「1789 -バスティーユの恋人たち-」 加藤和樹 インタビュー

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新時代を予感させる
フレンチ・ロック・ミュージカル

 

 18世紀末のフランスを舞台に、グルーヴ感溢れるロックナンバーや涙を誘うバラードといったバラエティー豊かな楽曲、スピーディーなストーリー展開、鮮烈な演出でフランス・ミュージカル界のメガヒットとなった話題作が帝国劇場に上陸する。

 製作発表記者会見には、豪華キャストが集結。絢爛豪華な衣裳と男性キャストたちによる歌唱披露は、オーディエンスを含めた会場全体を圧倒した。

 その会見で「ミュージカル界に革命を起こせたら」と意気込みを語ったのは、本作が帝国劇場でのミュージカル初主演となる加藤和樹。

「ミュージカルに立つ側としても観る側としてもまだまだなので、とても生意気なことを言っているように聞こえるかと思うんですけど、時代が変わる予感がすごくしているんです。今回、帝国劇場でフレンチ・ロック・ミュージカルを上演するというのも新しい波のひとつだと思います」

 

 一新したキャストで上演されたミュージカル「エリザベート」を観劇し、「自分がそこにいないのが悔しかったと同時に、新たな時代が来るんだと感じた」と語る。

 その新時代を担うひとりとなった加藤が演じるのは、父を貴族に殺害されたことを機に、革命に身を投じる農夫ロナン。ロベスピエールたち革命家とともに新しい時代を目指すなか、フランス王妃マリー・アントワネットの侍女・オランプと運命の出会いを果たす。

「ロナンは一般市民の代表的な人物。お客さまがいちばん感情移入しやすいと思います。何も分からないなかでも前へ進もうとする体当たり感を出していけたら」

 

 潤色・演出の小池修一郎とは「ロミオ&ジュリエット」「レディ・ベス」に続いて3作目。そのすべても「体当たり」で臨んでいた。

「『ロミオ~』は初の大作ミュージカルだったので歌い方ひとつから苦労がありました。『レディ・ベス』ではヒロインの相手役という役どころの難しさ。作品によってぶち当たる壁は違いますけど、今回は主演という責任と重圧を感じなくてはいけないと思っています」

 

 小池徹平とのWキャストについては、「すごく心強いです。同じ役を演じるからこそ同じ苦しみを分かち合える。作品はひとりでやるわけではないので、主演ということも含めた背負わなくてはいけない部分と、みんなに頼る部分。両方を持ってやっていきたいです」と話す。

 音楽活動、俳優・声優と多方面で活躍している加藤だが、「どこに行っても言われるんですけど、不器用なんです」と苦笑する。

「でも型にハマりたくはないので、これからもマイペースにいきたいですね。この作品では、いわゆる“ザ・ミュージカル”の歌い方ではなくて、ロックやポップの要素を取り入れたほうが絶対面白いと思うので、そこは自分を生かせるのではないかと思っています。とはいえ、あまりクセが出ないように。加藤和樹として歌うのではないので、要素を役にどう落とし込んで歌うか、ということが課題です」

 

 東宝版では新たな楽曲を加え、先に上演された宝塚版とも異なるアレンジにて上演される。熱狂間違いなしのステージの開幕が、もうそこまで来ている。

「変な言い方ですけど、僕は帝国劇場がライブハウスのようになればいいなと思うんです。自分がオリジナル版の映像を観たときに「これはライブだな」と感じたので。1曲ごとに見応えがあって、そこに生きている人たちがすごくイキイキしている。劇場にいらっしゃる方々にも、堅くならずに楽しんでいただきたいです」

 

インタビュー・文/片桐ユウ
Photo/篠塚よう子
構成/月刊ローソンチケット編集部 2月15日号より転載

 

【プロフィール】

加藤和樹
■カトウ カズキ ’84年、愛知県出身。音楽活動、俳優・声優と多方面で活躍中。’16年にはアーティストデビュー10周年を迎える。主な出演作にミュージカル「レディ・ベス」「タイタニック」、テレビドラマ「ホタルノヒカリ」など。

 

【公演情報】

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「1789 -バスティーユの恋人たち-」

日程・会場:
2016/4/9[土]~5/15[日] 東京・帝国劇場
2016/5/12[土]~6/5[日] 大阪・梅田芸術劇場メインホール

★詳しいチケット情報は下記ボタンにて!