたら」と自信を口にする。
高橋「新しいキャストはみんなキャラにぴったり合っているし、お芝居も上手な方たちばかり。だから全然心配はないです。演出の松崎さんとも去年、舞台『魍魎の匣』という作品でご一緒させていただいたんですが、『楽しみと期待しかありません』とおっしゃっていて。もうすっかり戦闘モードに入っているようでした」
舞台版は、アニメの世界観をベースにしたスピンオフ作品となる。
高橋「プロットを読ませてもらったのですが、とても面白かったです。小さい頃、大好きなアニメの劇場版を観に行くときに感じたワクワクが、プロットを読みながら蘇ってきて。どなたでも楽しめる作品ですが、特に大人の方が観たら絶対面白いと思います! アニメファンの方はもちろん、特撮ファンの方にもぜひ観てほしいですね」
原作は、円谷プロの特撮ドラマ『電光超人グリッドマン』。高橋自身もリアルタイムで放送を楽しんだひとりだ。そんなふうにエンターテインメントに夢中になった人、ノンフィクションの世界に救われた人にとっては特に心に突き刺さる舞台となりそうだ。
高橋「エンターテイメントはお客さんあってのもの。自分たちがどれだけいいものをつくったと思っても、最後に判断するのはお客さん自身。だからこそ、僕はいつもお客さんと『会話する』ことを一番大切にしています。それは直接話をするという意味ではなく、気持ちをパスし合うというか。目の前の相手とお客さんとの3点で掛け合いができたときが何より楽しい。『SSSS.GRIDMAN』もきっとそんな舞台になると思います!」
インタビュー・文/横川良明
Photo/篠塚ようこ
※構成/月刊ローチケ編集部 2月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】
高橋良輔
■タカハシ リョウスケ ’84年、東京都出身。’04年にデビュー後、テレビドラマや舞台を中心に、アニメの声優としても活動している。