世界で活躍する指揮者、
佐渡裕氏が恩師レナード・バーンスタインの最高傑作、
『ウエスト・サイド・ストーリー』を語る
ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」が特別なプロダクションで2017年7月12日から東急シアターオーブの5周年記念公演として来日公演を行う。ミュージカルの金字塔と言われる本作品の魅力は、観る人全ての心を揺さぶるストーリーやスピード感溢れる迫力のあるダンスもさることながら、ミュージカルを観たことがない人にとっても馴染み深い名曲の数々を挙げる人が多いのではないだろうか。
音楽家レナード・バーンスタインが作り上げた「ウエスト・サイド・ストーリー」の名曲について、彼の愛弟子でもある世界的指揮者の佐渡裕氏がその魅力について語ってくれた。
【佐渡裕氏 インタビュー】
「私が恩師であるレナード・バーンスタインと過ごしたのは、彼の最晩年にあたる数年間です。それだけに、私は彼の音楽人生の集大成の時期に立ち合う、という幸運に浴しました。
私は子どもの頃から指揮者を目指していましたから、レナード・バーンスタインと言えば、私にとってカラヤンと並ぶ、世界最高の指揮者でした。でも一般の人にとっては、やはりバーンスタインと聞いて、最初に思い浮かべるのは彼が作曲した『ウエスト・サイド・ストーリー』でしょう。
『ウエスト・サイド・ストーリー』は、間違いなくバーンスタインの最高傑作です。この作品には、クラシック、ラテン、ジャズ、バレエ、とすべての音楽の「ヒットする要素」が、周到にちりばめられていて、世界中の人を夢中にさせるのも納得です。
バーンスタインは指揮者として、様々なジャンルの音楽の楽譜を徹底的に読み込んでいましたから、『ウエスト・サイド・ストーリー』には、様々な名曲の感動的な要素がたくさん取り込まれています。でも、それは決して名曲のフレーズをそのまま使うのではありません。たったひとつ音を変えるだけで、まったく違う世界観を作れるのが、バーンスタインのすごさなのです。
この作品には、音楽として演奏されるだけでなく、ミュージカルのストーリーを表現するための要素も盛り込まれています。
人間社会の救いがたい対立を表現する不協和音、ド、ファ、ソが、若者達の抗争、暴力を象徴し、この作品の通底音として流れます。これが、オープニングで流れる音楽であり、『クール』です。けれど、暴力と対立が耐えない世界にあっても、夢を見て、恋をして、争いのない世界を信じる者もいる。そういう世界を表現するのは、不協和音の対極の楽曲で、それが『アメリカ』や『トゥナイト』です。作品全体のベースに不協和音があるからこそ、夢や憧れを象徴する、これらの明るく、メロディアスな曲が際立ち、私達の心を高く浮き上がらせてくれるのです。
バーンスタインの高い音楽性があってこそのこの作品は、演奏する音楽家、ダンサー、シンガー、俳優、すべてのアーティストに、限界まで高度なテクニックを要求します。だからこそ、このミュージカルは時代を超えて、世界中の人々を惹きつける傑作であり続けるのです。
バーンスタインの音楽世界を継承する者として、私もこの作品の魅力をたくさんの人達に体験してもらいたいと思っています。」なお、このインタビューの全編は5 月27 日(土)13:00 からBS-TBS にて放送される。愛弟子だからこそ語ることのできるレナード・バーンスタイン。偉大な音楽家が作り上げた、世界中で愛される「ウエスト・サイド・ストーリー」の名曲の数々にきっと耳のみならず心も奪われることだろう。
佐渡裕:photo/Jun Wajda
特別番組放送決定!
世界的指揮者・佐渡裕が解き明かす
ミュージカル「ウエストサイドストーリー」秘話
~ぺこ&りゅうちぇるも大興奮SP!~
5月27日(土)午後1時から BS-TBSにて放送
ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」
日程:2017/7/12(水)~30(日)
会場:東急シアターオーブ(渋谷ヒカリエ11階)
料金(税込):S席¥13,000 A席¥11,000 B席¥9,000
※未就学児入場不可
※生演奏・英語上演・日本語字幕あり
原案:ジェローム・ロビンス
脚本:アーサー・ロレンツ
音楽:レナード・バーンスタイン
作詞:スティーブン・ソンドハイム
オリジナルプロダクション・演出・振付:ジェローム・ロビンス
音楽監督・指揮:ドナルド・ウイング・チャン
演出・振付:ジョーイ・マクニーリー
★詳しいチケット情報は下記ボタンにて