舞台『鋼の錬金術師』|一色洋平&廣野凌大 インタビュー

©荒川弘/SQUARE ENIX・舞台「鋼の錬金術師」製作委員会

“生の表現”で舞台版“ハガレン”の世界観を届ける

荒川弘が描くダークファンタジーコミックの金字塔「鋼の錬金術師」(掲載「ガンガンコミックス」スクウェア・エニックス刊)が初舞台化される。10月24日には製作発表会がおこなわれ、エドワード・エルリック役(Wキャスト)の一色洋平と廣野凌大が舞台版のテーマ曲『鋼の絆』を熱唱。4カ月に渡るオーディションによってキャスティングされたふたりが、今作にかける意気込みを語った。

廣野  肉体的なことですが、夕食をプロテインに置き換えて絞りながら鍛えています。

一色 原作に描かれている上裸姿のエドを見ると、きちんと鍛えている体つきなんだよね。舞台上でもそれが現れたら楽しいと思うので、僕も体作りを頑張っています。

廣野 洋平さんはもう充分でしょ!これ以上、僕との差を広げないでください!

一色  いやいや(笑)。でも胸筋をつけると途端に大人っぽくなってしまうから難しい。崩すのは簡単なのでとりあえず作っておこうかと。

廣野 そうですね。ソウル的な部分に関してはみんなと作りたいので、今は身体的な準備をしています。

一色  荒川先生が“少年漫画である限り主人公は成長しなければならない”と書かれていて。成長するためには周りからの影響を受けないとダメなので、僕も柔軟さは持っていたいなと思います。

頷き合うふたり。今作で出会ったとは思えない“絆”を感じさせる。

一色  凌ちゃん(廣野)がすごく話しやすい雰囲気を出してくれているので、僕はそこに甘えています。歌唱披露では偶然同時に座る瞬間があったり、感覚が似ているところもあるのが嬉しい。

廣野   僕の方こそ!人見知りなので、こうやって話せるのがありがたいです。洋平さんの高いスキルを僕は僕なりの熱で補いたいという気持ちもあります。Wキャストはどうしても比べられるものだと思うので、イイ意味でバチバチにいきたいです。

一色  きっと僕らふたりが一番苦しむのが丁度良いよね。主人公こそ最もたゆたうものだと思うし、隠さずに悔しがって良いところは積極的に真似したい。すごく健全な稽古場になりそう。

廣野   脚本・演出の石丸さち子さんは発破の掛け方が体育会系なのですが、そこに食らいつける方ばかりだと思うので。みんなで一丸となっていけたらと思います!

物語の中心となる《鋼の錬金術師》ことエドワード・エルリックと弟のアルフォンスは、亡き母を生き返らせるために錬金術による“人体錬成”の禁忌を犯し、その代償を支払った過去を持つ。ふたりは全てを取り戻すため、手掛かりとなる“賢者の石”を探す旅に出る――。

一色  舞台化で皆さんが気になるのは“錬金術”だと思います。まだ想像の範囲ですが、表現に際してはマンパワーも必要になってくるのではないかと。そうなったとき、この作品において“錬金術を生きた人間が表現する”ということは、ものすごい意味を持ってくる。僕はそこに面白さを感じたので、意味のある錬金術の作り方をしていけたら 。

廣野   今作は生演奏。音楽とマンパワーによる“生での表現”によって、壮大な世界観を解像度高く届けられるのではないかと思っています……頑張ります!!

一色  最後がシンプル(笑)

廣野   それしかないなって(笑)。初舞台化なので、お客様も期待と不安が半々ではないかと思います。僕らも今は正直ビクビクしていますが、皆さんにお届けする頃には胸を張っている状態になっていると思いますので、安心してください!

一色  世界初の舞台版“ハガレン”、荒川先生が書かれた言葉と石丸さんが舞台版で新たに錬成し直した脚本の言葉たちを、主人公として凌ちゃんと一緒にお届けしたいなと思います。作品の魅力をお伝えできるように頑張ります!

インタビュー&文 / 片桐ユウ

※構成/月刊ローチケ編集部 1月15日号より転載

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】
一色洋平
■イッシキ ヨウヘイ
’91年生まれ。近年の主な出演作は、ミュージカル「フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~」、『飛龍伝2022 〜愛と青春の国会前〜』など。

廣野凌大
■ヒロノ リョウタ
’98年生まれ。近年の主な出演作に『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stageなどがある。「Bimi」名義でアーティストとしても活躍。