ミュージカル『刀剣乱舞』 髭切膝丸 双騎出陣 2020 ~SOGA~ 三浦宏規&高野 洸 インタビュー

©ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会

刀剣男士・髭切と膝丸の兄弟が再び出陣!

 

大人気ミュージカル『刀剣乱舞』(=刀ミュ)シリーズの中でも「新たな可能性を切り拓く」と謳われた話題作が、初演から一年の時を経て再び上演される。タイトルの通り、登場する刀剣男士は二振り。「源氏の重宝」とされる髭切と膝丸兄弟だ。髭切役は三浦宏規、膝丸役は高野 洸。若手俳優の注目株であるふたりに、昨年の“双騎出陣”から振り返ってもらった。

三浦「まず“双騎出陣”ができたこと、洸と二人でやれたことが嬉しかったです。内容はファンの方にとっても予想外だったかと思うのですが、刀ミュは一緒に楽しく盛り上がるライブパートだけではなく、ミュージカルパートのお芝居の深さも魅力。それを“刀剣男士が別の人物を演じる”という新しい形でお届けできたことは、ひとつ成果になったのではないかと思います」

高野「刀ミュがこれまで踏み込んでいなかった部分に挑みました。様々なジャンルや文化が融合した内容だったので、古き良きものを伝えながら、新しいエンタメに圧倒される。とても面白い作品になったのではないかと思っています」


本作の1部は、髭切と膝丸が日本三大仇討として名高い「曽我物語」を演じる。花組芝居・加納幸和も出演して、古典と2.5次元が調和した美しく重厚な仕上がりとなった。

三浦「演出の茅野イサムさんに、隅から隅まで演出をつけてもらったことも思い出深いです。刀剣の逸話が物語と混ざり合っていたので、曽我兄弟が仇討ちを決意して旅立つ場面では、役の中に髭切の“兄”としての感情が滲む瞬間もありました」


2部はライブ。兄弟である二振りならではのコンビネーションと、ダンスを得意とする三浦と高野の魅力が炸裂した。伸びやかなステージの印象に
「楽しかったのでは?」と尋ねると、二人は「キツかったです(笑)」と声を揃えた。

高野「舞台に登場する刀剣男士が僕ら二振りだけなので、消費するエネルギーが半端じゃなかったです。気を付けていないと途中でぶっ倒れてしまいそうな程でした」

三浦「二振りだとパート分けしていても、すぐに自分の番がくる(笑)。体力も精神力も使うので、配分を模索しながらやっていました。今回はその学びを活かしてクオリティを上げられたら」

高野「その分、達成感が凄いので最後は役としても僕としても、とても気持ち良かったです」


刀ミュは、幅広く展開中のPCブラウザ・スマホアプリゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」(DMMGAMES/Nitroplus)を原案としている。名だたる刀剣が戦士の姿となった刀剣男士たちの中でも、髭切と膝丸は特色の際立つキャラクターだ。

三浦「髭切は天然のようにも見えるけど、賢さも備えていて……掴みどころがない部分に惹かれます。やればやるほど、分からなくなってくるところもありますね。彼らの歴史はとても奥が深いし、逸話もたくさんあるので。でも、そこが演じていて楽しい部分でもあります」

高野「悟りを開いているかのような兄者(=髭切)と、真っ当に目の前にあることと向き合う弟の兄弟関係が面白いです。膝丸は兄者を好きすぎますよね(笑)。でも根は武士だと思うので、それも忘れないように演じています。ゲームでも膝丸を部隊に入れてプレイしていますが、機動値の高さが誇らしい。何度も“誉(ほまれ)”を取っています!」


役の関係性については
「ふたつでひとつ。お互いになくてはならない存在」(三浦)、「かけがえのない存在」(高野)だと捉えていると語る。

高野「逸話に拠ると、二振りは一度離れ離れになっているんです。でも再び出会っていますし、深くないようで深い絆と信頼があると思います」

三浦「様々な言い伝えがあるので、もしかしたら仲が良くないかもしれない!その可能性を考え出したら、夜も寝られないです(笑)。でも弟からの無償の愛は感じ取っている気がしていますし、兄もなんやかんやで弟想いだと思っています」


そんな兄弟を演じるお互いのことは、
「信頼できる役者仲間、そしてライバル」(高野)、「髭切と膝丸は“似ているようで似ていない”という歌詞があるけど、僕らは“似てないようで似ている”」(三浦)と明かし、微笑んだ。

三浦「自粛期間中に充電したものを爆発させられる場があることが有り難いです。前回とは劇場も変わるので、作品の見え方も変わると思います。さらにパワーアップしたものをお見せしたいですし、素晴らしい作品を届けられるように頑張ります!」

高野「凄いエンタメが詰まっています。僕も全身を使って表現し、素敵な作品を鮮明にお届けしたいと思います。初めて観る方も、前回観た方も楽しみにしていてください!」

 

インタビュー・文/片桐ユウ

 

※構成/月刊ローチケ編集部 7月15日号より転載

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【プロフィール】
三浦宏規
■ミウラ ヒロキ ’99年、三重県出身。ミュージカル『テニスの王子様』、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズをはじめ、『恋するブロードウェイ♪』シリーズ、『レ・ミゼラブル』など出演作多数。

高野 洸
■タカノ アキラ ’97年、福岡県出身。ミュージカル『刀剣乱舞』やミュージカル『Dance with Devil s』などに出演。