演劇とコント、計3組が出演し、それぞれ30分の演目を上演する3本のショーケース『テアトロコント』。その特別編として、3本すべてを破壊ありがとうが担当する『破壊ありがとうのテアトロコント』が、1年ぶりに上演される。第2弾となる今回は、ゲストとして、男性ブランコ・平井まさあき、桃尻犬の野田慈伸、もめんと・竹田百花が出演。破壊ありがとうのみで30分、残りの30分×2はゲストとともにユニットコントを披露する。
そんな公演に向けて、破壊ありがとうの3人と昨年に引き続き出演する竹田に話を聞いた。
――今年も『破壊ありがとうのテアトロコント』が開催されます。初開催となった昨年はいかがでしたか。
田中 昨年は破壊ありがとうで30分のコントを1本、ゲストのかもめんたる・槙尾(ユウスケ)さん、元家族チャーハン・江頭さん、竹田さんも迎えた6人で30分のコントを2本やったんですけど、ユニットコントに関しては、本当にみなさんのお力を借りて作りました。最初から完成した台本を用意していくというよりは、最初は設定と流れがわかる軽い台本を持っていってたんです。それをみなさんとエチュードを交えながらやってみて、家に帰ってふくらませて、また稽古に持っていって、家でふくらませて…を繰り返して作っていきました。それが楽しかったですね。
木下 稽古が楽しかった分、これどうなるんだろうみたいな緊張もあったんですけど、初日のお客様がすごく盛り上がってくださって。
田中 2本目にやった『金閣寺』は特にウケましたね。
森もり 舞台に立ってきた中で、一番ウケてたかもしれない。
竹田 私も先輩芸人さんだったり、いろんな人から「破壊ありがとうとの『金閣寺』見ました」って言っていただきました。
木下 えーうれしい。
――竹田さんはみなさんとユニットコントを作っていく時間はいかがでしたか。
竹田 稽古が“創作の時間”という感じで、すごく楽しかったです。それにゲストの配役がマッチしすぎていて。槙尾さんは槙尾さんにしかできない役だったし、江頭さんも江頭さんにしかできない役で。私も居心地よくて、伸び伸びやらせていただきました。
木下 でもみなさんと一緒に作っていくプロセスがあるからこそ、最終的にすごくその人にあった役になったんだと思います。
田中 ゲストのお三方からも「こうしたほうがええんちゃうか」みたいに言ってもらえて、うれしかったですね。
森もり 絶対に江頭さんじゃん(笑)。
田中 金閣寺のネタは江頭さんが、「これ金閣寺やろ。じゃあ最後燃やしたほうがええんちゃうか。三島の金閣寺やろ」って言っていて。でも、最初、僕が三島の金閣寺を知らなくて、「燃やすのはちょっと良くないと思います」って言ってたんですけど。
森もり 「いや、でも俺は燃やしたいねんな~」ってね(笑)。稽古のたびに「燃やしたいねんな~」って言ってたよね。
田中 それで「じゃあ最後に燃えた金閣寺でタバコの火つけてください」って言ったら江頭さんが「それは演劇やな」って。
森もり しみじみとね。演劇やな……。
田中 江頭さんに刺さったって思いました。
――ゲストの方はどのような理由で決められたんですか。
田中 『テアトロコント』では、僕らと同世代でコントをやってる芸人さんと、普段は関わらないような上の方と一緒に新しいワクワクする何かができたらいいなと思っていて。それでみなさんにお声がけさせてもらいました。竹田さんは、同世代の人の中で最初に浮かんだ方で、今年も一緒にやりたくて。
木下 竹田さんがいると場もすごくにこやかになるし。
竹田 うれしいです。今年もオファーが来た時、やった~って思いました。前回、本番の前日に江頭さんと槙尾さんと3人で決起会をやったんです。そこで破壊ありがとうは本当に品があるし、3人が常にうまくバランスを取っていい空気を作ってくれていたので、我々も伸び伸びできるねって話をしたんです。「すごく応援したくなる3人やから、俺らもがんばろうや」みたいな。
田中 江頭さんだ(笑)。
竹田 槙尾さんも「本当にそうですよね~」って。
森もり 江頭さんのほうが後輩なのに(笑)。
竹田 でも、本当にそのとおりの3人なんです。
木下 私たちもすごくうれしくて。前日、私たちは破壊ありがとうだけのコントの稽古とかをギリギリまでやってたんですけど、自分たちが「この人たちが交わったらどうなるんだろう」って思ってお呼びした方たちがしっかり仲良くなって、私たちのいないところでもご飯行ってくださって。このメンバーを集められてよかったなって思いました。

