第十一回キュウ単独公演『GET BACK!』|キュウ インタビュー

写真左より)ぴろ、清水誠

キュウの第十一回単独公演『GET BACK!』が9月から愛知・大阪・東京で開催される。毎年、公演ごとにテーマをもって単独公演を制作しているが、今年はどんな公演になるのか。公演まで約3カ月以上前ながら、すでに制作に追われているというふたりに話を聞いた。

――キュウさんの単独公演は公演ごとにテーマが設けられていますが、今回のタイトルは『GET BACK!』。どんな意味があるのでしょうか

ぴろ 『GET BACK!』には、一応3つ意味があるんですけど、その意味は公演を見てもらいたいです。こういう意味の『GET BACK!』と、こういう意味の『GET BACK!』と、最終的にこういう意味の『GET BACK!』だったのか!ってわかるようにはなっているので。

清水 全部わかるかな。でも、少なくとも1個は確実にわかると思います。

ぴろ まだふわっとしか言えないんですけど、今年の単独も今までやったことないことにチャレンジするので、今までの単独を全部見てくれてる人でもおっ!てなるなっていうのは確信しています。

――単独ライブは例年、どのような順序で公演を組み立てていくのでしょうか

清水 大枠からですね。公演全体の大枠を決めてから、じゃあこういうネタが必要とかを肉付けしていくというか。

ぴろ だから公演によって、ネタの縛りが変わるというか。好きなテーマで自由にネタを作れるわけじゃないっていうのはありますね。でも、それが逆に作りやすいっちゃ作りやすいんですけど。

――現時点ではまだ初日まで3カ月以上ありますが、どのくらいまでできているのでしょうか

ぴろ 全体の8、9割見えてはいるんですけど、できているのは3割ぐらいですかね。ネタだけなら半分ぐらいはできてます。でも今回はネタが全部できたところで全体の6割ぐらいしかできてない状態というか。ネタ以外に事前に準備する必要のあるものが多くて、いつもよりハラハラしてます。早く全部整えたい思いでいっぱいです。

――昨年の第十回単独公演『噂をすれば…』の事前インタビューでは、早い段階でネタができたというお話をされていましたが、おふたりの手ごたえやお客さんの反応はいかがでしたか

ぴろ よかったです。第九回、第十回と今回が一番いいかもって更新できている感じですね。

清水 九回がすごくよかったので、終わったときに来年大丈夫かなって思ったりもしたんですけど、去年もまた新しいことに挑戦して、ウケ的にも手応えがありましたし、見に来てくれた人たちの評判も、我々の目に見える範囲ではすごくよかったのかなと思います。

ぴろ 毎年、このネタなんでこんなにウケないんだろうっていうネタが1、2個はあるんですよ。だけど去年はそれをあまり感じなくて。

清水 いろんな種類のお笑いを詰め込んだほうが、公演全体のバランスがよくなるので、ゲラゲラ笑うタイプのネタじゃないって思ってやってるやつもあるんですよ。笑えるというより、面白い趣向のネタみたいな。でも、それもウケてたというか。

ぴろ YouTubeにも上がっている『UFO』の漫才の最後の「めっちゃエイリアン」とかもね。なんなら最後ちょっとスベって終わってもぐらいの気持ちだったけど、ウケてましたね。もう来ている人のほうが変態ですよね。俺らですらおもしろいけど、ウケるおもしろさじゃねえだろって思ってるやつでウケるから、見てる人がどれだけ求めてるのかっていうのがちょっと怖くなっちゃいました。まあ、SNSでのお客さんのリアクションとかも見て、よかったですね。

――普段からSNSで反応とか結構見るほうですか?

ぴろ はい、調べますね。調べるから、みんな感想を書いてほしいですね、できるだけ無理して書いてほしいなって。いつも書いてなかった人も今年からは書いてほしいです。

清水 吉本さんのライブとかだと、公演の最後に「#○○をつけてつぶやいてね」とかやってるけど、俺らの単独でそこまでやると、ちょっと雰囲気壊しちゃうかな。

ぴろ たしかに。でも終演後のアナウンスとかならいいんじゃない。「感想はカタカナで(「GEY BACK」を略して)ゲトバでつぶやいてください」とか。

――キュウさんの単独公演は過去のものがすべてDVDなどで見れますが、今回の単独公演に行くにあたり、予習におススメの公演は?

