第一生命 D.LEAGUE 神田勘太朗 インタビュー

日本発プロダンスリーグ「D.LEAGUE」の伝説を見逃すな!

 

2021年、世界でも類を見ないプロのダンスチームによるリーグ戦「第一生命 D.LEAGUE」が産声を上げた。1月10日の「ROUND.1」を皮切りに9チームが熾烈なダンスバトルを展開。レギュラーシーズンの上位4チームによるチャンピオンシップで初代王者が決まる。そもそも、なぜプロのダンスリーグを設立したのか。自らもダンサーで、ストリートダンスバトル「DANCE ALIVE HERO’S」をプロデュースする、COOの神田勘太朗氏に経緯や想いを聞いた。

神田「私自身がダンサーとして活動する中、メジャーで活躍できる道を模索してきました。そして、導き出した答えが両国国技館で開催されるストリートダンスの大会『DANCE ALIVE HERO’S』です。今思うと、1万人が熱狂するその様子をEXILE HIROさんが見てくださったのが『第一生命 D.LEAGUE』の始まりかもしれない。パフォーマーという地位を確立したHIROさんの助けも得ながら、アンダーグラウンドのダンスをそのままの形で多くの人に届ける、全く新しいダンスリーグを設立することにしました。実は、幼い頃の夢はダンスのワールドカップを開催すること。このリーグを通して、『人生にダンスが欠かせないもの』にしていけると考えたのです。そのためにも、しっかりとした組織が必要なので、一般社団法人日本国際ダンス連盟(FIDA JAPAN)を立ち上げたのですが…これが想像を絶する大変さで(笑)。国際連盟を立ち上げる人なんていないので、法律の専門家さえ頭を抱えていました。同時に、開幕までに世界で通用するレギュレーション作りも急務。通常ダンスコンテストの持ち時間は3~5分ですが、それではダレる。2分15秒という結論に至るまで、何度も試行錯誤しました。開幕後、コロナ禍で会場にお客様を呼べない時期もありましたが、1チーム約2分なのでスマホでの視聴にぴったりで、今の時代にマッチしていると手応えを感じました」

リーグというと、日本にはサッカーやバスケットボールがある。事実、『第一生命 D.LEAGUE』は、「先輩リーグを参考にし、いいとこどりをした」という。

神田「アートスポーツを標榜する『第一生命 D.LEAGUE』の採点方式はフィギュアスケートに近いイメージ。ダンスは肉体を駆使したスポーツのようなストイックさも備えているので、スポーツ好きにも受け入れてもらえるのではないでしょうか。もちろん、高い表現力やダンスに合わせたオリジナル楽曲など、アートやカルチャーの要素もふんだんです。普段なら数カ月かけて練り上げるパフォーマンスを、リーグでは2週間ごとに披露するためチームの成長が手に取るように見えるのもドラマチックでいいですよね。個性豊かなチームが揃っており、違いが大きすぎて比べられないと言われることもあります。でも、オリコンにはロックもポップスも洋楽も同じチャートに入っている。いろんなチームが混在するから面白いし、応援したくなると思うんです。気になるダンサーやチームが見つかったら、沼にハマったも同然です(笑)」


さて、リーグを途中から楽しめるかどうかだが、YouTubeなどの見逃し配信やダイジェスト版映像もあるので心配は無用だろう。また、大会を彩るゲスト審査員やアーティストのライブも見どころ。これまでにゆりやんレトリィバァやCrazyBoyらが参加しており、今後も豪華なゲストが登場するようだ。世界的大イベントへ成長する可能性を秘めた『第一生命 D.LEAGUE』。その伝説の始まりを、見逃さないでほしい!

 

インタビュー・文/橘川有子
Photo/中田智章

 

※構成/月刊ローチケ編集部 5月15日号より転載

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【プロフィール】
神田勘太朗
■カンダ カンタロウ(カリスマカンタロー) ’79年生まれ。ダンサーとして活躍し、ダンスバトルイベント「マイナビ DANCE ALIVE HERO’S」をプロデュース。現在は株式会社DリーグのCOOを務める。