――今年は新たに平井さんと野田さんをゲストとして迎えるとのことですが、おふたりとはもともと交流があったんですか。
田中 野田さんは、僕が初めて『テアトロコント』を見に行った時に、出ていらっしゃったんですけど、その時の迫力がすごくて。怖くはあるけど、優しくもあるし、でももろくも見えるというか。そのバランスに、すごくワクワクしたんです。それで一緒にできたらなと。平井さんは、なんと言っても男性ブランコですから。特に『キングオブコント2021』で披露した『海岸』のネタ。おもしろいのはもちろんなんですけど、『キングオブコント』の決勝という場で、あれを披露されて、しかも高い点数がついたという事実に、本当に感動したんです。
木下 当時、3人それぞれ家で見ながら、LINEで実況をしてたんですよ。男性ブランコさんのネタのとき、「やばい!」「おもしろ過ぎる!」みたいな感じで大盛り上がりでした。
森もり 特に場面がパッて切り変わった瞬間のLINEはすごかったよね。僕はもともと野田さんと何回か飲みに行ったことがあるんですけど、去年の7月に世界が終わる予言みたいなのあったじゃないですか。あの直前に一緒に飲んでいて、そのとき「世界が終わるとしたら、何をするみたいな」話をしたんです。最終的にお互いちょっと泣きそうになりながら、終わってほしくないな……って言って。
木下 世界が終わらなかったから、『テアトロコント』ができるわけだしね。
森もり 本当によかった。
――一年ぶりに『破壊ありがとうのテアトロコント』が帰ってきましたが、破壊ありがとうさんは昨年、『キングオブコント』の準決勝に初進出されました。この一年で成長した部分も多いと思いますが、改めてどんな年でしたか。
田中 自分たちの中で、こうありたいなみたいなのは見つかった一年ではありました。単独ライブや『キングオブコント』、『テアトロコント』もそれぞれ違った戦いがあって。とにかくいろんな道があるし、別に一つに絞る必要もないなって思いました。
森もり コントだけじゃなくて、ラジオもやらせていただいたり、YouTubeで動画を上げてみたり。あと子供たちにコントを教えるワークショップとかもやらせてもらって、僕ら自身の考え方も変わりました。
田中 小学生からおじいちゃん、めちゃくちゃお笑い見ている人から普段はあまりお笑いを見ない人まで、みんながワクワクするものを、作っていきたいなっていうのを3人で話しましたね。
――ライブに来てくださるお客さんにも変化はありましたか。
木下 私たちもまだ、ライブに来てくださる方の全容がつかめてないんですよね。学生とかだけじゃなく、お父さんお母さんぐらいの世代の方もいらっしゃいますし、着物着てる方とかもいらっしゃいましたし。本当に年齢も違う男女が入り乱れていて……。
森もり 入り乱れる?
田中 年齢が違う男女が入り乱れたらさ……。
竹田 (笑)。
木下 混ざり合って、か(笑)。
――それこそ、最近はYouTubeにあげていた「もう一度、親に名前をつけてもらう」という動画が話題になっていましたが、そういったところから3人を知ったという方もいるんじゃないでしょうか。
竹田 あの動画は3人の個性がすごく見えて最高でした! こんな家族のもとで育ったんだろうなとか、コントでは見えない一面が見えて素敵でした。
田中 ありがとうございます。YouTubeにはコント動画もあげてるんですけど、一番反響なかった?
木下 たしかに、この子たち、どういう人たちなの?みたいなのがお客さんにもあったのかな。
森もり 親が僕たちのこと説明してくれて。感謝ですね。
――みなさんの親御さんが、新しい名前で世界を見据えていたのもよかったです。みなさん自身は海外でも公演をやってみたいなどの目標はないんですか。
田中 でもたしかに、木下がTOEIC900点で、森もりも850点で。
森もり 865点ね。
木下 私、910点。
竹田 え!すごい!
田中 そうなんです。だから、僕のセリフさえ短くすれば、僕ら英語でコントできるんですよ。
森もり たしかにコントで海外行けたら最高ですよね。
木下 コントは世界的なものではあるけど、日本のお笑いの“Context”でもあるから、日本でコントを極めたら今度は海外でより広げるみたいなことをやっても楽しいかもね。
田中 TOEIC 910点から出る「コンテクスト」はやっぱしびれるよね。
竹田 かっこいい……(笑)。

――竹田さんも昨年は『女芸人No.1決定戦 THE W』で決勝に初進出されましたが、反響はいかがでしたか。
竹田 テレビでコントをすることが初めてだったので、終わってからもすごくいろんなお言葉をいただいて。あ、こういう風に受け取られるんだとか、戦うコントとやりたいコントの違いとか学びがたくさんありました。私たちも今年はもっと柔軟に、幅を広げていこうって思っています。
木下 でも、もう終わってからすでに単独ライブ2回やられてますよね。見させてもらったんですけど、めちゃくちゃおもしろかったです。
竹田 私たちは単独ライブみたいに自分たちの世界を長く作るのがすごく好きなんです。だから、単独に来てもらえるような芸人になろうっていうのが目標です。私は親が転勤族だったので、これまで引っ越してきた地に単独ライブで回れたらいいなと。
――では、最後に改めて『破壊ありがとうのテアトロコント2』の見どころの紹介をお願いします。
田中 2026年5月28日23時59分までは、昨年の『金閣寺』というユニットコントがYouTubeに上がってますので、30分のコントってどういうことなの?っていう方は、まずはこれ見ていただければ、こういうことがやりたいんだなっていうのは伝わるかなと思います。
森もり 平井さんと野田さんって実は完全に同い年なんです。だから、この二対の同級生がどう入り乱れるのかっていうところにも注目していただきたいです。
竹田 私も前回とはまた違ったかたちで、みなさんに入り乱れられるように。
木下 キーワードになっちゃった(笑)。
竹田 今回もよろしくお願いします!
破壊ありがとう よろしくお願いします!

インタビュー・文/梅山織愛
