舞台『K』第二章 松田 凌 インタビュー

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大人気作品の舞台化第二章
物語が再び紡ぎ合わされる

 

 現実とは微妙に異なる歴史を歩んだ現代日本を舞台に、7人の特別な力を持った《王》と、彼らを慕いそのもとに集うクラン(仲間)たちの絆を描いた舞台『K』。約1年ぶりに上演されるその第二章で、主人公の高校生・伊佐那(いさな) 社(やしろ)(シロ)を演じる松田 凌に話を聞いた。

 デビュー間もない2012年にミュージカル『薄桜鬼』の主演に抜擢されるなど、若手俳優のなかでも目覚しい活躍を見せる松田。今年に入ってからすでに4本もの舞台に出演しているが、なかでも実質的には二人芝居といえる「Being at home with Claude〜クロードと一緒に」などでの濃密な経験を経て、役者としてのいい緊張感やモチベーションを持続したまま本作に挑む。「K」といえば、数ある2.5次元作品のなかでも松田演じるシロをはじめ、キャラクター再現度の高さがインパクトを残した作品。アニメ版から抜け出したような声質や仕草などが印象的だったが……。

松田「当初は物語の伏線があまりにも多すぎて、2時間にまとめると収拾がつかないし、見どころも薄くなってしまうのでは……と、カンパニーみんなで頭を悩ませていたんです。でも演出の末満健一さんが『第一線で活躍している役者が集まった作品に比べれば、もちろん芝居の質ではかなわないかもしれない。ただ、アニメを再現するという意味合いでは、「K」を最高の舞台にしよう』とおっしゃたんです。「K」のなかで生きてるキャラクターたちの声や動き、表情、お互いの関係性だったりを僕らがしっかりたたき込んだなかで演じれば、きっとこの作品はうまくいくと。第一章では稽古前にみんなでアニメを見返す時間も設けられてたんですが、和やかななかでもお互いに役を研究し合ったり、同じ作品を作る仲間として非常に心地のいいカンパニーでしたね」

 

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 松田演じるシロは一見普通の高校生だが、実は過去の重要な記憶を封印されているという設定。そのため、どこかつかみどころのない人物として描かれるが、その魅力をこう語る。

松田「僕は人があまりできないようなヘアスタイルにするのが好きなんで、単純に銀髪にできるのもうれしいなと思ってたんですが(笑)。これまでは何か確信を持って目標に向かって突き進むような役を演じることが多かったんですけど、その目標みたいなものがない役っていうのが初めてだったんですよ。シロは弱いわけでも、何もできないわけでもないんだけれども、ほとんど自発的には行動しない人物。この“動かない”ことこそがシロのあり方で、動くための動機を物語のなかで探していくんですね。そこが面白いなと思っていて」

 

 第一章ではアニメ版に登場する二次元的な描写を役者の体を使って表現するなど、劇団「惑星ピスタチオ」出身の末満健一による独創的な演出も話題を呼んだが、第二章はどのように展開していくのだろうか。

松田「まだ詳しく話せない部分もあるんですが、第二章は各キャラクターのドラマが絶対的に第一章よりも深いものになると思います。個々の物語が集結して、そのなかで結末を迎えるものや、さらに続いていくものがあったり、第一章の物語がここで紡ぎ合わされることになるので……。あとはフラッグを使って炎を表現するといった、アニメからは想像もつかないような演出は僕らも楽しみにしてるところ。ああいう固定観念を捨てるきっかけをくれる演出家さんはすごいと思いますし、僕らもその演出に負けない熱量で臨めたらと思っています」

 

 「第二章ということである意味新しい舞台『K』になると思うので、それが見てくださった方にどんなふうに響くのかが僕らにとっていちばんの楽しみであり、責任を負わなきゃいけない部分でもあります」と真っすぐな目で語っていた松田。第一章はチケットが即完売となったこの舞台『K』、今回は大阪公演が追加されるといううれしいニュースも。複雑に絡み合った絆の物語が迎える“結末”を、ぜひ劇場で目撃してほしい。

 

インタビュー・文/古知屋ジュン
Photo/加藤夏子
構成/月刊ローソンチケット編集部

 

 

【プロフィール】
松田 凌
■マツダ リョウ ’91年、兵庫県出身。ミュージカル『薄桜鬼』や「メサイア」など、舞台を中心に活躍。「仮面ライダー鎧武/ガイム」(テレビ朝日系)の城乃内秀保/仮面ライダーグリドン役でもおなじみ。

 

【公演情報】
舞台『K』第二章-AROUSAL OF KING-

©GoRA・GoHands/k-project ©GoRA・GoHands/stage k-project

★東京・大阪にて公演決定!
詳細は決定次第ローチケ.comの舞台『K』特設サイトにて発表します!

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