ミュージカル『タイタニック』囲み会見・プレスコール レポート

「ついに出航。最後まで無事に航海を終えられるように。」

10/1(月)、日本青年館でミュージカル『タイタニック』の囲み会見・プレスコールが行われた。
会場には、事前に販売された囲み会見&プレスコール付きチケットの購入者も来場し、10/1(月)18:30より同劇場で開幕となる本作への期待を膨らませた。

本作で演出を務めるのはトム・サザーランド。ロンドンのウエストエンドの劇場、チャリング・クロス劇場の芸術監督であるトムは、梅田劇場プロデュースによる、藤田俊太郎のウエストエンドでの『VIOLET』演出という初の試みをサポートしていることでも話題となっている。先日行われた会見で藤田は、トム・サザーランド演出のタイタニックについて「まるで観客が、タイタニックと一緒に旅をしているよう。タイタニックが旅立っていくファーストシーンで、“観客”はいつの間にか“乗客”になっている。作品を観客に体験させるということのできる数少ない演出家であり、とても尊敬している」と話していた。今回プレスコールで披露されたのは、まさに藤田が言及していたオープニング「出航」のシーン約20分。

圧巻のオープニングシーンであり、客席の通路を駆けていく出演者たちと、客席に向けられたライト、途切れることのない歌声に掻き立てられる高揚感に、藤田の言う通り“乗客”となった自分を感じることができる。群像劇だからこそ表現できる圧倒的な声量の歌声にも鳥肌が立つが、それぞれ個々の持つのびやかで力強い歌声にも感激。日本の実力派がこれでもかと集結した作品となっていた。また、プレスコールに先立ち行われた会見では、それぞれが作品に対する意気込みを発表。下記、トム、加藤、石川、鈴木のコメントを抜粋。

トム:タイタニックを見たことがある方も、こんなの見たことない、と感じるであろう、また違った作品となっている。日本で、新しいバージョンのタイタニックをお見せできることができ、とても光栄に思う。

加藤:3年前にこの作品に出たが、今回の再演ではキャストも変わり、トム自身も成長したと話していて、全く新しいタイタニックが出来上がったと思っている。本日ついに出航。最後まで力を合わせて無事に航海を終えられるように頑張っていきたい。鈴木:3年前にトムと一緒に過ごした、作品が毎日変わっていく感動が忘れられなかった。今回も日に日に変わっていくが、キャストもスタッフもトムがフォーカスしていることがあるから、みんなが一つに向かって作っていくことができる。今回も是非皆さんに、目撃者となって出航に立ち会ってほしい。

石川:群像劇は一つのパートが欠けても成り立たない。この作品を作り上げることのできる一つの歯車として、皆さんにこの作品をお届けできる喜びを感じている。10/1(月)より開幕したミュージカル『タイタニック』。東京では日本青年館ホールで10/13(土)まで、大阪では10/7(水)~10/22(月)まで梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで行われる。

開場後の時間には、設計士を演じる加藤が設計をしながら舞台上でスタンバイしており、開演前からタイタニックの世界に引き込んでくれる演出もあるという。
ミュージカルは、急に歌いだしたりして苦手…という方にお勧めできる、没入型ミュージカル。是非この機会にご堪能を。

取材・文・写真/ローチケ演劇部員