梅棒 9th “RE” ATTACK『超ピカイチ!』稽古場レポート

今老若男女に大人気のエンターテイメントジャズダンス集団「梅棒」の、次回公演『超ピカイチ!』の稽古が行われると聞いて、東京都内の稽古場にお邪魔してきた。

今回の作品は、2017年に上演された「梅棒 7th ATTACK 『ピカイチ!』」をバージョンアップした作品となるという。さらに、[全日制ver.]と[定時制ver.]という2バージョンでの同時上演を行うということで、それぞれどのように個性を出してくるのか見どころだ。今回行われていたのは[定時制ver.]の稽古。初演の楽しさを再現した“ド真ん中直球”スタイルの[全日制ver.]と比べ、キャラがさらに濃く味付けされた“7色の変化球”スタイルだという[定時制ver.]。今回は残念ながら全日制の稽古を見られなかったため比較ができないのだが、これは本番で見比べる楽しみとしておこう。多くの人が知っているようなJ-POP曲を使用して、物語を表現していくことが特徴となる梅棒だけに、今回も“あの人気アイドル”のデビュー曲や、“あの人気バンド”の人気曲など楽しめる音楽が目白押しである。今回行われていた一部シーンの稽古でも、思わず体を揺らしてしまいたくなるような人気曲が使用されていた。さらに、特筆すべきはそのパフォーマンス力の高さ。言葉を使わず、代わりにダンスと表情で表現する彼らの表現力には脱帽。豊かでコミカルな表情で楽しませてくれるだけではなく、納谷健は豪快な回し蹴りを披露するシーンもあり、アクロバティックな要素も十分だ。和気あいあいとした雰囲気ながらも、少しの待ち時間でも、それぞれが振りや動きを確認する場面が絶えずみられた稽古場。自主的に取り組む意欲、互いに助け合うチームワークの良さを垣間見ることができた。演出を務める伊藤今人も、一通り指摘が終了すると、「次、みんなの時間」と出演者全体からの意見を求めていた。それぞれの意見や疑問点に耳を傾け、まさに出演者全員、スタッフ全員で作り上げている、そんな強い印象を与えられた稽古場であった。梅棒 9th “RE” ATTACK『超ピカイチ!』は12月15日より東京グローブ座で開幕し、大阪、愛知での公演を行う。前回からさらにパワーアップした本公演、笑って驚いて、心の中で一緒に歌いながら楽しんでみては。

 

取材・文/ローチケ演劇部員