舞台『歌舞伎町シャーロック』│新木宏典&鈴木裕樹 インタビュー

“ズキアラ”コンビが挑む
シャーロック&ワトソンが目指すのは
絶妙な距離感のバディ

2019年に放送されたオリジナルTVアニメーション『歌舞伎町シャーロック』を原作とした舞台が5月に東京・IMM THEATERで上演される。架空の町・新宿區歌舞伎町を舞台にしたコメディありサスペンスありの本作で、シャーロック・ホームズを演じるのは新木宏典。ジョン・H・ワトソン役を鈴木裕樹が演じる。今回、脚本を務めるのはかもめんたるの岩崎う大。

初稿となる台本を読んだという新木は、「う大さんの脚本は、主な事件や起こっている出来事は原作にしっかりと沿った上で自由に書かれている部分があり、そこが魅力です。オリジナリティーを持って拡張される方なのだと感じました。ここからさらに原作とすり合わせをしていき、どんな面白いものになるのか楽しみです」と期待をのぞかせる。
一方の鈴木も「原作へのリスペクトを持って、さらに詰めていかなければいけないところですが、う大さんが色付けしてくれた部分を僕たちがうまく表現できたらきっと面白い作品になると思います」と思いを語った。

今作で新木が演じるのは“落語を愛する変人探偵”という役どころ。
「社会に流されないところは似ていると思います。ただ、もちろん僕は、彼ほどは自由に生きられないけれども、死ぬ間際に、『自分は人生を全うした。充実した人生だった』と言えるように生きたいという信念を持っています。そうした振り回されない生き方は自分もこだわっているところなので、(シャーロックは)僕の上位互換なのではないかなと思います」新木

反対に鈴木は自身が演じる“平凡な依頼人”であるワトソンについてこう語る。
「たぶん、皆さんが僕になんとなく抱いてくれているイメージと遠くないかなと思います。ただ、その平凡さを表現するのは難しいと感じています。ただニコニコ笑っているだけでは平凡な依頼人には見えない。結局、カンパニーの皆さんとのコミュニケーションによって形作られていくキャラクターなのかなと現段階では思っています」(鈴木)

新木と鈴木はD-BOYSのメンバーとして共に切磋琢磨してきた仲。“ズキアラ”と呼ばれる二人のコンビはファンからも親しまれている。今回のシャーロックとワトソンという役柄は、「ズキアラを認知している方からすると、自分たちの関係性と似ているように見えるんじゃないかなと思います。バディ感やワトソンが振り回されている感じが(笑)」と新木は話す。鈴木も同意しつつ「オフィシャルではないときは、もっと穏やかな関係ではあるけれどもね」と笑う。

さらに新木が「僕のバースデーイベントを行ったときに、鈴木にMCをお願いしたんですが、鈴木は司会者として場をまとめて進行していかなくてはいけなくて、自由にやっている僕をなんとかフォローしようと困っていたんですよ。あの姿はまさにシャーロックとワトソンのバランスに近いところがあったかもしれない」と振り返ると、鈴木も「あの時は、普段よりもほんのちょっとだけ新木に寄ったんです。彼のイベントだったから。でも、確かにその感じはより近いのかもしれない。ワトソンはツッコミの人ではないので、絶妙な距離感を狙って演じたいと思います」と語った。

インタビュー&文/嶋田真己
Photo/村上宗一郎

※構成/月刊ローチケ編集部 4月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

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【プロフィール】

新木宏典
アラキ ヒロフミ
数多くの舞台に出演。近作は舞台『モノノ怪~座敷童子~』、明治座創業150周年記念「赤ひげ」など。

鈴木裕樹
■スズキ ヒロキ
舞台やドラマで活躍。近作は舞台『吸血鬼すぐ死ぬ』、カムカムミニキーナ本公演vol.73『かむやらい』など。