舞台『転生したらスライムだった件』|尾木波菜インタビュー

作品への愛は誰にも負けないという気持ちで頑張ります!

『転生したらスライムだった件』=通称“転スラ”が初舞台化される。WEB小説投稿サイト「小説家になろう」にて連載開始されてから10年という節目を祝した『転スラ 10thプロジェクト』企画のひとつで、主人公・リムル=テンペストを演じるのはアイドルグループ「≠ME」の尾木波菜だ。

「大好きな作品だったので“舞台化されるんだ!”と驚きましたし、その舞台に主役として選んでいただけるなんて……と、すごく嬉しかったです。でも最初にお話を聞いたときはドッキリじゃないかと思って、仕掛けカメラを探してしまいました(笑)」

主人公は異世界に転生するサラリーマン。現世では三十代の男性だったが、転生先では低級モンスターとされている(が、様々なスキルを得て実はチート能力を備えている)スライムに。設定だけ聞くと共通点を探すのが難しそうな役柄に思えるが、尾木本人は「見た目や年齢は離れていますが、オタク気質なところは似ている気がします」と微笑む。

「転生のキッカケとなる出来事も主人公の人柄が出ているのですが、転生してからも絶対に仲間を見捨てない、裏切らないところが大きな魅力だなと思っています。最強なので“リムルがいれば”という安心感があって、存在感は大きいけれどサイズ感は小さくてカワイイ(笑)。そのギャップもすっごく好きです!」

アニメ・漫画好きの尾木は、“転スラ”の様々なメディアミックスも網羅している。特に好きなキャラクターとして暴風竜・ヴェルドラを挙げたものの、「みんな可愛くてカッコイイので、一番を選ぶのは難しいです~!」と魅力を語り出したら止まらない。

「“転スラ”はライトノベルからハマって、アニメも漫画も見ていました。SFや異世界転生といった非現実的な世界観のアニメが好きでしたし作画も良くて、アニメは何周もしていましたね。漫画も何度も読み返していたので、キャラクターには詳しい自信があります!」

昨年には≠ME ACT LIVE『おジャ魔女どれみドッカ~ン!』で2.5次元舞台にも出演。「人生で初めて経験することばかりでした」と振り返るが、「たくさんのことを教えていただき、新しいことやアイドル活動にも通じること、いろんなものを身につけることができたなと思います」と成長をうかがわせる。

「また舞台に出演できたらなとも思っていたので、今回本当に嬉しく思っています。舞台には擬人化して登場するキャラクターもいたり、大賢者の声がアニメと同じ豊口めぐみさんだったりと、楽しみなことがたくさんあって。リムルもスライム状態のときはどんな風に演技するのだろうと、今からワクワクしています」

グループ内では年下の尾木だが、家族には弟と妹を持つ長女。掲げる目標も「何事も手を抜かず、目の前にあるものを全力でやること」と堅実だ。異世界で様々な種族から信頼されていく主人公との共通点がここにもありそう。プレッシャーのかかる初主演という立場も「私でいいのかな?という気持ちもありますが、なかなかないことだと思うので、精一杯頑張ります」と前向きに意気込む。

「作品への愛は誰にも負けないぞというぐらいの気持ちを持って、皆さんに素敵なものを届けられるように頑張ります。ぜひ劇場にお越しください!」

インタビュー&文/片桐ユウ
Photo/植田真紗美

※構成/月刊ローチケ編集部 5月15日号より転載

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【プロフィール】

尾木波菜
■オギ ハナ 
指原莉乃プロデュースのアイドルグループ「≠ME」のメンバーとして、’19年にデビュー。’21年にメジャーデビュー。≠ME 6thシングル「天使は何処へ」発売中。