歌劇『桜蘭高校ホスト部』Fine|小松準弥 インタビュー

©葉鳥ビスコ・白泉社/歌劇『桜蘭高校ホスト部』製作委員会

キャラクターへの愛、仲間への愛と共にフィナーレへ

眉目秀麗な男子高校生たちが部活動として最高のおもてなしをする“ホスト部”。彼らの学園生活をコミカルかつハートフルに描き出し、大人気となった「桜蘭高校ホスト部」(作・葉鳥ビスコ/白泉社)を原作とした歌劇『桜蘭高校ホスト部』(※以下、ホスミュ)の第三弾が12月に上演される。2022年1月に初演、同年12月に第二弾が上演され、今作がフィナーレ。「(寂しさのあまり)稽古場から誰か泣いてしまうかもしれない」と、シリーズへの愛を語るのは須王環役・小松準弥だ。

「初演ではコロナ禍の影響で大阪公演が中止になり、みんなで悔し涙を流したこともあります。良いことも悪いことも共に味わい、乗り越えてきた仲間たちと一緒にフィナーレを迎えられる喜びを感じています。それと同時に“いよいよ最後が始まってしまうのか”という寂しさも大きくなっています」

小松が演じる須王環はホスト部を立ち上げた張本人。超ポジティブで即行動派、周りを騒動に巻き込むキングだが、自分の恋心には無自覚であったりとピュアで憎めないキャラクターだ。

「シリーズ作品としてやらせていただいてきたので、常に環くんと歩んできた感覚があります。最初の頃は自分と似ている部分なども感じていたのですが、実際に演じてみると彼が持つエネルギーの大きさに圧倒されてしまって。僕が思っている以上のパワーや愛情が必要なんだと思いました。ただ、その力に僕自身も助けてもらいましたし、人との向き合い方や相手に対する思いやりなど、多くのことを環くんから教えてもらったなと思います」

役への愛と同時に明かすのは、仲間たちへの愛。ホスト部のメンバーを始め、登場人物たちは環に負けず劣らずの濃いキャラクターばかり。演じるキャストたちも個性豊かな実力派が揃っている。

「仲間たちとの出会いは、ホスミュで得られた大きなことのひとつです。みんながいてくれなかったら僕は真ん中に立てていない。芝居に歌、ダンスも長けている人たちばかりだったので、たくさん相談に乗っていただきました。すごく感謝しています。その中で僕ができることは、環として自信を持って“俺たちのホスト部、最高だろ!?”と、堂々と振る舞うこと。その強さがホスト部の魅力であり、最高のおもてなしにつながると思ったので、そこはずっと意識してやっていました」

今作でついに解禁となるコール&レスポンスなど、楽しみどころも盛りだくさん。ヒロイン・藤岡ハルヒ(山内優花)を巡る恋模様など、気になる展開も待ち受けている。

「第二弾までご覧になった皆さんは“ど、どうなっちゃうの~!?”というところですよね(笑)。原作をご存知の方にも、歌劇ならではの表現をお楽しみいただければ。フィナーレにふさわしいストーリーになっていますし、スタッフの方々からの“絶対に良いものを届けましょう!”という熱意も今からヒシヒシと感じているんです。僕らも負けないように全力で取り組んでいきたい。寂しくなる瞬間もあるかもしれませんが、その気持ちも背負って集大成を作れたら。何より、しんみりした空気はどこかへ吹き飛ばすくらい明るく楽しい空間を作るのがホスミュ!最高のおもてなしをいたしますので、一緒に素敵な時間を過ごしましょう!!」


インタビュー・文/片桐ユウ

※構成/月刊ローチケ編集部 10月15日号より転載

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【プロフィール】

小松準弥
■コマツ ジュンヤ
2.5次元舞台を中心に活躍。2019年に「AWay of Life/Toxic」でメジャーデビューし、歌手としても活動する。