生身の役者による熱量を感じてもらいたい
美しき武将たちが、主人公を巡って熱き戦いを繰り広げるゲーム『戦刻ナイトブラッド』。アプリから昨年末にアニメ化されたこの華麗なる“戦国恋愛ファンタジー”が、舞台化されることになった。ゲーム内で上杉景勝の声を務める荒牧慶彦は、舞台でも同役に挑む。
荒牧「初めてのキャラクターボイスで、景勝のことは、最初はとにかく暗いキャラクターだなと思いました(笑)。感情の起伏が少ないので、ちょっとした機微を表すのが凄く難しかったです。自分を押し殺しているつもりでも、音響監督からは『もっと平たんに、感情をそんなに出さないようにしてほしい』と言われて。アニメ(のアフレコ)収録も初めてだったので、たくさんの方々に助けてもらいながら景勝という役を作り上げていきました」
思い入れのある景勝役。だからこそビジュアルにもこだわる。
荒牧「僭越ながら、景勝の衣装に関しては、自分のイメージや願望をお伝えしました(笑)。ゲーム、アニメを通じて景勝は自分にとって特別な役なので、より力が入ってしまったかもしれないです」
共演のキャスト陣には共演経験もある同世代の名前がズラリと並ぶ。
荒牧「赤澤燈(豊臣秀吉役)は同い年で、僕のデビュー作から一緒だったので、安心感があります。山本一慶(前田利家役)も同い年だし、同世代が多い現場なんです。上杉謙信役の前山剛久も、お互いに言いたいことを言い合える関係なので、最初から密度の高い稽古ができたらいいなと思います」
ファンタジックな世界観を舞台上で体現する難しさは、数々の舞台をこなしてきた彼自身よく知っている。だが、その言葉に迷いはない。
荒牧「“戦ブラ”は史実からだんだんとオリジナルに派生していくところが魅力の一つだと思います。舞台ではそれを人間が演じることになるので、そこから湧き出る熱量を感じてもらえるはず。そこが舞台の面白さにもなると思います。ゲームから舞台に出演する僕と山本一慶は世界観もよくわかっているので、元々好きな方はもちろん、“戦ブラ”を知らなかった方も好きになってもらえるように頑張りたいと思います」
インタビュー・文/宮崎新之
Photo/倉田貴志
※構成/月刊ローチケ編集部 5月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります
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【プロフィール】
荒牧慶彦
■アラマキ ヨシヒコ ’90年生まれ。’12年、ミュージカル『テニスの王子様』で甲斐裕次郎役デビュー。アニメや映画などでも活躍中。