ミュージカル『刀剣乱舞』 千子村正 蜻蛉切 双騎出陣 ~万(よろず)の華うつす鏡~|太田基裕&spi インタビュー

©NITRO PLUS・EXNOA LLC/ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会

このふたりにしか作れない“双騎出陣”に

刀剣男士、千子村正と蜻蛉切の2振りがIHIステージアラウンド東京に出陣する。「刀剣乱舞ONLINE」(DMM GAMES/NITRO PLUS)を原案として、2015年から始まったミュージカル『刀剣乱舞』(通称・刀ミュ)シリーズの中でも、各刀剣男士の特色を生かした構成で好評を博してきた単騎出陣や双騎出陣など少数の刀剣男士による公演。千子村正を演じる太田基裕、蜻蛉切を演じるspiに意気込みを聞いた。

spi 双騎出陣が決まった時、僕は“ヨッシャー!”と思いました。やりたいとずっと願ってきたので、素直に嬉しかったです。

太田 僕は“キャー怖い!”と思いました(笑)。でもやるなら今だなと。いろいろなものが少しずつ熟してきたように感じていたので、やるべき時が来たのだと思います。

千子村正は初代村正(千子村正)の作で、妖刀として知られる打刀。蜻蛉切は村正の一派である藤原正真作の槍。“村正”として関係の深い2振りによる双騎出陣だ。

太田 千子村正が双騎で出陣するなら、蜻蛉切としかあり得ないと思っていました。他の刀剣男士とだったら、僕は“無理無理!”と断っていたはず。でもspiのほうは他の刀剣男士と出陣したいって考えていたかもしれない!

spi 確かに蜻蛉切は“天下三名槍”のひとつだったり、他の刀剣男士との繋がりもあるけれど(笑)。やっぱり千子村正と蜻蛉切の関係性は強くて濃いし、他にはない。僕もこの2振りだと思っていました。

太田とspiは2017年上演の「三百年の子守唄」から刀ミュに参加。高い歌唱力と華やかな存在感でシリーズを支えてきた。今作の演出は経験値と信頼の元、このふたりが担う。

太田 千子村正と蜻蛉切がやり取りする場面を、演出の茅野イサムさんが僕たちに任せてくださったこともあったんです。その延長線で、背中を押していただきました。

spi これまでの経験があったので、すでにお互い信頼がありました。僕は主にライブパートの統括を担当。物語の内容に関しては、もっくん(太田)に任せています。もっくんが作るアートワークは僕にないものですし、もの作りの最中に他の誰かが入ると、せっかく転がっていたものが止まってしまうこともあるので。脚本については“イイね!”ボタンを押すのみでした(笑)。

太田 様々なクリエイターが入っていることもあって、分担したほうが混乱しないのではないかとspiが提案してくれたんです。ミュージカルパートは、今まで2振りが出陣してきた作品の隙間を埋めていくような物語になると思います。ある意味ではコアでマニアックだと思いますが、お客様を置いてきぼりにはしたくない。お互いを感じながら紡いでいければ。

刀ミュ初となるIHIステージアラウンド東京での上演。2振りがどのように舞うのか、期待が高まる。

太田 以前、ステアラで観劇した時、まさに体験型の劇場だと思いました。あの没入感を今作でも出せたら面白いだろうなと考えています。千子村正と蜻蛉切がお好きな方にはたまらない作品になっています!年末のお忙しい時期だとは思いますが、ぜひぜひ遊びに来てください。

spi 劇場が円形であることからインスパイアを受けて、生命や縁といった巡るものをテーマにしようと始まったのが今作。その巡りの中に2振りの対比や特徴を織り込んで膨らませていきました。どのコンテンツでも見たことのなかった新しいものが見られると思います!寒い時期ですが、体調にお気をつけてお越しください。ステアラでお待ちしております。

インタビュー&文/片桐ユウ

※構成/月刊ローチケ編集部 11月15日号より転載

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
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【プロフィール】

太田基裕
■オオタ モトヒロ 
ミュージカルや舞台を中心に活躍。近作にミュージカル「スクールオブロック」、演劇調異譚「xxxHOLiC」 -續-など。

spi
■スピ 
俳優、歌手、モデルと幅広く活躍。近作にミュージカル「手紙」、ブロードウェイミュージカル「ドリームガールズ」など。