PGF生命 presents 『ニューイヤー・ミュージカル・コンサート 2020』キャストインタビュー

(上段左から)アリ・エウォルト、エマ・キングストン、ディーン・ジョン=ウィルソン
(下段左から)リチャード・H・ブレイク、ライアン・シルヴァーマン、マイケル・ゼイヴィア

令和最初の新年を華やかに彩る『ニューイヤー・ミュージカル・コンサート2020』。5周年を記念して、ブロードウェイとウエストエンドから人気・実力共に兼ね備えたミュージカルスターが終結した。


アリ・エウォルトは『レ・ミゼラブル』のコゼット役でブロードウェイ・デビュー。アジア系アメリカ人として初めて『オペラ座の怪人』のクリスティ-ヌ役に抜擢され、30周年公演の主演も務めた注目のソプラノ。今回が2度目の来日。


エマ・キングストンは2018年『エビータ』のインターナショナルツアーでオリジナルクリエイターのアンドリュー・ロイド=ウェバーらによってエヴァに抜擢された。東急シアターオーブで見せたエヴァ役での繊細かつ大胆なパフォーマンスは記憶に新しい。今回、待望の再来日が実現。


ディーン・ジョン=ウィルソンはウエストエンドで『アラジン』のオリジナル・アラジン役に大抜擢された。続いて渡辺謙、ケリー・オハラ主演で絶賛された『王様と私』ロンドン公演の若き恋人、ルンタ役を務める。この公演を映像に収めたロンドン版『The King and I 王様と私』にも出演した、期待の英国若手俳優。今回が初来日。


リチャード・H・ブレイクはブロードウェイのカリスマ的存在として、『レント』(ロジャー)、『アイーダ』(ラダメス)、『ウィキッド』(フィエロ)などに出演する実力派俳優。最近では『ブロンクス物語』のオリジナルキャストとして、映画版でロバート・デ・ニーロが演じたロレンツォ役を務めた。今回が初来日。


ライアン・シルヴァーマンはウエストエンドでリバイバル上演された『ウエスト・サイド・ストーリー』のトニー役を演じ絶賛された。ブロードウェイの代表作に『シカゴ』(ビリー・フリン)、『オペラ座の怪人』(ラウル)など。「もっともスムーズで、もっとも豊かな歌声の持ち主」と称された実力派。今回が2度目の来日。


マイケル・ゼイヴィアはウエストエンドを中心に活躍。大女優グレン・クローズの相手役として『サンセット大通り』のジョー・ギリス役でブロードウェイ・デビューを果たし、続いて『プリンス・オブ・ブロードウェイ』のブロードウェイ公演に出演した。米国ドラマ『ブラックリスト』などにも出演する人気俳優。今回が2度目の来日。


これだけのメンバーが揃うのはミュージカルの本場ブロードウェイ、ウエストエンドでもなかなかないこと。日本での初めてのリハーサルを終えたばかりで、心地よい興奮が残るキャスト6人に話を伺った。

 

――今、リハーサルが終わったばかりですが、いかがでしたか?

一同「(口々に)やっぱり最初に話すのはディーンだよね!」

ディーン「じゃあ、まず僕から(笑)。みんなも同じ気持ちだと思うんですが、始まる前は緊張していたけれど、リハーサルが始まったら緊張なんて吹き飛んでしまいました。素晴らしいオーケストラの音を聞きながらリハーサルできて、とても嬉しかったです」

リチャード「こんなに早い段階でオーケストラと一緒にリハーサルできるのはめったにないことなんです。それがとても素晴らしかったですね」

アリ「今日はリハーサルの初日。共演するのが初めての方もいたけれど、ナイスなサプライズだったのはとても楽しかったということなんです。当日は、お客様も一緒にその楽しさを味わっていただけたら嬉しいなと思います」

マイケル「ディーンとアリは以前から知ってましたが共演するのは初めてだし、「はじめまして」のメンバーもいる中で、本当に楽しい舞台を経験できることがとてもハッピーです」

ライアン「今回は新年をお祝いする公演。今日、リハーサルを通じて非常に軽やかに楽しく過ごせたので、お客様にも同じように感じていただけたらいいなと思います」――今回のコンサートでお勧めのナンバーは?

