ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』日本キャスト版 Season2 森崎ウィン インタビュー

エンターテイナーとして大きく成長できる機会に


ミュージカルの金字塔的作品として知られる『ウエスト・サイド・ストーリー』が、360度回転する客席を巨大な可動式スクリーン&ステージが取り囲むIHIステージアラウンド東京に登場。現在は日本キャスト版のSeason1が上演中だが、続くSeason2で主演を務める一人が森崎ウィンだ。ハリウッド映画『レディ・プレイヤー1』に出演して以来、映像作品では引っ張りだこだが、本格的なミュージカルに出演するのは初めてとなる。

森崎「世界各地で上演されている歴史ある作品ということで、出演が決まったときには嬉しさと同時にプレッシャーも感じました。オーディションの課題曲は楽譜でいただいたのですが、実は僕は譜面が読めないので、知り合いのピアニストの方に楽譜通りに弾いていただき、一緒に練習してオーディション当日を迎えました。そこまでの過程をドキドキしつつも楽しめたのが印象に残っています」


同劇場で上演された海外キャスト版を観て
「いち観客として純粋に『面白い!』と感じた」と語る。

森崎「まるで回転するアトラクションに乗っているような感覚がありました。いろんな方向からキャストの方々やバイクだったりが登場するので、自分が“通行人A”みたいな感覚で自然に舞台の世界観に入っていけるというのは、他の劇場にはない面白さでした。演者の皆さんの演技もすごく素敵だったのですが、その臨場感も含めて新鮮な感覚を味わえました」


シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』に着想を得た同作の中で、森崎が演じるトニーは敵対する移民グループの少女・マリア(宮澤エマと田村芽実のWキャスト)と恋に落ちる。Season1の宮野真守、蒼井翔太、そしてSeason2に出演する村上虹郎が同じ役を演じるが、“森崎トニー”はダンス&ボーカルグループの一員として長く活動しており、その歌とダンスの魅力にも注目したいところ。

森崎「歌やダンスについては自分のこれまでの経験が活かせないわけではないですが、役を演じる以上、そのスタイルをそのまま舞台に持っていくわけにもいかないと思っていて。ただ、演じる上で僕がこれまでどう生きてきたのかが現れることになるので、稽古や本番中はより深く自分と向き合う時間にもなると思います。村上さんとは稽古も一緒にやっていくのですが、同じ役でも『こういう表現があるんだ』と勉強できる場はなかなかないので、これもチャンスだと捉えています。自分の持っているものをすべて提示しつつ、新しく会得しないといけない部分は演出家の方に食らいついていけたら」

 

「シンプルに心に刺さるようなメロディ」という「トゥナイト」など、数々の名曲を歌えることにもワクワクしているという。

森崎「音楽をやってきた僕としては、生のオーケストラと共演できるのも楽しみでしょうがないです。まだいろいろつかめない部分もありますが、この先、映像のお仕事はもちろん舞台にも立ち続けたいですし、アーティストとしての活動も続けていきたいという目標があるので、この作品を自分がエンターテイナーとして大きく成長できる場にできたら」


初めて生で森崎の演技を観る人も多いであろう同作。実力派揃いの面々とともに、どのようなステージで魅せてくれるのだろうか。

森崎「特別な劇場ということもあるので、まずお客様にはこの作品の世界に入ってもらって、時間を忘れさせたい。そして他のキャストの皆さんの力も借りつつ『こんな森崎ウィン、見たことない!』というステージをお見せできたらと思っています」

 

インタビュー・文/古知屋ジュン

 

※構成/月刊ローチケ編集部 12月15日号より転載

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【プロフィール】
森崎ウィン
■モリサキ ウィン ’90年8月20日、ミャンマー出身。PRIZMAXのボーカルとして活動しつつ、映画や舞台、テレビドラマで俳優としても活躍する。