※チーム出の公開ゲネプロより
濃厚すぎるスポ魂活劇の公開ゲネプロ、出演者からコメントも到着!
新進気鋭の演出家・劇団「柿食う客」の中屋敷法仁が作・演出を務める問題作『露出狂』がついに開幕した。2010年の初演からリニューアルを経て新生『露出狂』に再誕。なんと32名の男優のみで上演する。一舞台14名×3チーム《露(あらわ)》《出(いずる)》《狂(くるう)》を編成。キャストの一部はシャッフルされ、一人が別のチームで別の役を演じるという難関もあり。実力派に加えキャストの半分以上はオーディションで決定、3つのうち1チームはU-23(23歳以下)…と、ニューストピックが盛りだくさんの今作。ある種の“怖いもの見たさ”に胸を膨らませつつ《チーム露》のゲネプロに潜入した!
初日直前の主要キャスト4名から届いたコメントはこちら。
- 市川知宏 《チーム露》佐反町役/《チーム出》御器役
「男32人の熱い熱い稽古場を終え、無事ゲネプロを迎えることができ嬉しい限りです! 舞台上でもその熱さを冷ますことなく、さらに熱い舞台になるよう一丸となって全力で臨みます! 楽しんでご観劇頂けたら幸いです!」
- 陳内将 《チーム露》白峰役/《チーム出》佐反町役
「露出狂、ゲネプロ公演へのご来場誠にありがとうございます。陳内将です。今回は男だけ32人という稽古場でむさ苦しく暑苦しい仲間は何より本当に愛くるしいです。この作品のおかげで忘れかけていた青春に少しだけ手が触れたような気がします。楽日まで各チーム一丸となりこの問題作を更に色濃くすべく尽力致します! 本日はここにしかない青春をごゆるりと御堪能くださいませ!」
- 小沢道成 《チーム露》御器役/《チーム出》比留役
「過去、何度も上演されたこの『露出狂』は、性別・年齢・劇場サイズまでも超えた演劇の可能性が溢れまくった大好きな作品です。いよいよ幕があがります。この3つの『露出狂』がどう違うのか、どう化けるかを、ぜひ体験してください!」
- 永島敬三 《チーム露》蔵毛役/《チーム出》白峰役
「本日はご来場まことにありがとうございます。永島敬三です。稽古では、この捻くれてはいるけど、ドキドキするような作品に一同でひた向きに挑んできました。冷笑爆笑たくさんしていただき、最後に何が残るのか、是非楽しんでいっていただけたら幸いです。」
劇場に入って真っ先に目に入ったのは、サッカーゴールをかたどったステージ装置。本作は高校のサッカー部を舞台にしたスポ根群像活劇である。
おのおのに着崩した学ランの14名が飛び出してくると、いきなり全力の芝居が始まった。ライブハウスのごとく強い照明と、アドレナリン放出を強制するかの如く激しい音楽。負けじと声を張り上げ全身を躍動させる役者たち。部活という閉鎖的かつ濃密な人間関係がくんずほぐれつ、ボーイズラブが入り乱れる愛憎劇もめくるめく展開。スポ魂活劇というが、試合のシーンは30秒もない。全編を通してほぼ男子たちの絡み合いとぶつかり合いなのである。
俳優の魅力が“露出”する舞台、というフレコミの通り、強烈にさらけ出されるキャラとキャラの激突に客席が笑いであふれた。その熱量を受け取った舞台上の役者たちが、さらにヒートアップしていくのも手に取るようにわかる。役者と観客が一体となってこの時空を必死に楽しんでいる、そう言って過言のない特殊な体験! 男子の脳内を垣間見てしまったような、役者の意外な一面を見て口をあんぐりさせてしまうような…、とにかく本作でしか得られない奇妙な感動に身震い!
ド頭からラストまでハイテンポで息つく間もなし。目じりの涙を何度も拭うほど笑ったが、それでいいのか青春、そんなものか人間関係と、ドキリとさせられる瞬間もある。これだけ濃いキャラクターを、市川、陳内、小沢、永島は《チーム出》ではそれぞれ別役を演じるのだから、なおさらどちらも見届けたい。そしてU-23から新しい才能をいち早く見つけたい。後悔先に立たず! 残りの公演をぜひ見逃さないでほしい。
《チーム出》の公開ゲネプロの様子はこちら!
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文/丸古玲子
撮影/御堂義乗
【公演情報】
パルコ・プロデュース公演「露出狂」
日程・会場:
2016/9/30(金)~10/10(月・祝) Zeppブルーシアター六本木