ミュージカル『薄桜鬼 真改』山南敬助 篇|輝馬 インタビュー

©アイディアファクトリー・デザインファクトリー/ミュージカル『薄桜鬼』製作委員会

2023年春も「薄ミュ」の桜が舞う

今年4月、ミュージカル『薄桜鬼 真改』山南敬助 篇が上演される。ゲーム『薄桜鬼』を原作として、殺陣×ダンス×歌で物語を綴るステージが人気を博しているシリーズの最新作だ。11年目を迎える「薄ミュ」の主演を務めるのは、ミュージカル『薄桜鬼』黎明録(2015年)より山南敬助を演じている輝馬。

輝馬 これまでいろいろな方が主演されてきた「薄ミュ」にまさか自分が、という気持ちもありましたし、初めてシリーズに出演した頃には思ってもみなかったこと。当時の自分に『2023年に“山南敬助 篇” をやるよー!』と教えてあげたいです。「薄ミュ」というタイトルがずっと変わらずに軸として有り続けてくれたので、僕はタイトルに助けてもらって真ん中に立てればと思っています

幕末の動乱を駆け抜けた新選組の生き様と、ヒロイン・雪村千鶴の恋の行方を追う原作ゲーム『薄桜鬼』は2008年に第1作目が発売。その後、新たなキャラクターを加えた『薄桜鬼 真改』が展開している。千鶴が山南への恋愛感情を育む“山南敬助ルート”は「真改」から登場。

輝馬 僕もまだ台本を楽しみに待っている状態なのですが、主軸となることにワクワクしています。これまでの作品でも山南と千鶴が会話したりと絡む場面はありましたし、ヒロインと全く関わりがなかったというわけではない。その経験を良い形で今作に持っていければと思います。僕としては女性とデュエットする機会があまりなかったので、千鶴とふたりで歌う場面があればいいなと期待しています

山南敬助は新選組の総長。『薄桜鬼』独自の設定である“変若水”や“羅刹”の研究・改良を担っている。“○○篇”と主役が変わる度、描かれ方が異なるのもキャラクターの特徴だ。

輝馬 悪役じみた言動を取ることもあれば、実はめちゃくちゃ良い人だったと終盤で判明する山南もいますし、曖昧な立ち位置の場合もありました。振り幅のある人物としてやらせていただいてきているので、「山南敬助 篇」ではまた新しい山南敬助を見つけられたらいいなと思います

ルックスや歌唱力に加え、これまでのシリーズに出ていることも輝馬の強み。長年「薄ミュ」を支えてきたキャストたちも続投する。

輝馬 同じ空気を吸って同じ作品を作ったことのある方々がいてくださるのは心強い。皆さんいろんなものを持って現場にいらっしゃっていると思うのですが、ご自身の持っているスキルに満足せず現場でチャレンジする方ばかりなんです。抜きん出てやろうというより、一緒に肩を組んで上がっていこうという感じがすごくある。役柄や年齢関係なく仲が良くて、やることはしっかりやる。団結力が圧倒的に強い作品です

そのカンパニーで主演を担うプレッシャーについては「いつも自分の出来ることを全力でやっているので、気負わずにやれたらと微笑みつつも「とはいえ周りで支えてくださる方々に尻を叩かれるような主演ではダメだなと思っていますので、今まで以上に努力していきたい」と意気込んだ。

輝馬 原作が好き、キャラクターが好き、役者が好き……いろいろな方がいらっしゃるかと思いますが、「薄ミュ」は全てのキャラクターが美味しく登場して活躍します! 何か好きなものがひとつでもあれば絶対に楽しめる作品です。未来の輝馬と未来の「薄ミュ」チームが良い作品を作り上げているに違いないと今から分かるので、ぜひ観に来てください。劇場でお待ちしています!

インタビュー&文・片桐ユウ

※構成/月刊ローチケ編集部 2月15日号より転載

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【プロフィール】

輝馬
■テルマ
’89年生まれ。近作にMANKAI STAGE『A3!』ACT2! ~WINTER 2023~、舞台「文豪ストレイドッグス 共喰い」など。