ミュージカル「ON AIR~夜間飛行~」愛加あゆインタビュー

日韓の豪華キャストが集結し、日本語の台詞をメインに日本語と韓国語の2言語で上演、観客が舞台上で出演者と共演するなど、客席参加要素も盛り沢山のオリジナリティ溢れる新感覚ミュージカル「ON AIR~夜間飛行~」。

この作品が宝塚歌劇団退団後、初の舞台出演となる元雪組トップ娘役・愛加あゆさんに、ローチケ演劇部Twitter(@l_tike_stage)で事前募集した質問も交えつつ話を聞いた。

 

宝塚時代は常に走り続けていたという愛加さん。

退団後、しばらくの休養期間を経て、待望の舞台出演となる。

 

愛加「出演が決まったのは1ヶ月ぐらい前ですね!宝塚を卒業してから1~2ヶ月間ぐらいは、実家に帰ったり、旅行に行ったり、本当に“休む”みたいな状態でいたんです。次はどうしようかな~と思っていた矢先にお声をかけて頂いたので、凄くありがたくお話を頂戴して。なので、この作品に出られてとても嬉しいです!」

 

休養期間中は「イルカと泳ぎたい」というお母様の夢を叶えにハワイ旅行へ行ったりも。今後の活動については、特に舞台には限定せず、テレビ等も含め「いろんなことに挑戦していきたいです!」と力強い笑顔。「でも演じるのが好きなので」と、女優への意気込みを見せる。

 

愛加「宝塚にいたときは宝塚のことで頭がいっぱいで、とにかく“娘役とはなんだ!?”ということを常に考えていたので、外に出ていろんな女優さんを見てみて、“とらわれない”といいますか、いろんな役が幅広く演じられるというのが、やはり宝塚にはない魅力だと思うので、それが凄く楽しみで。いろんな役に挑戦してみたいですね。」

 

韓国発祥のオリジナルミュージカル「ON AIR~夜間飛行~」。インタビュー時はまだ台本を手にしたばかりのタイミング。

 

台本をご覧になっていかがでしたか?

 

愛加「まず、この作品は客席参加型なんですけれども、最初お話を頂いたときにそれを聞いて、凄く面白そうだなーと思ったのが第一印象です。日本でも“客席参加型”といっているものがあったり、宝塚でもあったりもしたんですけれども、この作品は『ここまでする!?』っていうほど参加型なんですよ。お客さんも舞台上で一緒に演じてもらうとか、お客さんの意見を取り入れて舞台が進行していったり、その答えを(主役の)ジェイさんが答えていくとか、本当にお客様あっての舞台なので、観ている方も一緒にそれを楽しんで頂けると思いますし、その舞台に自分も参加しているかのように見ていただけると思うので、凄くそこが魅力的だな、と思ったのが第一印象ですね。」

 

韓国ミュージカルは初体験ながらも、韓国のドラマは大好きという愛加さん。

 

韓国ドラマの魅力との共通点はありますか?

 

愛加「ストーリーが!私、韓流のドラマで、特にラブコメが好きでよく見ていて、韓国の独特の女性像が…“喧嘩しあう仲だけど、いろんな困難を乗り越えて、でもお互い心はひとつ”みたいな韓流ドラマで私が見ていて大好きな流れ。それがこの台本に詰まっていたので、日本のドラマも大好きなんですけれども、なんかこう違いますよね?独特の韓流マジックといいますか、途中からどんどん自分がその世界に入り込んでしまって、そのヒロインになっちゃう、みたいな。凄い不思議なんですけれども・・・。」

 

そのヒロインを演じられるわけですが、アヤはどんな役ですか?

 

愛加「実は、怒っているシーンから始まるんですよ。喧嘩しているシーンから始まりまして・・・アヤは感情の起伏がとても激しい子だと思うんです。凄く感情豊かで、自分の思っていることは口に出すタイプだと思うんですけれども、でも仕事の部分では信念をもってしっかりとしていて、その部分では揺るがない部分も持っている子で。自分の気持ちと理性の格闘を経て、最後、この作品が終わった後も二人はどうなっていくかな?みたいな、そこまで、観ている方は想像して頂けたら嬉しいなって。でもアヤは可愛い一面も持っている子なので、その一面も色々表現していけたらいいなと思っているんですけれど・・・難しいですね、頑張ります。」

 

愛加さんご自身と似ているなというところはありますか?

