愛希れいか 伝説のダンスシーンで観客を魅了 ミュージカル『フラッシュダンス』ゲネプロレポート&キャストコメント

2020年9月12日(土)東京・日本青年館ホールにて、ミュージカル『フラッシュダンス』が開幕した。

本作は、1983年に公開、世界中で1億ドル以上の大ヒットを記録したアメリカ青春映画『フラッシュダンス』を舞台化。オリジナル映画版の脚本・原案であるトム・へドリーを舞台版脚本に迎え、生のダンスと音楽を最大限に生かしたミュージカルとして生まれ変わった。
演出は岸谷五朗が務め、主演のアレックス役に本作が宝塚退団後初の単独主演作となる愛希れいか、共演には廣瀬友祐、桜井玲香、福田悠太(ふぉ〜ゆ〜)といったキャストで繰り広げられる。
9/11(金)、開幕に先立ち実施されたゲネプロの模様とキャストコメントをお届けする。

 

【あらすじ】
1983年、ペンシルベニア州ピッツバーグ。
昼は製鉄所、夜はバーのフロアダンサーとして働くアレックス(愛希れいか)は、日々プロのダンサーになることを夢みて暮らしていた。そんなアレックスに製鉄所の御曹司、ニック・ハーレイ(廣瀬友祐)は一目惚れをする。一方、同じくプロのダンサーを目指す親友のグロリア(桜井玲香)からダンスの名門学校・シプリーアカデミーのオーディションを受けることを勧められるアレックス。ダンスの恩師であるハンナ(春風ひとみ)からも背中を押され、意を決してオーディション会場を訪れるが、周りの熟練ダンサーたちを目の前にして自信を無くし、逃げ出してしまう…。

 

【ゲネプロレポート】
『フラッシュダンス』といえば、だれも頭に浮かべるであろう「What a Feeling」のイントロが流れオープニングがはじまる。愛希演じるアレックスが浮かべるアンニュイな表情からは物語が向かっていく希望に満ちたゴールとそこまでの険しい道のりを想像させる。

アレックスは彼女に一目惚れしたニック(廣瀬)に対してもはっきりとデートを断る物怖じしない性格でありながらも、ダンサーになる夢にはどこか自信が持てない。そんなかっこよくもあり繊細さも併せ持つアレックスを愛希は見事に演じている。溶接工とダンサーの二つの顔は作業着と華やかでセクシーな衣装でも、その違いを感じさせてくれる。ニックやグロリア(桜井)、ハンナ(春風)の支えもあり、夢への一歩を突き進んでいく一幕終わりでみせるダンス、ウォーターシーンは圧巻だ。『フラッシュダンス』は着実に夢へのステップを踏みながらも、もがき悩むアレックスの成長物語であると同時に、彼女とともに成長していく周りの人物たちの夢・友情・恋の物語でもある。物語を彩るのは生演奏による「What A Feeling」、「Maniac」、「I Love Rock’N Roll」、「Gloria」、「Manhunt」等の1980年代を代表するヒットソングと大迫力のダンス。懐かしくもフレッシュな気持ちを思い起こさせてくれる楽曲とダンスの数々は、ミュージカルならでは一体感と映像技術を用いて、本作を鮮明に描き出している。ラストのオーディションシーンは、あの伝説的な映画『フラッシュダンス』の名シーンへと観客を引き込んでくれるとともに、不安が渦巻く現代に明るい希望を抱かせてくれるようだった。悲しみや辛さを乗り越えながらも新しい時代を突き進む今だからこそ、本作が描く明るくハッピーな気分をぜひ劇場で味わってほしい。東京公演は9月26日(土)まで日本青年館ホールで上演される。続いて愛知・大阪にて上演予定。

 

【演出家+主要キャストコメント】
■日本版脚本・訳詞・演出:岸谷五朗三月、四月、五月コロナによって主催する「地球ゴージャス」の大切な25周年記念公演の殆どが吹き飛ばされた! 何処にもぶつけられないエンターテイメントの浮かばれない魂の憤りは沸々と熱を帯び、その時をずっと待っている。この瞬間(とき)に初日を迎える公演は私達だけではなく演劇関係者皆の期待を背負う。他の公演の千穐楽までの完走を我々が祈るように『FLASHDANCE』は繊細に毎日の稽古を重ね周りからも愛されて来た。初日の産声をこれ程未来の可能性だと感じる公演は初めてだ。リスクを背負い劇場に足をお運び下さるお客様! 徹底した対策を講じてお待ちしております。

 

■アレックス・オーウェンズ…愛希れいか今こうしてこの作品を届けられるということ、を買って劇場に来て下さるお客様がいて下さるということがなによりも幸せですし、感謝の気持ちでいっぱいです。
今回、いつもより制限があるお稽古の中でも、とてもストイックに、そして本当に楽しくお稽古できたのは、思いやりに溢れた愉快な個性的なキャストの皆様のおかげです。
この状況で、みんなで作り上げたこの舞台はいつも以上にたくさんの想いが詰まっています。エンターテイメントのもつ力を少しでも感じて頂き、観終わった後には、前に向かって一歩踏み出す勇気を持ってもらえるような、明日への活力になる…誰かの背中を押せる……そんな舞台にしたいと思っています。
私が今できる全てを懸けて挑みます! どうぞ、宜しくお願い致します。

 

■ニック・ハーレイ…廣瀬友祐自分の中で止まってしまったものが、また凄まじいエネルギーで動き出そうとしています。
当たり前じゃない一瞬一瞬に命を注ぎたい。
危険は常に隣合わせかもしれません。
でもだからこその興奮がこの作品には間違いなくあると思います。すでに心が震えてます。
このパワーがこの先の未来を照らせるように魂込めたいと思います。宜しくお願いします。

 

■グロリア…桜井玲香無事に初日を迎えることができて、先ずはホッとしています。どこか不安を拭えないまま、それでもカンパニーみんなで初日を迎えられると信じて、日々頑張ってきました。
色々な想いが詰まったこの作品を、お客様の心にしっかりと伝えたいと思います。

 

■ジミー…福田悠太(ふぉ~ゆ~)ミュージカル『フラッシュダンス』。
一流のプロの方達ばかりの舞台上に、ジャニーズの一般人の僕がどこまで馴染めるのかお楽しみ下さい。
馴染めてなかったらどうしよう。緊張するなあ。
33 歳にもなってこんなに緊張させてくれるミュージカル『フラッシュダンス』。最高です。
この大変な時期に会場に集まって下さるお客様、皆様に少しでも夢と感動を与えられるよう頑張ります。