集大成の舞台は“BoP”『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -Battle of Pride 2023- シブヤ・ディビジョン|安井謙太郎×坂田隆一郎×滝澤諒 インタビュー

2023年9月3日(日)大阪・大阪城ホール、9月7日(木)~10日(日)横浜・ぴあアリーナMMにて、舞台『ヒプノシスマイク』(通称ヒプステ)によるライブ公演『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』Rule the Stage -Battle of Pride 2023-が開催される。集大成となる今公演ではこれまで登場した全ディビジョンが集結し、盛大なライブを繰り広げる。

ローチケ演劇宣言!ではシブヤ・ディビジョン“Fling Posse”の飴村 乱数役・安井謙太郎さん、夢野 幻太郎役・坂田隆一郎さん、有栖川 帝統役・滝澤諒さんに登場してもらい、-Battle of Pride 2023-に向けての意気込みや、今だから話せる“Fling Posse”の裏話などを聞いた。

ーー“ヒプステ”の全ディジョンが参加する『-Battle of Pride 2023-』(以降、BoP2023)が開催されます。大イベントを前にした現在のお気持ちは?

安井 はじめてBoPに出演させて頂くのですが、全ディビジョン集合ってことになると……ものすごい迫力になるでしょうね!今回は声出しもできるし、規模も大きいし、いったいどんな並びでステージに立つのか気になっています。全員で横に並ぶ?ステージに乗るのかな(笑)。そんなところも今は想像しつつファンの方々と一緒に楽しみたいと思っています。

坂田 僕もはじめて出演させて頂くので、今はお客さん目線で「いったいどんな景色が見られるんだろう?」ってワクワクしています。BoP2023が、見てくれた方の人生において一番楽しかったって思わせるくらいのお祭りになればいいなと思っています。

ーー滝澤さんは、前回(2021年)のBoPにも出演されています

滝澤 前回は声出しができなかったにも関わらず、お客さんの迫力が凄くて、あの光景は今でも思い出すくらいです。なので我々は臆せずにいくってことですね。“ヒプステ”って演出家の植木豪さんが、毎回なにかしらの新しいチャレンジをされるので、その演出に負けたくないという気持ちでパフォーマンスをしたいですね。

安井 ステージ構成とか演出は気になるよね。前回の公演はお客さんとして観に行かせて貰ったけど、花道がすっと伸びていて、センターステージがあったのが印象に残ってる。今回は前回と違ってコロナでできなかったこともできるようになっていると思うので、そこも楽しみにしています。

ーー驚いたのは、今回のBoP2023を持ってキャストが“卒業”すると発表されたことです。改めて“ヒプステ”に対する思いを聞かせてください

安井 発表したときのファンの人たちの大きな反応を知って、“ヒプステ”が積み重ねてきた歴史を改めて感じました。でっかい打ち上げ花火みたいな感じで、「BoP2023、凄かったよな!」って思われるような公演にしたいですね。

坂田 “卒業”だからといって何か変わることはないです。まあ、個人の思いは(演技に)乗るとは思いますけど、これまで愛し続けてくれた皆さんに、まだまだ“ヒプステ”を愛していきたいなって思って貰えるような姿をステージで見せられればいいと思っています。

滝澤 僕もラストだからって変わることはないですね。BoP2023に関しては今までどおりいい作品を届けるって気持ちでやるだけ。“有栖川 帝統”としてしっかりステージに立つってことが大切だと思っています。“滝澤諒”としてステージに立つのであれば、また見え方も違ってくると思うんですけど、あくまでもキャラクターとして立つ以上は、そこで感慨深くなっちゃうような表現の仕方は粋じゃないと僕は思うので、あえて意識はしないです。今までどおりやろうと思っています。

ーーシブヤ・ディビジョン“Fling Posse”として印象に残っていることは?お互いのイメージが出会ったときと違う印象になったりは?

坂田 大きくは変わらないですね。

安井 僕らは最初に3人揃ってお客さんの前に立ったのがライブだったというのが大きいかもしれません。ライブってお客さんと一緒に作るものなので、予期せぬことがステージで起きたり、想像以上の化学反応が生まれたりしたあとに舞台を経験できたのは、僕らにとってプラスに働いたと思います。

坂田 ライブで最初にグッと近づいた感はあったね。かなり自由にやらせて貰ったしね(笑)。

安井 そうそう。ライブだからこそ、僕らに任せていただけることが凄く多かったんで、メンバーと会話もたくさんして、対話しながら作っていったのが良かったですね。

ーー絆を強めるために特別なことをされたりは?

坂田 僕から食事に誘ったりはしましたけど、別に仲良くなる為に行ったわけじゃないですからね。特別なことは……。

安井 いやいや~。「仲良くなろうぜ!」隊長をやってくれたと思うよ。本当は年長者のオレがやらなきゃなと思ってたときに、「行こうよ」って声をかけてくれて本当に嬉しかったよ。

坂田 やっぱり仲間として三人一組になるわけですから、自分が気を使うのは嫌だなと。それだったら最初に全部、思いを伝えておこうと思ったんです。なので、こんな自分を受け入れてくれたふたりには感謝しています。オレのことを嫌いな人は嫌いなはずなので、最初に伝えることができて良かったと思ってます。

安井 え? 別に僕らは好きとは言ってないけど……?