 

愛加「まだちょっと、分からないので、これから探して行きたいところです。読んだ感じの印象では、一つの物に対して、物を作っていく、という信念を持っている子なので、そういう部分では共通しているのかなとも思ったり。私も、やっぱりプライベートより、どっちかっていうと舞台のことがずっと…頭は常に宝塚でいっぱいだったので、そういう仕事にかける思いは似ている部分があるのかなと。」

 

愛加さんは韓国語の台詞はなく、リスニングがメイン。それでも、少しでも話せるようになりたいと、韓国語を習いだしたそう。

 

愛加「マンツーマンの教室に通いだしたんですけれども、まずはハングル文字から習わなきゃいけなくって!なので、ハングル文字を頑張りました!読めるけど、意味が分からない状態ですが、挨拶までとりあえずいけたので・・・アニョハセヨぐらいしかまだわかんないんですけれど・・・カムサハムニダとか、それぐらいしか・・・」

 

本番まであと2ヶ月ぐらいですよね?

 

愛加「そうなんですよ…!でもね!ハングル文字が読めるだけで、全然、違うんです!旅行も好きで行ってたんですけど、街に看板があっても意味がわからなくって『うわ!これはどこの店!?この店はなんだ!?』みたいな、『怪しい店じゃないだろうか!?』みたいに勝手に一人で思っちゃって、うぉーってなってたんですけど、何の文字か雰囲気がわかるだけでも全然違うんです!今もこう、韓国の台本って横書きで、ハングル文字と日本語が書いてあるんですけど、ハングル文字がなんとなく分かるのが『私って凄い!ちょっと成長したじゃん!』とか思いながら、意味はわかんなくても、日本語訳が上とか下に書いてあるので、あーこれこういう意味なんだーとか、音でわかるのが、面白いなって。」

 

旅行も行かれたとのことですが、韓国はお好きですか?

 

愛加「はい大好きです!ご飯も美味しいし、買い物も、いろんなものが売ってるじゃないですか。宝塚の時は、娘役は全部自分でアクセサリーとかも揃えるので、娘役御用達の問屋さんに娘役だけでツアーみたいな感じで行ってアクセサリーを買い漁ったり。凄い安いんですよ!問屋さん街も楽しいですよね。」

 

共演されるユナク(超新星)さん、ケビン(U-KISS)さん、チョンジ(TEENTOP)さんの印象はいかがですか?また、共演者の皆様の音楽は聴いたことはありますか?という質問もありましたがいかがでしょうか?

 

愛加「まだ一度もお会いしたことはないんですけれども、皆さん本当に大活躍されているK-POP界の方なので、共演させて頂けて光栄です。音楽も、出演が決まった際に聴かせて頂きました!宝塚の娘役として演じてきた分、私がずっと心がけていたのは、私の相手役さんは壮さん(壮一帆)だったんですけれども、その壮さんのファンの方が、私に投影して頂けたら一番嬉しいなと思っていて。皆さんと同じ気持ちで舞台に立てていたら…自分は一番それを目標ともしていたので。今回も相手役さんがいるので、ユナクさんのファンの方、チョンジさんのファンの方や、ケビンさんのファンの方に、私も韓流のドラマを観ていてそうだったように、私と一緒の気持ちになって、私を通して、投影して観て頂けるように、というのが目標ですね。」

 

退団されて初めてのリアルな男性とのお芝居、しかも韓国の方とのお芝居になりますが、不安な点であるとか、逆に期待しているところはありますか?

 

愛加「不安だらけです。本当に、宝塚にいる間は演じるのは女性ばかりだったので、なにが不安かも分からないぐらい、わからなすぎて。でも、それで学べることはきっといっぱいあると思いますし、多分、宝塚の男役の方は、男役をつきつめて演じてはいるけれども、やはり本物の男の方とは絶対、感情とかも違うじゃないですか。その反応とか、お芝居をしている雰囲気とか。その方と芝居しながら、色々自分もその方と呼吸を合わせてアヤを作っていけたらな、と思っています。」

 

それぞれのアヤになりそうな感じもしますね。

 

愛加「そう、それも楽しみで!今回初めてトリプルキャストっていう形で。宝塚では役替わり公演があっても、中々それに携わることがなくって、今回本当に初めて、三人の方と一緒に演じさせて頂くということで、それぞれの方の呼吸とかもきっと違うので、自分自身もどんな感情が生まれて、どんなアヤになるのか、絶対違うと思うんですね。なので、それも楽しみですね。」

 

やはり、男女での違いは、という点は気にされている方が凄く多かったですね。

 

愛加「やっぱり気になるところですよね。私も気になりますもん!私も聞きたい!(笑)」

 

宝塚との違いで苦労しているところは、という質問も頂いているのですが、お稽古が始まっていないとのことなので、ここが違うなと感じているところなど、何かありますか?

