W主演の水樹奈々・平原綾香をはじめ、出演者たちが熱く美しい歌声を披露!
「ナチュラル・ウーマン」「ユーヴ・ガット・ア・フレンド」など数々のヒットナンバーを世に生み出し、世界中から愛され続ける人気シンガー・ソングライター、キャロル・キング。ミュージカル『ビューティフル』では、そんな彼女の波乱万丈の半生が数々の曲が生み出される瞬間とともに描かれている。開幕が間近に迫った7月5日、出演者たちによる公開稽古と囲み取材が帝国劇場の稽古場で行われた。
公開稽古は、作品の中に登場する5つのシーンと曲をピックアップして展開。キャロル役の水樹奈々と平原綾香をはじめとする豪華キャスト陣が、たくさんの報道陣を前にして、美しく、伸びやかで、そして熱い歌声を披露した。
「ウィル・ユー・スティル・ラブ・ミー・トゥモロー」
キャロルと夫ジェリー・ゴフィンのコンビが手がけ、二人が初めて全米1位を獲得した曲。シュレイルズ役の女性アンサンブル4人が艶やかに歌う。
「ワン・ファイン・デイ」
シフォンズが歌うこの曲でヒットメーカーとしての地位を築く二人だが、家庭との両立を目指すキャロルと、一方で音楽活動に没頭していくジェリーとの間に亀裂が深まっていくことに。
「プリーザント・ヴァリー・サンデー」
ザ・モンキーズが歌う大ヒットナンバー。名プロデューサーのドニー・カーシュナーと、ジェリー、そしてキャロルそれぞれの音楽に対する情熱が曲とともに描かれる。
「ウォーキング・イン・ザ・レイン」
キャロルとジェリーの良きライバルであり、親友でもあるバリー・マンとシンシア・ワイルの作曲家コンビが手がけたヒット曲。二人のロマンチックなラブシーンも見どころのひとつ。
「ナチュラル・ウーマン」
ジェリー作詞、キャロル作曲による、キャロル自身のソロ曲。ジェリーとの別れを経て、いまの自分を見つめ直し、一旦歌うことをためらうもそれを乗り越えるシーンが力強く描かれる。
公開稽古を終えて、主要キャスト陣が今作への思いを語る
水樹奈々(ミズキ・ナナ)/キャロル・キング役(Wキャスト)
こんなにたくさんの方に取材にお越しいただけてとても嬉しいです。けど、とても緊張しました。本番もこんな雰囲気なのかなと、少し疑似体験ができました。いざキャロルを演じてみると、自分が(本場の)舞台を見て彼女に抱いた印象とはずいぶん違っていました。観客として見たときは、いろんな大変なことが起こってかわいそう、頑張ってトップに昇りつめてほしいと思ったんです。ですが、演じながら感じることは、その彼女自身の強さと、どんなときも笑い飛ばしながら諦めないで前に突き進む、湧き上がるエネルギーのようなもの。改めてキャロル・キングの凄さを身にしみて感じています。やっぱり何かを成し遂げる人ってすごいんだなと。
平原綾香(ヒラハラ・アヤカ)/キャロル・キング役(Wキャスト)
この作品はキャロル・キングが主役なんですけど、みんなが主役みたいなもの。出演者もそれぞれ主演をされている方たちなので、すごく大きなものに抱かれながら演じさせていただいます。キャロルは17歳で出産して、4度の離婚を経験。壮絶な人生を歩みながらも名曲を作り出すというのは、本当に肝が据わっていないとできないことだなと感じました。だから、きっとそういう人なんだと想像しながら演じています。あとわかったのは、どれだけ人に冷たくされても傷つけられても、誰一人傷つけない彼女がいるということ。常に愛をもって生きてきたからこそ「ユーヴ・ガット・ア・フレンド」のような名曲が生み出せるんだと。なので、そんな彼女の素晴らしい人間性をしっかり出せるように稽古に励んでいます。
中川晃教(ナカガワ・アキノリ)/バリー・マン役
この作品は、私が2016年に出演した「ジャージー・ボーイズ」のフランキー・バリーとほぼ時代が重なっていて、何か縁を感じたというのが最初の印象でした。そして、二人のキャロル・キングが決まったと聞いた瞬間に、多岐に渡って活躍されている日本を代表する二人の歌姫が、いまニュージカルシーンで花開こうとしていることに、衝撃的な感動を覚えました。そこに自分が関われるということに、強く縁を感じています。自分に何ができるのか、その役割を考えながら本番に向けて頑張りたいと思います。
伊礼彼方(イレイ・カナタ)/ジェリー・ゴフィン役
この作品の話をいただいたときに、曲の半分ぐらいがキャロル・キングのものだと知っていたんですが、そのまた半分の名曲がキャロルやジェリー・ゴフィンが人に提供したものだとは知らずに驚きました。皆さんにもきっと馴染みがあるんじゃないでしょうか。この作品はミュージカルと謳っていますが、実はほぼストレートプレイです。物語の中で、彼らが作った曲がトップに昇りつめていく。それをアンサブルの方々がスター役として歌っているので、その点も見どころじゃないでしょうか。
ソニン/シンシア・ワイル役
私は、いま二人のキャロル・キングと稽古をやっていて、その個性の違いを楽しんでいます。例えば水樹さんと演じているときは、どんどん成長していく様子を見守ってあげたくなるような感情が生まれるし、平原さんのときは思わず肩を組みたくなるような、私も一緒にトップに昇っていかないと!という気持ちにさせられます。二人のキャロルも違うし、そのことによってまわりも違う物語になっていく。とても面白い化学反応が起こりうるミュージカルなので、いろんな楽しみ方をしていただけたらと思います。
武田真治(タケダ・シンジ)/ドニー・カーシュナー役
本来ミュージカルは、物語が進んでいく中で歌ったり踊ったり音楽を挟むものですが、この作品は、音楽自体が時系列に並んでいて、こうゆう状況の中から名曲が生まれたみたいな描かれ方をしています。まさに楽曲が生まれた瞬間、その楽曲がレコーディングされ、命を吹きこまれた瞬間をお芝居として歌っているというものなんですね。なので、伊礼さんの言ったストレートプレイという感覚を僕たちはもっているんですが、お客さまは新しい形のミュージカルという感覚を楽しんでいただけるんじゃないかと思います。
【公演情報】
ミュージカル『ビューティフル』
脚本:ダグラス・マクグラス
音楽・詞:ジェリー・ゴフィン & キャロル・キング バリー・マン & シンシア・ワイル
演出:マーク・ブルーニ
翻訳:目黒条
訳詞:湯川れい子
出演:水樹奈々/平原綾香(Wキャスト)
中川晃教、伊礼彼方、ソニン、武田真治、剣幸 ほか
日程・会場:
2017/7/26(水)~8/26(土) 帝国劇場(東京都)