みんなで楽しい空間を作り上げましょう!
幕末の動乱の時代を駆け抜けた新選組と鬼たちの生き様を描いたミュージカル『薄桜鬼』。通称「薄ミュ」と呼ばれ多くのファンに愛されてきた人気作が、今年4月に上演した「真改 斎藤一 篇」でシリーズ10周年を迎えた。それを記念して、「薄ミュ」の世界観を彩る名曲をライブ形式で披露するステージを6年ぶりに開催する。そのミュージカル『薄桜鬼』HAKU-MYULIVE3に出演する、土方歳三役の久保田秀敏と山南敬助役の輝馬に、初参加の心境や「薄ミュ」への思いなどを聞いた。
輝馬「2.5次元舞台と言われだしたのが10年くらい前だと思うんですけど、ミュージカル『薄桜鬼』はそのさきがけ的な作品。今まで多くのキャストが演じて何作も上演されているので、新しい作品に入るのとは違うプレッシャーはあります」
久保田「新選組という史実もあって、その時代を生きていた人たちの熱い志があるからこそ、人の心を惹きつける作品、それが「薄ミュ」だと思うんです。だからこそ、その世界を生きることをより大事にしています。それに歌ありダンスありで殺陣もあるので、体にムチ打ってヒイヒイ言っております(笑)」
2012年にミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンで出会った久保田と輝馬は10年来のつきあい。仲のいい飲み友達でもあるという2人が、’21年に「薄ミュ」で再び共演。
輝馬「やっぱりこの10年間、お互い違うところで成長しあって、また仕事ができるというのは単純に嬉しいなと思います」
久保田「そうだね。僕は20代の頃は目の前のことにただがむしゃらで、役者という仕事が楽しくなってきたのは30代に入ってからなんです。だから「薄ミュ」でまた輝馬をはじめ、昔から知っているキャストと芝居できるのはやっぱり楽しいです」
「HAKU-MYU LIVE」には2人とも初参加。楽しみにしていることは――。
久保田「舞台作品としてのライブに出演するのは、『テニミュ』のDream Live以来なので10年ぶりなんです。お客様も、キャラクターと役者自身が一緒に同じ空間に存在している感じとか、劇中では絡まないキャラクターの絡みを純粋に楽しみに来てくださると思うし、僕自身も楽しみです」
輝馬「新選組がライブをやっているんですから、その矛盾が面白いし、お祭り感で役者が8割りくらい出てきちゃってもありかも(笑)。普段、重厚感のある演出をされる西田大輔さんがどんな楽しい演出をするのかも楽しみです」
最後にどんなステージにしたいか、意気込みを聞いた。
輝馬「声を出して、隣の人とわちゃわちゃしてっていうのがライブ本来の楽しみだと思うんです。今は声を出せなくても、ペンライトを振って、拍手して、グッズをいっぱい買っていただいて(笑)、楽しんでほしい。僕たちは来ていただけるだけで本当にありがたいので、自分たちのやれることをしっかりやって、お客様に満足してもらいたいと思います」
久保田「僕は…『真改 斎藤一 篇』本編では(隊士たちが上裸で踊る場面があったが、ひとりだけ)脱げなかったので、土方が脱ぐのか? 脱がないのか? も注目してください(笑)。とにかく何も考えずに楽しんでもらいたい。単純にライブとしてもそうですし、「薄ミュ」のもうひとつの姿が見られる唯一の機会でもありますし、みんなで楽しい空間を作りましょう!」
インタビュー・文/井ノ口裕子 Photo/篠塚ようこ
©アイディアファクトリー・デザインファクトリー/ミュージカル『薄桜鬼』製作委員会
※構成/月刊ローチケ編集部 9月15日号より転載
※写真は誌面と異なります
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
クボタ ヒデトシ
■’87年生まれ。福岡県出身。近作に舞台『血界戦線』Blitz Along Alone、ミュージカル『薄桜鬼 真改』斎藤一 篇など。
テルマ
■’89年生まれ。島根県出身。近作に舞台「HELI-X III~レディ・スピランセス~」、ミュージカル『薄桜鬼 真改』斎藤一 篇など。