浪漫活劇『るろうに剣心』上白石萌歌 インタビュー

1994年に週刊少年ジャンプで連載が始まり、シリーズ累計発行部数6000万部を超える大ヒット漫画「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」。1996年のアニメ化、2012年、2014年の実写映画化を経て、2016年には小池修一郎の脚本・演出により、宝塚歌劇団が初めて舞台化した。この時の公演で主人公・緋村剣心を演じたのが当時の雪組トップスター早霧せいな。2017年に宝塚を退団した彼女が、男女の枠を超えて再び“緋村剣心”を演じるという注目の舞台で、神谷薫役を演じる上白石萌歌に話を聞いた。

 

--原作はご存知でしたか。

上白石「はい。ただ深くまで知る機会が今までなかったので、今回出演させて頂くことになり、アニメを見たり、漫画を読んでいる最中です。国境を越えて世界中で愛されている作品の魅力を、今実感しています。魅力を知るうちに、舞台を観る方の目に自分が演じる神谷薫がどう映るのか考えてしまうのですが、今まで色々な形で皆さんに届いていた作品をまた新しく小池修一郎先生の元で作り上げるにあたって、私らしい神谷薫が演じられたらいいなと思います」

 

--演じる神谷薫について、どのような印象ですか。

上白石「初めて見た時に『なんて美少女なんだろう』って(笑)。恐れを知らない、凛としている部分もあるけれど、剣心に出会って女の子らしい心の揺れがあったり、すごく可愛いなと思いました」

 

--劇中に殺陣があると聞きました。

上白石「殺陣が初めてで、舞台で袴を履くのも初めてなので、すごく大きな挑戦だと思うのですが、今まさに竹刀を使った殺陣の練習をしています。早霧せいなさんを始め共演者の皆さんはとてもお上手なので、足を引っ張らないように練習していきたいと思います。殺陣にはずっと憧れを持っていたのですが、その初めてが『るろうに剣心』で嬉しいです。今回の舞台は袴や竹刀などのアイテムが役に近づけてくれる所があるので、自分のものにしていきたいです」

--主演の早霧せいなさんの印象はいかがでしょうか。

上白石「記者会見とポスタービジュアルの撮影でお会いしたのですが、普段は女性らしくて柔らかい印象の方なのですが、扮装や殺陣の練習をされていると剣心そのもので!『るろうに剣心』という作品に費やされた時間や愛情がすごく感じられて、早霧さんについていけば大丈夫と思いました」

 

--作品では早霧さん演じる剣心に惹かれる役ですが。

上白石「記者会見の時に剣心の格好で殺陣をされているところを見て、漫画からそのまま飛び出してきたようで、すごくかっこいい!と思ったので、心惹かれるという点では役作りの心配は必要なさそうです(笑)。アクションなど力強さを見せる一方で、心の揺れといった繊細な部分も丁寧にお芝居していきたいです」

 

--小池先生とはお会いしましたか。

上白石「顔合わせの日に歌を披露する機会があって、その時に初めてお会いしました。ミュージカルが好きな私にとって憧れの存在で、まさか自分が小池先生とご一緒できるとは思っていなかったです。今まで小池先生の作品を観る中で、どの作品でも小池先生の『ぶれない芯』みたいなものが伝わってきて、実際にお話しすると、全く嘘がなく色々なことを正直に伝えてくださりました。この秋は自分のお芝居や舞台に対する考え方がすごく変わっていきそうです。作品についてまだ深くはお話しできていませんが、『歌はやっぱり薫らしく歌えたらいいね』とおっしゃっていました」

 

--映像作品への出演も続いていますが、舞台にかける意気込みはいかがですか。

上白石「色々なものを開放して舞台に立つ瞬間が最高に好きなので、また今回舞台に出演することができて嬉しいです。舞台は何も挟まずにダイレクトにお客さまに届く感じや、毎公演空気感が違うところがすごく新鮮ですし、同じものが一つもなく変わりゆく感じが好きです。自分が一番自由になれて、『こういうことがしたい』と思うのが舞台の上なので、自由な私を見ていただけるんじゃないかと思います」

 

--最後に、楽しみにしているお客様へメッセージをお願いします。

上白石「2016年に宝塚歌劇で上演され、今回新しいキャストの方々と新たな作品が生まれると思います。今から私もすごく胸が高鳴りますし、きっと新しい『るろうに剣心』を皆さんにお届けできると思うので、ぜひ秋まで楽しみに待っていただけると嬉しいです」

 

インタビュー・文/ローソンチケット