リチャード「僕はみんなで歌う曲では「シーズンズ・オブ・ラブ」がお勧めですね。ブロードウェイで『レント』のロジャーを演じて以来、20年ぶりにこの曲を歌うことになるから、本当にワクワクしています。自分のソロでは同じく『レント』からのナンバー「ワン・ソング・グローリー」かな。時を経て再び歌えることが楽しみなんですよ」

アリ「グループで歌うナンバーでは「ワン・デイ・モア」が楽しみ。私は以前ブロードウェイの『レ・ミゼラブル』でコゼットを演じたから、また歌えることが本当に嬉しいです。自分の持ち歌としては『オペラ座の怪人』の「シンク・オブ・ミー」。日本には私のファンがたくさんいらっしゃるので、日本でこの曲を歌えるのはスペシャルな気持ちでいます」

エマ「私は「アルゼンチンよ、泣かないで」。前回来日した『エビータ』の公演が本当に素晴らしかったから、再び同じ東急シアターオーブで歌えることにワクワクしています。それに、以前からお気に入りの「パレードに雨を降らさないで」(『ファニー・ガール』)が歌えるのも楽しみですね」

マイケル「僕もグループナンバーでは「ワン・デイ・モア」をお勧めしたいと思います。コンサートでは何回も歌ったことがありますが、マリウスのパートを歌っていたんですよ。今回初めてジャベールのパートを歌わせていただくので、楽しみにしていてください! 自分の歌うナンバーではライアンとデュエットで歌う「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」(『オペラ座の怪人』)。ソロで何度も歌ったことがありますが、デュエットでは初めてなので、持ち歌としてはこれがお勧めです。『プリンス・オブ・ブロードウェイ』がブロードウェイで上演されたときにこのナンバーを歌ったんですよ」

ディーン「『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の「スプレッド・ザ・ラヴ・アラウンド」。10年前に僕がデビューした思い出の作品の曲ですね。自分のナンバーでは『王様と私』の「アイ・ハブ・ドリーム」。映画や舞台でとても有名な曲だし、この曲をデュエットするアリも僕も『王様と私』に出演していたんです。僕にも日本にファンがいるので、みなさんに聞いていただきたいと思います」

ライアン「「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」はコンサートで何回も歌ったことがあるんですが、デュエットで歌うのは初めてだから、この曲をお勧めしたいですね」

マイケル「いやいや、ライアンは僕と歌えるからそれが一番だと推してるんだよ(笑)!」

ライアン「(笑)。自分の持ち歌としては、日本でもNHK交響楽団と歌った『ウエスト・サイド・ストーリー』の「マリア」になります。以前はトニーを演じていて、何度も歌った大事な曲。あいにくトニー役にしてはちょっと年齢が上になってしまったけれど(笑)コンサートで歌う分には問題ないでしょう」


――新年早々、こんな素晴らしい顔ぶれを日本で見られるなんて、日本のお客様はとても楽しみにしているんです。

ディーン「特に僕を楽しみにしてるのかな(笑)?」

リチャード「それは間違いないね(笑)」

アリ「私たちの意見が一致するのは、日本のファンのみなさんが素晴らしいということ。いつもプレゼントを贈ってくださったり、応援してくれて、本当に感謝しています」

エマ「『エビータ』の公演のとき、日本のファンの方々が本当にあたたかく迎えてくださったことが今でも忘れられません。だから、今回は里帰りしたような気分なんです(笑)」

マイケル「何年か前に『オクラホマ!』に出演したとき、日本からロンドンまで、さらには移動してチェスターまで見に来てくれた人がいたんだよ。チェスターで楽屋口を出たときに彼女がいたのでびっくりして「どうしてここにいるの?」と言ったら「あなたを見に来たんです!」と(笑)。本当に日本のファンの方は素晴らしいよ」