清水 『最下位』(2022年 第七回単独公演)とか……?

ぴろ 構成を考える上で毎回思うんですけど、コントってコントごとにいろんな役が出せるけど、漫才の場合、何本やっても登場人物は結局、2人のみなんですよ。

清水 まさに『最下位』は2人だけの世界で本当に2人だけしか出てこないんですけど、今回はそれをうまく使ってはいるというか。

ぴろ その事実をもう少し広げられてるというか、うまくストーリーになってるって感じです。でも、どうだろ。やっぱり全部の単独、見たほうが吉です。

清水 それはね、全部に越したことはないと思いますけど、10時間以上かかっちゃうから。

ぴろ 大変だね、でも強いて言うなら全部ですね。全部見て来ても、今回はまた新しいことをやっているので。

――昨年の単独からの大きな変化として、1月からYouTubeで映像コントプロジェクト『プテトチッポス』を始めました。漫才のイメージが強かったので、映像コントをやるというのがちょっと意外だなと思ったんですが、何かきっかけとかあったんですか

ぴろ 自分たちで冠番組をやらせてもらえるとしたら、バラエティ番組よりかは完全に作られた世界を見せる、なんか不思議な番組ができたらいいなというのは前から思っていて。それで、自分らで発信しとけば、こういうこともできますよっていうプレゼンになるのかなと思って始めました。

清水 だから、別にコントに限定してるわけではなくて、字と声だけの映像のものもあったりします。

――作られた世界を見せる、なんか不思議な番組。まさに、単純なコントではなくて、なんか不思議な世界観のコントや、言葉遊びのような映像のみの作品をあげている

ぴろ 『ピタゴラスイッチ』とか『ウゴウゴルーガ』とか、あと『ストレッチマン』とか、子供の頃に見たこの辺の番組ってなんか、めちゃくちゃ覚えてるんですよね。ストレッチマンって出てきて、ストレッチして、なんか隕石が降ってきてボカーンって、隕石弾き飛ばして、どうだ!みたいな。本当に意味わかんないから。でも、大好きでしたもん。今考えたら、何あれ?っていうような番組って、なんか記憶に残ってるんですよ。

――まさしく子供が見てもおもしろいって思いそうな気がします

ぴろ 僕ら意外ともともと、子供ウケいいんです。『水分』の漫才の「びしょびしょじゃねえか」「バッシャンバッシャンじゃねえか」とかもフレーズが子供にウケるんですよね。営業とかでも、お母さんが笑ってなくても子供だけ笑ってるときとかあるんですよ。あと、爆笑問題の田中(裕二)さんの当時3歳くらいだった息子さんが、僕らが『M-1』の敗者復活戦でやった、ゴリラであいうえお作文を作るネタを見て笑ってたって言ってました。

清水 小学生が審査する『わらたまドッカ〜ン』(NHK 2025年3月放送終了)も2勝してますからね。

ぴろ 営業とかで終わった後にすごい子供たちが寄ってきて、俺らの居場所ってここなのかって思うこともあります。

――『プテトチッポス』も子供に見てもらえたらというのも意識して作っているんですか

ぴろ でも僕らのYouTube、チャンネル登録してくれてる人の98%が男性なんですよ。

清水 98?!単独公演とかは結構、女の人も来てくれるけど。

ぴろ あ、ごめん。違った、97%だった

清水 一緒だって。まじで? 

ぴろ そう。女性はいろんな部分をきっかけに好きになってファンになるけど、男性って芯からおもしろいと思わないと推してくれないから、登録してくれる人たちは、ちゃんとおもしろいものを求めてる人なんだろうなと。だから、映像コントもちゃんと男性にも刺さるお笑いにはしないとっていうのはあるんですよね。女性もこういうスタンスの俺たちだから好きだから推してくれてるっていう人だと思うので、迎合し出したら違うのかなって。

清水 そうですね。結局このままを「おもしろい」って言ってくれる人を、本当にただ増やすしかないですね。

取材・文/梅山織愛
撮影/ローチケ演劇部