舞台『SaGa THE STAGE~再生の絆~』制作発表会レポート!

スクウェア・エニックスで1989年に発売した『魔道士サ・ガ』から始まる人気RPG『サガ』シリーズ。世界累計出荷・ダウンロード数は1100万本を超え、日本を代表する作品の一つとなっている。2023年12月にシリーズ発売35周年を迎え、2024年には完全新作『サガ エメラルド ビヨンド』の発売も控えている。2024年2月22日(木)から上演される舞台は、2018年12月に配信スタートしたスマートフォン向けRPG『ロマンシング サガ リ・ユニバース』本編では描かれなかった、「ポルカ編」のその後の物語。プロデューサーである市川雅統、脚本・演出のとちぼり木、松田凌、七瀬恋彩、土屋アンナ、佐藤アツヒロによる制作会見が行われた。

――まずはとちぼりさんから、キャラクターの紹介をお願いします

とちぼり 松田さんが演じるのは、『ロマンシング サガ リ・ユニバース』の主人公ポルカ・リン・ウッド。ビジュアルを見るとわかるようにサーカスの曲芸師のような感じです。松田さんと一緒にやりたいというのは、アクション監督の中村誠治郎さんともずっと話していました。今回は曲芸師であると同時に家族愛に溢れたキャラクター。アクションにおいてもキャラクター性を取り込んで魅力的に演じるのが上手な方なので期待しています。

七瀬さんは、ジョセフィン・リン・ウッド、通称ジョーと呼ばれているキャラクター。ゲーム冒頭で登場する時は反抗期真っ盛りですが、物語の中で自分らしくたくましく成長していく女の子です。ダンスやアクロバットで自分らしさを表現している七瀬さんがイメージにぴったりだと思ってオファーしました。

土屋さんには魔女のイーヴリンと女王蟻のモンスターであるリアルクィーンの2役をお願いしています。イーヴリンは愛情深い、日本の神様で言うと鬼子母神のようなイメージ。リアルクィーンは人間を餌としか思っていないモンスター。歌っていただくシーンもあり、日本中探しても土屋さんしかできない役だと思います。

アツヒロさんには前回、主演・演出として素晴らしい仕事をしていただきました。ノエルたち七英雄は『ロマンシング・サ・ガ2』のラスボスですが、今回はそれを上回る強さのリアルクィーンが登場し、試練に次ぐ試練を課されます。個人的に、アツヒロさんが試練に立ち向かい、這い上がってくるお芝居がすごく好き。カッコいいので今回も楽しみです。

――プロデュースを務める市川さんからも一言お願いします

市川 僕らも最初は手探りでしたが、ゲーム会社が本気で舞台を作ったらどうなるんだろうと考えながら本気でやっています。ゲーム開発陣がこれだけ本気で、舞台を作る皆さんと密接にリンクしている作品は世界中探してもないと思います。

――キャストの皆さんは、意気込みなどいかがでしょう

松田 本気で作っているというお言葉を聞いて胸が熱くなりました。この作品に出会い、舞台を作っていく中で自分の世界も広がると思います。サガシリーズを愛している皆様にも今作でこの世界を知る方にも「いい出会いだった」と言ってもらえるよう、僕も本気で挑みたいと思います。

七瀬 たくさんの方に愛されているゲームの舞台に、素敵なキャストの皆さんと一緒に出られること、可愛くてカッコいいキャラクターを演じられること、本当に嬉しいです。ゲーム原作の舞台も、メインキャストも初めてで緊張していますが、精一杯頑張りたいと思います。

土屋 あのゲームの世界がどうなるのか、私もまだ想像がつかなくてワクワクしています。お客様が舞台で何を感じて、どんな刺激を受けてくれるのか楽しみ。私は2役演じるということで、自分の引き出しを広げて挑みたいです。単に激しい・怖い・強いじゃなく、激しいからこそ悲しい、美しいといった深さを表現できたらいいなと。楽しんでやろうと思います!

佐藤 僕は舞台シリーズ全作に出演していて、市川さん・木さんとずっと一緒にやってきました。今回も本気で、お客様の胸に突き刺さる物語を作っていきたいと思います。ノエルという役をまた演じられることに感謝していますし、その後の話ということですごく楽しみです。

今回のストーリーについては、市川が「ゲームでエンディングを迎えた物語のその後の話を描く完全オリジナルストーリーです。1幕でゲームのストーリーをやり、2幕は続編。そこにアツヒロさん演じるノエルたち七英雄の物語もリンクしていき、共通の敵であるリアルクィーンにどう立ち向かうのかという。リン・ウッド家の絆、七英雄の友情など、“絆”が大きなテーマになってくると思います」と語る。

この日は佐藤演じるノエルにスポットライトを当てたキービジュアル第2弾(下記参照)も発表された。佐藤が「このビジュアルだけではわからないことだらけですが、舞台でやったことがゲームに出てくることもあるので今回も楽しみ」と話すと、市川ととちぼりは「かなり影響を受けています」と頷く。 市川は前作を見た時に非常に感動したそうで、「僕とシリーズディレクターの河津秋敏、作曲の伊藤賢治で抱き合って喜びました。ゲーム開発って、リアルタイム・近い距離でお客様の反応を見ることはまずない。完成した舞台を見た時も作る上でも新たなインスピレーションを受けることがたくさんあります」と振り返る。とちぼりも「ゲームに舞台の衣装を着たキャラクターが出たり、楽曲が使われたり、舞台のエピソードを盛り込んだりということをしてきましたし、今後もしていくと思います」と、ゲームと舞台の相乗効果について語った。

また、音楽はサガシリーズの音楽のほとんどを手がける伊藤賢治が担当する。とちぼりは「土屋さんはもちろん、ジョーを探すリン・ウッド家、松田さん中心に歌ってもらおうと思っています」と話し、松田は「演劇は総合芸術なので、世界を彩ったり、より物語に集中していただけたりするための歯車になれたら」と意気込んだ。

舞台1作目から参加している佐藤は、本シリーズの魅力について「ゲームファンの方は、好きなキャラクターが立体化し、バトルしているのを見るのは楽しいと思います。こちらもゲームファンの方が見にくるだろうと思って作っていますし、キャラクターがこういうことをする・しないも木さんが監修してくれています。同時に一流のスタッフさんが集まり、演劇的にもしっかり作っている。ゲームをやっていない方も楽しめる、完成度の高いエンタメ作品になっています」と自信を見せる。

舞台を見る前に予習したい方に向けては、市川が「ゲームとしては少し難易度が高いと感じるかもしれませんが、SNSなどで色々な攻略法を教えてくれる方もいるので、コミュニケーションも楽しみながら一緒に盛り上げていけるゲームなのかなと思います。宣伝になってしまいますが、12月1日(金)から始めると色々お得に遊べます。キャストの皆さんのファンでどんな役か気になる方は、基本無料で遊べるのでぜひダウンロードしてください」とアピールした。

取材・文・撮影/吉田沙奈

第2弾キービジュアルはこちら!

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