ブロードウェイ・ミュージカル「ドリームガールズ」 福原愛 インタビュー

ひとりでも多くの方に本物の感動を体験してほしい

 

ブロードウェイ・ミュージカル『ドリームガールズ』が、4年ぶりに日本にやってくる。そのオフィシャルサポーターに、福原愛が就任した。3歳で卓球のラケットを握って以来、史上初の全日本グランドスラムの達成、ロンドンオリンピックの女子団体で日本卓球史上初のメダル獲得、続くリオデジャネイロ大会の女子団体でもメダルを獲得と、夢に向かって努力し、実際に夢を叶えてきた福原。アメリカ・シカゴの女性たちによるR&Bアーティスト「ザ・ドリームズ」が、スーパースターへと駆け上がっていくこのサクセス・ストーリーに、大いに共感を覚えたと語る。

福原「スポーツにも音楽にも、ほかのすべてのことにも共通すると思うんですけど、夢を叶えるためには、続けること、諦めないこと、その夢を現実的な目標にすること、この3つが大事じゃないかなと思うんです。『ドリームガールズ』の3人の女性も、諦めず、一歩一歩足を止めずに上り続けていきます。それが頂上につながるんだなということが見ていて実感できましたし、夢を叶えていく過程を見ることができてハッピーな気持ちになれてすごく楽しかったです。見終わったあと、パワーがみなぎってくるような感じがありました」

物語は、幼なじみのディーナ、ローレル、エフィーがボーカルトリオを結成するところから始まる。R&Bの大物歌手のバックコーラスからスタートし、やがて単独デビューを果たす3人。しかし、マネージャーの采配によって、圧倒的な声量を誇るエフィーに代わって容姿が美しいディーナがリードボーカルを務めることになると、歯車が狂い始める。栄光も挫折も、そして友情の崩壊も経験しながらつながる『ドリームガールズ』の3人の絆。その人間模様にも、福原は自分を重ねずにはいられなかったという。

福原「15歳でアテネオリンピックの代表に選んでいただいたときには、先輩がいらっしゃるのに私でいいのかな、申し訳ないなという気持ちになりました。でも、選んでいただいたからには勝たなきゃいけないという強い気持ちを持ってさらに練習に励むことができたので、ディーナの気持ちが手に取るようにわかったんです。また、卓球の団体戦も奇しくも3人ですが、私もほかのふたりがいなかったらあんなに頑張れなかったと思います」

 

もともと、音楽を聴くこと、女性のダンスパフォーマンスを観ることが好きだった。

福原「安室奈美恵さんのファンで、試合のときはいつも『Get Myself Back』という曲を聴いていて、ある歌詞の部分を聴いてからじゃないと試合会場に入れなかったくらいでした」


験担ぎが必要なくなった今は、エンターテインメントをもっと楽しみたいという気持ちも強い。

福原「エンターテインメントは人生を豊かにしてくれるものだと思うので、機会があればいろいろ体験したいと思っています。なかでも生で体験できるものは、ぜひ子どもたちも連れて行って一緒に楽しみたいですね。やはり、生で見ると緊張感も伝わりますので、普段は気づかないことや感じられない感動があると思うんです。私も7歳のときにアトランタオリンピックを観戦に行かせていただいて、そのときに将来この舞台に立ちたいという大きな夢を抱くことができました。だから、2020年の東京オリンピックでもひとりでも多くの子どもたちが何かを感じてほしいなと思っていますし、このミュージカルも、ひとりでも多くの方に本物の感動を体験してほしいと思います」

 

インタビュー・文/大内弓子

 

※構成/月刊ローチケ編集部 1月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります

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【プロフィール】
福原愛
■フクハラ アイ 3歳から卓球を始め「天才卓球少女」として注目を集める。オリンピックには4大会連続出場し、ロンドン、リオデジャネイロで2つのメダルを獲得した。