Ⓒ岸本斉史 スコット/集英社 Ⓒライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」製作委員会2022
感動間違いなしの「NARUTO」の世界に浸ってほしい
常に斬新な表現方法で驚きと感動を巻き起こしてきたライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」の新作が今秋上演される。4年ぶりの新作公演となった前作から続くストーリーで、原作の“第四次忍界大戦篇”を軸として、闘いはクライマックスへ突入する。2015年の初演から7年。うちはサスケを演じ続けてきた佐藤流司が、今作にかける想いを語った。
佐藤「物語がいよいよ終盤に入り、ずっとやってきた身としてあらためて引き締まる思いがあります。タイトルにある通り今作で“開戦”するので、さらに次へ繋げていくという意味でも大事な舞台になってくると思います」
サスケは兄・イタチへの復讐を遂げるべく“木ノ葉隠れの里”を抜けたが、やがてイタチの真実を知ったことで復讐の炎は里に向かう。里の長である“火影(ほかげ)”を目指す主人公・うずまきナルトとは好敵手といえる間柄であったが、今や宿敵のような関係に。
佐藤「子どもの頃に漫画を読んでいた時は“どうしてサスケは里に戻らず、潰そうと考えてしまったんだろう”と思っていたのですが、サスケを演じてみて腑に落ちる部分がありました。イタチが里と一族のためを思って決断を下す中で、弟のサスケだけはどうしても可愛くて殺せなかった。兄の本心を知った時のサスケの気持ちを演じる中で解釈していったら、その心情が理解できました。昔は完全にナルト派だったんですけど、今は“ちょっとナルト、サスケの言うことも聞いてあげてよ!”と思っています(笑)」
復讐にとらわれるサスケに寄り添う佐藤。「長い間演じているので思い入れはかなり深いです。原作の編集部の方の次くらいには研究している自信があります!」と笑顔を見せるが、一方で「半端な覚悟でサスケを演じるとメンタルが壊れてしまう」と、厳しさもうかがわせる。
佐藤「のめり込み過ぎると、サスケに連れて行かれてしまうんですよ。ヴィランで有名な“ジョーカー”を演じる俳優は、監督から“ジョーカーに引きずり込まれてしまうから研究し過ぎないでくれ”と言われるらしいのですが、それを聞いた時に少しシンパシーを感じました。僕は一時期、キャスト全員が敵に見えてしまうことがあったので(笑)。カンパニーとしてはひとつの作品を作り上げていく仲間ですし、ちゃんと切り替えていくことが大切ですね。脚本・演出の児玉明子さんもサスケの変化を色濃く描いてくださっているので、見に来てくださる方にはサスケのことも応援したくなるような気持ちになってくれたらいいかなと思って演じています」
今回の大戦では禁術“穢土転生”が発動され、歴代の強大な忍たちが次々に復活を果たす。イタチもその中のひとり。サスケとイタチが再び相まみえるシーンは屈指の名場面だ。佐藤も「初めて読んだ時、もう大泣きしました。読み返す度に号泣していますし、原作の中でも3本の指に入るくらい感動したシーンです」と明かし、ステージでの表現に意気込む。
佐藤「あのシーン、サスケは泣いてはいないんですよね。泣いてしまいそうですけど……僕がサスケとしてどんな表情を見せるのかは、本番で確認していただければと思います。そして今作には、ガイ先生がついに参戦します!《友情・努力・勝利》を一番体現しているようなキャラクターなので、彼のエピソードも全部泣いてしまう。どこを見ても楽しめる舞台ですので、ぜひ劇場でライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」の世界に浸ってください。絶対に感動が待っています!」
インタビュー・文/片桐ユウ
【プロフィール】
サトウ リュウジ
■’95年生まれ。俳優として多くの映像作品や舞台、ミュージカルに出演し、歌手としても活動している。
※構成/月刊ローチケ編集部 8月15日号より転載
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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