『【推しの子】』初舞台化は、希望に満ちた
ラストが待っている「2.5次元舞台編」
「週刊ヤングジャンプ」で連載されていた赤坂アカ×横槍メンゴによる大人気漫画『【推しの子】』がついに舞台化!本作では原作の第5章「2.5次元舞台編」に焦点を当て、漫画作品の舞台化の制作ドラマを描く。主人公アクア役の小宮璃央と「劇団ララライ」の看板役者・姫川大輝役の安西慎太郎、脚本・演出・作詞の中屋敷法仁が、本作への熱い思いを語ってくれた。
中屋敷 実は僕、『【推しの子】』の大ファンなんです。舞台化するなら僕ほど感情をのせられる人もいないと思っていたので、脚本と演出をやらせていただけるのは非常に嬉しいです。
安西 出演が決まったときは嬉しさが湧き出ましたが、すぐ責任感に変わりました。いい意味でヒヤヒヤしているというか。身が引き締まる思いです。
小宮 僕は、お話をいただいた瞬間に、ファンの方に納得していただける作品を作り上げるには…みたいなことを、いろいろ考えてしまって、嬉しさ以上にプレッシャーがすごかったです。
本作で描かれる『2.5次元舞台編』の魅力は「『【推しの子】』の中で唯一とも言える、圧倒的な希望で終わるエピソード」(中屋敷)であるところ。
中屋敷 芸能界の闇や嘘を暴く漫画で、そこが面白いんですけど、『2.5次元舞台編』は、演劇への愛、原作の漫画やアニメへの愛が描かれている。
小宮 僕は2.5次元作品は初出演なのですが、『2.5次元舞台編』でその制作過程がわかって面白いなと思いました。
安西 誰が観てもきっと興味深い内容なんじゃないかな。
アクアと姫川が出演する舞台『東京ブレイド』も大きな見どころ。
安西 姫川でいるときとブレイド役でいるときの差はしっかりと見せたいです。
小宮 アクアと刀鬼役のそれぞれの感情の芝居を大事にしていきたいです。
中屋敷 原作でキャラクターを通じて表現されているものを糧に、生のパフォーマンスで観客を沸かせてほしい。
今作で一番楽しみにしていることを聞いてみると――。
小宮 安西さんとお芝居できることです。6月に「怪物の息子たち」という舞台を観させていただいて、三人芝居で90分間一度も袖に入らずに怒涛の芝居で、鳥肌が立って。今、早く一緒に稽古したくて仕方ないんです。もう、ちょっとドキドキしています。
安西 ハハハハ。すごく嬉しいです。お客様にも原作の先生にもスタッフさんにも、人生の中ですごく大切な作品になったなと思ってもらえるようにしたい。そうなるのが楽しみです。
中屋敷 『【推しの子】』って、「読んだひとがどんな顔をするんだろう?」っていうところまでが一つのパッケージになっていると言うか、読者に対してある意味すごく挑発的な作品だと思っていて。その思惑通り、毎週、僕たち読者は悲鳴をあげて読むわけですよ(笑)。舞台も同様に、劇場に来てくださるお客様が驚いたり、笑ったり、泣いたり…毎回どんなリアクションをいただけるのかを楽しみにしています。
インタビュー・文/井ノ口裕子
Photo/小宮&安西、篠塚ようこ
※構成/月刊ローチケ編集部 11月15日号より転載
※写真は誌面と異なります
掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
小宮璃央
■コミヤ リオ
2020年『魔進戦隊キラメイジャー』主演し、ドラマを中心に俳優として活躍。現在、『全領域異常解決室』(フジテレビ)に出演中。
安西慎太郎
■アンザイ シンタロウ
2012年俳優デビュー。舞台を中心に活躍。2024年は『朝日のような夕日をつれて 2024』(作・演出:鴻上尚史)ほか5作品に出演。
中屋敷法仁
■ナカヤシキ ノリヒト
劇団「柿喰う客」代表。舞台『ワールドトリガー the Stage』ほか、2.5次元作品の演出・脚本も数多く手掛ける。