――心待ちにしているお客様に向けて、今回のコンサートで楽しむポイントを教えてください。

アリ「コンサート全体を通してそれぞれがスポットライトを浴びるような構成になっているので、私たちがワクワクする瞬間があるように、お客様お一人お一人が心躍る瞬間を見つけてもらえたらと思います。このコンサートの初めから最後まで、すべてがお勧めなんですよ」

リチャード「それに、曲目もとてもバラエティに富んでいるんです。必ずみんながエンジョイできる曲が盛り込まれている、素晴らしいセットリストになっていますね」

マイケル「私たちはいつもは主役をやっている俳優なので、実はこうやって共演してグループで同じ楽曲を歌うことはめったにないことなんですよ。主役級の役者が同時に歌っているところを見て、お客様には楽しんでいただけるかなと思います」

ライアン「みんなの言っていることに同意(笑)!」

エマ・ディーン「そのとおり(笑)!」


――日本でやってみたいことは?

エマ「今回は滞在時間が限られているからあまり出かけられないけれど、前回『エビータ』で来日したときはいろんなところに行ったのよ。東京だけでなく、富士山、箱根、京都まで行ったわ」

リチャード「僕は初めてだから、行きたいところだらけだよ! 3か月くらい日本にいて、すべてが見たいというのが本音。まず、東京タワーに行きたいです。本当は東京ディズニーランドにも行きたい。僕はディズニーファンなんです。ゴルフが大好きだから、日本でゴルフもしてみたいな」

ライアン「劇場の近くに、カウンターで3人くらいしか入れないようなバーを見つけたんですよ。すごくキュートだったな。ああいうお店に行ってみたいです」

アリ「今朝は弟と明治神宮と代々木公園に行きました。でも、食べることがいつも楽しみです。寿司、餃子、ラーメン……、本当に日本の食は素晴らしいわ」

リチャード「餃子は昨日も食べたよ」

ディーン「もっと長くいられたら、新幹線で京都に行ってみたいですね。富士山も登山してみたいな」

アリ「私は登ったわ!」

エマ「私も(笑)」

ディーン「あと、日本食は大好き。ラーメン、お寿司、餃子」

マイケル「同じく(笑)! 飛行機の中で東京を紹介する2分くらいの映像を見たんです。どこかわからないのですが、美しくてすべて行きたいと感じました。今回は時間がないから残念ですね」

アリ「世界で一番大好きなローラーコースターの「サンダードルフィン」に乗りたい! 東京ドームシティにあって、ビルの中を潜り抜けていくんですよ。私はジェットコースターが大好きなんです」

マイケル「このコンサートに来たら、お客様がまさにジェットコースターに乗っているような気分になるかもね(笑)。それくらい、ワクワク感満載だから!」


――最後に、日本のお客様にメッセージをお願いします。

アリ「Happy New Year! ぜひ我々と一緒に新年をお祝いするために、東急シアターオーブに足を運んでいただければと思います」

エマ「本当に日本のことが大好きです。日本のみなさんの前でパフォーマンスできることが何より嬉しい。ぜひ、コンサートを楽しんでくださいね」

ライアン「時間が本当に貴重な中、足を運んでくださるファンのみなさんに心から感謝しています」

リチャード「日本のお客様に会えることをとても楽しみにしています。来日は初めてなので、公演が終わった後にみなさんに直接会ってお話しすることができたらと思います。みんなにファンがいるように、僕にも日本のファンができたらいいなと思っているんです(笑)」

マイケル「楽しいコンサートになっているので、好きな曲があったら一緒になって口ずさんで歌っていただけたらと思います。もしかしたら、日本にはそういう習慣はないかもしれないけれど、とにかく我々と一緒に楽しんでいただければと思います。でも、「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」だけは一緒に歌わないでね(笑)」

ディーン「(日本語で)明けましておめでとうございます! お客様にお会いできるのをワクワクしています。みなさんが置かれている状況は様々だと思いますが、この公演を見終わった後は心からハッピーになっていることをお約束します」

 

(取材・文/演劇ライター 大原 薫)