LIVE-MUSICAL-STAGE「チャージマン研!2023」|稽古場レポート&舞台写真到着DA!

(C)2023 鈴川鉄久/ICHI/チャージマン研!Lol
カメラマン:鏡田 伸幸 

1974年に放送された伝説のアニメ『チャージマン研!』(通称:チャー研)。2074年の未来の未来都市に攻めてきたジュラル星人の脅威から、小学生の泉研がチャージマン研に変身して地球を守るために奮闘する物語は、「SEがない」「尺が足りず尺稼ぎ」「フィルムの使いまわし」「無理な急展開ストーリー」など、通常考えられない超低空な完成度で、マツコ・デラックスやダウンタウンも来世に残すべきクソアニメと認めた珍作として平成に再ブレイク。その舞台化第3弾、LIVE-MUSICAL-STAGE「チャージマン研!2023」(通称:チャー研ステ)が12月23日から上演。唯一無二の不思議な体験ステージの稽古場に潜入させてもらった。

12月某日。この日は、ダンスの振付を中心とした稽古が行われるということで、都内の稽古場を訪ねた。

(C)2023 鈴川鉄久/ICHI/チャージマン研!Lol
カメラマン:鏡田 伸幸 

昼12時過ぎ。稽古場に集まったのは、チャージマン研・泉研 役を演じる、大見拓土、髙﨑俊吾、横井翔二郎、中村誠治郎、古谷大和の5人。もう一人の研役、東拓海はスケジュールの都合で遅れて参加するということで、5人での稽古が始まる。ダンスの振付にこの日から参加の中村に、他のキャスト4人が丁寧に教えていく。まずは、舞台中盤に披露される楽曲『手と手を取り合って』の振付から。開始15分で振付トレースが済んで、全員で「OK!」の拍手。さすが覚えが早い!

中村に「音かけてやってみますか?」「できそう?」「やればできる!」などの声をかけ、曲をかけで踊ってみる。フォークダンス風や腹筋のような動きがあったり振付が面白い。これは「チャー研ステ」ならでは? 観ていて楽しくなってくる。コメディソングばかりなのかなと思いきや、歌詞がけっこう良くて失礼ながら驚いた。3回ほど曲かけ練習をして、中村の「出来た!」の声。みんな笑顔で楽しそう。キャストの仲の良さが伝わってくる。

スタッフから『世の中は個性だらけ』もやっちゃいますか?との提案。

ここでバリカン役の赤間頼依も加わって5人で踊って、中村に見せる。それからひとつひとつ中村に振付を教えていく。ステップがけっこう難しそうで、繰り返し練習する中村に、「なんか鳥みたいなポーズだよね」などキャストみんなでコツを教える。中村がやってみると、大見が「完璧!ナイスです!」と褒める。中村は笑顔に。研たちのチームワーク良し!

この楽曲も楽しい動きが多くて、思わず踊ってみたくなるような振付だ。

(C)2023 鈴川鉄久/ICHI/チャージマン研!Lol
カメラマン:鏡田 伸幸 

大見の「音で1回やってみましょうか?」の声で、6人で踊ってみる。踊っては振付を確認することを何回か繰り返して、中村にキャストみんなで細かい動きをアドバイス。

中村が「2番だけやっていい?」とお願いすると、再び大見が振付を教える。笑い溢れる舞台だが、稽古場は真剣そのもの。

そして、曲かけで頭から踊る6人。古谷が動きを言葉で説明しながら踊っていて、キャスト同士が協力し合っているのを感じた。その甲斐あって、グングン振付を習得していく中村に、全員で「すごい!」と拍手。

1時間程、中村への振付トレースが行われ、しばし休憩。水分補給や軽食をとるなど、各々過ごすキャストたち。休憩中も、中村は鏡の前で振付を大見に見てもらっていた。大見に「ありがとう」と声をかける中村。いい雰囲気の現場。

休憩中に研の妹・キャロン役の星元裕月とボルガ博士役の山﨑玲央が稽古場入り。そして、今回、振付を担当する俳優の村田充も稽古場に到着する。

13時30分再開。村田の指導の元、振付稽古がスタート。稽古場の緊張感が少し上がった。

研役の5人とバリカン役の赤間に星元と山﨑も加わって、『世の中は個性だらけ』を曲をかけて踊る。研役のひとり古谷をみんなで囲んでどつくような振付がユニークで、稽古場に笑いが起こる。演出のキムラ真氏も満面の笑顔。

振付の村田から、「もう少しメリハリが欲しい」などと指示が入り、再び曲をかかけて踊るキャストたち。フォーメーションを確認して3回目。さらにフォーメーションを修正して4回目。村田の「泣きの1回お願いします!(笑)」で5回目を踊る。「めっちゃ綺麗になりました。OKです。完璧です」(村田)。

15分ほどの短い休憩の後、『今日も泉家は平和』の曲かけ一回目。村田から少し修正指示が入り、曲かけ2回目は「大晦日バージョンです」(村田)。大晦日バージョンはフォーメーションが変わるらしい。キャストは大変だ。『今日も泉家は平和』は中毒性のあるメロディとクスっと笑える歌詞で、観客の頭に残りそうな楽曲だ。

「僕は一番美味しい時に 颯爽と出てくるさ!」という歌詞の部分の研のキメの振付を、研役の5人でおさらい。ここで、古谷が「踊りがカッコいいところは、歌もカッコよく歌ったほうがいい」と提案し、研役の5人が各々カッコいい歌い方を披露し合う。曲をかけてカッコよく歌い踊る5人。演出のキムラ氏も「OK!」。

他の部分でも村田から「小3のわんぱく感、女の子のおてんば感が欲しい」「ルンルンルン、ランランランをやっているイメージ」など指示があり、最後は『今日も泉家は平和』の通常バージョンを頭から踊る。村田から「完成です!」の一言。キャスト全員「完成~」の拍手。

演出のキムラ氏の「最高~」の一言に、本番への期待が大いに膨らんだ。

舞台写真

※横井翔二郎=泉博、中村誠治郎=泉研ver

取材・文:井ノ口裕子

カメラマン:鏡田 伸幸