滝澤 うん。言ったことないね……。

坂田 あ。確かに自分が思っていただけで口に出して言われたことは……ない……あれ?オレが受け入れてくれたと思っているだけ!?

安井 ハハハハ。

ーーまさに“Fling Posse”の掛け合いを目の前で見ているようです

安井 ハハハ。真面目な話、とても助けられました。逆に諒ちゃんは金髪だし、袖のない服着てたから最初、怖い人かと思ってた。

滝澤 袖がない服着てると怖い人なの!?

安井 怖い人だと思っていたら、めちゃくちゃ真面目な人だった(笑)。諒ちゃんが有栖川 帝統ってキャラクターを作り上げてきてくれたことが“Fling Posse”の軸になったし、その土台に僕らも乗っからせて貰った感覚がある。楽屋でもずっと公演のビデオを見てチェックしてたし、最初のイメージとは全然違ったね。

滝澤 真面目っていうか、不安なんですよね。やらないと。逆にみんながいつアップしてるのか知りたいくらい。

ーーそれぞれのペースで役作りが行われているんですね

安井 確かに「みんなでアップしようよ!」って強要みたいなのはないね。そういえばこの前、ヨコハマ・ディビジョンと一緒にやったけど、ヨコハマはヨコハマで違ってたよね?

坂田 うん。楽屋の雰囲気からして全然違ってた。ウチは楽屋でもワイワイうるさいけど、僕らの横でヨコハマの3人は寝てましたからね(笑)。

滝澤 熟年夫婦みたいな感じで、言葉は少ないんだけどわかり合ってた。

安井 用事があって楽屋を出るときも「行く?」「行く」。それだけで通じ合ってた!

ーーそれぞれのディビジョンでも違いが出るんですね。良いエピソードです。これまで出演された“ヒプステ”公演、もしくは稽古中などで印象に残っていることは?

安井 最近だけど、《Fling Posse VS MAD TRIGGER CREW》のとき、みんなで大阪でお肉を食べたことかな。

坂田 あれは楽しかったなあ。

安井 それまでは(コロナ禍だったので)みなさんと食事に行くこともできなかったけど、あのとき初めてみんなで食事ができて、あそこでヨコハマのみんなとご飯を一緒に食べれたのは嬉しかった。

坂田 まさに意外な一面を見れたりね。

安井 そう。特に(入間 銃兎役の)水江建太くんとはあそこで仲良くなった気がする。

坂田 あれから楽屋でも6人でいることが増えたしね。楽屋で好きなお菓子の話をしたりして。

ーーステージの裏でも素敵なグルーヴ感が生まれていたんですね

安井 最終的にはお弁当もみんなで食べてたからね。それも自然発生的に。で、食べ終わったら、それぞれのリズムでアップをはじめて。自然にやっていたのが良かったです。

ーー9月のBoP2023がますます楽しみになってきました

滝澤 今回のBoP2023は声出しができるんですよね。この前の《Fling Posse VS MAD TRIGGER CREW》でようやく声出しができたときは本当に感動しました。忘れかけていた何かを思い出させてくれたというか。お客さんも緊張していたと思うけど、初日から千秋楽までテンションが下がり続けることなくボルテージもあがっていったし、僕らもどんどんテンションが上がっていって好きなことをやりまくりました。9月のBoP2023も本当に楽しみにしています。

坂田 《Fling Posse VS MAD TRIGGER CREW》の初日、“D.D.B”のToyotakaくんが、スタート前にお客さんと一緒にコール&レスポンスの練習をしたときのこと覚えてる?

滝澤 覚えてる。みんなでステージ袖から見てたね。

坂田 そう。メンバーみんな袖にいたんだけど、お客さんとToyotakaくんのコール&レスポンスの声を聞いた瞬間、袖にいた僕らも一気に高まったよね。「うわっ!人の声だ!」って。

ーーお客さんの声が届くっていうのはそれほど大きなことだったんですね

坂田 テンション上がって(毒島 メイソン 理鷲役の)バーンズくんとハイタッチしましたからね!

滝澤 本当にヒプステファンのエネルギーは凄い。声出しができないときもハンドサインをやってくれてたし、あれがあったのは大きいし感謝しています。

ーーヒプノシスマイクという作品の性質もありますが、お客さんとの一体感は“ヒプステ”を観劇する醍醐味のひとつだと思います

滝澤 それは僕らだけじゃなく、“D.D.B”の力も大きいです。この作品を語るうえでも絶対に外せない人たちです。今回のBoP2023は全ディビジョンが出ますけど、“D.D.B”もいろんなシチュエーションで登場すると思うのでそこも注目してください。

ーー最後に前回のBoPに出演した先輩として滝澤さんから安井さんと坂田さんにBoPに向けてのアドバイスはありますか?

滝澤 そんなのないですよ(笑)。

安井・坂田 お願いします!

滝澤 アドバイスはないけど、僕から言えるのは「やっちゃおう!」ってことだけ!

安井・坂田 (笑)。

ーー公演を楽しみにしております。ありがとうございました

インタビュー・文/高畠正人
撮影/篠塚ようこ