“メガ愛情を詰めた” 宮本亜門 演出・山崎育三郎 主演ミュージカル『プリシラ』開幕レポート&舞台写真

宮本亜門 演出、山崎育三郎が主演を務めるミュージカル『プリシラ』が3/9(土)に東京・日生劇場にて開幕した。本作は1994年に公開された、3人のドラァグクィーンたちによるドタバタ珍道中を描いたオーストラリア映画を原作に持つミュージカル。マドンナやドナ・サマーといった往年のディスコヒッツが鳴り響く中で、豪華絢爛な衣装をまとったキャストたちが歌い踊るゴージャスなステージで人気を博し、ロンドン・ウエストエンド、NY・ブロードウェイを含む 15か国以上の国で上演されてきた大ヒット作だ。2016年、満を持して初演された日本人キャスト版から、今回は約2年振りの再演となる。メインキャストは全役初演からの続投。ティック(ミッチ)役はミュージカルにとどまらず活躍の場を広げる山崎育三郎、バーナデット役には『ウィズ~オズの魔法使い~』でも宮本亜門演出作品に出演経験のある陣内孝則、アダム(フェリシア)役はWキャストで、『RENT』をはじめミュージカル界で目覚ましい活躍をみせるユナクと、Leadのメンバーで宮本亜門演出作品では『SUPERL OSERZ』にも出演経験のある古屋敬多が演じる。

開幕に先立ち、メインキャスト4人と演出の宮本による会見が行われた。

約2年振りにドラァグクイーンの衣装に袖を通した山崎は、「この衣装を着て“『プリシラ』がはじまるぞ!”という気持ちになってきた」と気合十分。一人で22着の衣装替えに挑戦することに対しても、「着替えるごとに自分の気持ちも切り替わっていく」と力強く語る。陣内は、ドラァグクイーンを演じる中で普段の生活に影響があることを聞かれると「所作が変わってくるわ」と、劇中の役・バーナデットになりきって応答。時代に取り残されたドラァグクイーンという役柄に対しては「若手と格差を出すためにわざと下手に踊ったり歌ったり、そういうニュアンスを意識している」と自虐を踏まえて語り、笑いを誘った。ユナクは、初演に続き再び古屋とWキャストで演じることについて「僕が持っていないところを古屋くんが持っていて、古屋くんが持っていないところを僕が持っているので、お互いにとってすごくプラスになっている」と語ると、すかさず「お互いバチバチよ!」と陣内。これに古屋はたじろぎつつ「いやいや(笑)」とツッコミを入れ、カンパニーの仲の良さを見せた。そんな古屋は、SUPERNOVAの新事務所の社長としても活躍するユナクに対して「社長をやりながら表にも立っていて、すごく器用にやられているなと。かっこいいお兄さんです!」と尊敬の念を表す。本作に“メガ愛情を詰めた”と語る演出の宮本。「この2年ちょっとで、社会の意識が大きく変わった。一段と共感しやすい作品になっていると思うし、時代の大きな変わり目にまた上演出来て良かった」と、再演に対する喜び・自信ものぞかせる。最後に、それぞれの言葉で意気込みを語った。


山崎
「確実に前回よりも何倍もパワーアップして帰ってきています。これだけ笑いあり、涙あり、そして衣装もゴージャス、曲のふり幅も大きいミュージカルは他にないと思いますので、ぜひ劇場で体感してください」

陣内「私死ぬ思いでやっているの。コルセットしてるんだけど、もうボンレスハムよ(笑)!大河ドラマで鎧を着るより、こっちの衣装の方が大変なの!必死で頑張っていますので、その必死感を観に来ていただければ嬉しいです」ユナク「更にレベルアップしていることはもちろん、アダム2人のノリもハンパじゃないです。“Are you crazy?”と思われるくらい、思い切り演じたいと思っています」古屋「個人的にこの作品の大好きなところは、“命の輝き”です。登場人物一人一人が交わることによって、どんどん命が輝いてくる。それを見るだけですごく力が湧いてくると思います。“ちょっと最近元気ないな”という人にぜひ観て欲しいなと思います。待ってるわよー!!」公演は東京・日生劇場にて、3/30(土)まで。
物語・歌・衣装・ダンス・きらびやかな舞台セットと見どころ満載のミュージカル『プリシラ』を、ぜひ劇場で体感して頂きたい。

取材・文・撮影/ローソンチケット