2/8(金)兵庫県・宝塚大劇場で宝塚歌劇 花組公演 祝祭喜歌劇『CASANOVA』が開幕した。

物語の主人公は、18世紀ヴェネツィアに生まれ、ロココ文化華やかなりしヨーロッパ諸国を跳梁した実在の人物・ジャコモ・カサノヴァ。稀代のプレイボーイとして名を馳せ「世界の恋人」とも称される彼は、詩人や作家、聖職者、詐欺師、錬金術師、スパイといった様々な貌を持ち、その謎めいた生涯と、「自由に、あるがままに生きる」魅力的な生き様から、多くのクリエイターの心を捉え、映画やドラマ、舞台、小説など、様々な作品の題材とされて来た。生田大和の作・演出により、新たに宝塚歌劇の舞台に蘇ることとなった『CASANOVA』は、『1789－バスティーユの恋人たち－』『アーサー王伝説』『太陽王 ～ル・ロワ・ソレイユ～』などを手がけたフランスの作曲家ドーヴ・アチア氏により書き下ろされたキャッチ―な楽曲と共にオリジナル・ストーリーで綴られるスペクタクル・ミュージカル。

自由気ままに恋愛を楽しみ、数々の女性たちと浮名を流してきたカサノヴァ（明日海りお）は、ヴェネツィアの風紀を乱し、魔術で人心を惑わせたとして、当時、脱獄不可能といわれた「鉛屋根の監獄」に投獄されてしまう。ピンチをものともせず、周到な計画を立てたカサノヴァは見事脱獄に成功、カーニヴァルの混雑に紛れて逃亡を試みるが、彼の魅力にあてられた街の女達がこぞって手を貸そうとしたばかりに街は大混乱に…。そんな騒動の最中、彼が出会った一人の女性・ベアトリーチェ(仙名彩世)。ヴェネツィア総督の姪である彼女との出会いが、カサノヴァの運命を大きく揺り動かして行く…。心の赴くままに恋をし、多くの女性たちを虜にしながらも、誰にも憎まれることなく愛され続けたという不思議な魅力を持った男・カサノヴァ。演出家の生田からも「人を惹きつけずにはおかない魅力のある人物」であると評される明日海が、時に色っぽく、時にコミカルに、理想の愛を追い求めるチャーミングな色男を体現。そんなカサノヴァに想いを寄せ、心の中では自由を求めながらも、家柄に縛られ、望まぬ結婚を強いられるベアトリーチェを演じるのは、本公演での退団が決定しているトップ娘役の仙名彩世。自身の宝塚人生最後の舞台に臨む彼女の真摯な姿と、目の前に立ちふさがる物事に真っ直ぐに向き合うベアトリーチェの姿は自然と重なり、役の魅力を更に生き生きと輝かせている。華やかな舞台装置や色鮮やかな衣装も注目を集めている本公演の兵庫公演は3/11(月)まで兵庫県・宝塚大劇場にて上演中。東京公演は3/29(金)～4/28(日)まで東京宝塚劇場にて上演される。