 

愛加「もう全然!とにかく宝塚にいる間は、同じ方とずっと一緒にお仕事をしてきたので、決まったこと、与えられたものを、ずっとこなしていくっていうことだったんだなって。今、新しく外の世界に出たら、全て自分が決められるし、直接いろんな方とお話したり、コミュニケーションをとったり、皆さん本当に初めての方ばかりで、毎日凄く新鮮ですね。なので、いろんな方とお話して“学びたい”っていう気持ちが本当に強いです。全てが分からないことだらけなので。ちょっとしたことも『ハッ!そうなんだ!』みたいな、新しい発見ばっかりです。」

 

たとえばどんなことですか?

 

愛加「具体的にいうと、チケットの取り方だったりとか、本当に初歩的なことで!台本が届いた時にも、日本と韓国っていう違いも大きいと思うんですけれども、横書きだったり、韓国の文字があったり、台本の組み立て方も全然違いますし。先ほど予定を頂いたら、スケジュールの立て方も違くて。宝塚は、皆一緒に稽古をしているので、皆が揃う前提なんですけど、今回は皆さんいろんなお仕事をされているので、この日はこの人、この日はこの人っていう形でスケジュールが決まっていて、そういうことか!って、それが新鮮だったんですよ!スケジュール自体が!なんか、そういう、本当に初歩的なことなんですけど、わぁ!って、ひとつひとつのことに感動している毎日です。」

愛加「あと、やっぱり化粧がないっていうのがおっきいなって。素化粧…なんか恥ずかしいかもしれない(笑) 髪型も、ずっと鬘を駆使してやってきたので、そういうのも新鮮だと思いますし、きっと台詞の言い方とかも、やっぱり娘役は娘役で、きっと独特だったと思うので、そこの癖とかも取り除いて行けたらなと。でもやっぱり娘役として学んだ部分もあるので、それを活かせるところは取り入れていきたいなとも思いますし。まだまだ学ぶことばかりです。」

 

今後チャレンジしていきたいことはありますか?

 

愛加「今は、ハングルに挑戦しているんですけど、これを極めていきたいっていうのがまだ漠然とし過ぎていて、ないんです。でも、今はとにかくこの作品のことで頭がいっぱいなので、このことに関わる何かを色々調べたり、興味を持って色々観たり、出演する方の曲を色々聞いたりもしたいですし、そういうもので頭がいっぱいです。あとは旅行とかも行きたいですね。ヨーロッパに行ったことがないので、ヨーロッパに行ってみたいです。ニューヨークに行って舞台とかも観たいですし。一度行った方がいいよって言われたんですけど、中々期間が取れなくって。ながーくゆっくり観光したいですね。」

 

海外のファンの方から、愛加さんの活動が見られるブログやTwitter等を始める予定はありますかという質問もありましたがいかがでしょうか?

 

愛加「今のところはないですね。宝塚時代は禁止だったので、そういうのは疎くって。とりあえずコンピューターが苦手なので…このデジタル社会で(苦笑)それも色々勉強しなくちゃなって。慣れて来たらできたらいいなって思ってます。」

 

(と、取材当時仰っていた愛加さんですが、1/11[日]にTwitterアカウントを開設されましたのでご紹介させて頂きます!★愛加あゆさんTwitterアカウント⇒@91Glorious

 

相手役の壮さんとは最近いかがですか?というお声もありましたが、いかがですか?

 

愛加「あ!ほんとですか!壮さんとは、東京に引っ越して来てからは、お会いはしてないんですけれども、向こう(宝塚)にいたときは、もうしょっちゅう私が連絡して、壮さんと退団同期(同時に退団したメンバー)で、打ち上げみたいな感じで京都に行ったり、あと、その場で映画が観たいって話になって、じゃ、行きましょう!って私が皆を集めて映画を観に行ったり、お食事も…あ!私の誕生日の日が、丁度、一緒にお仕事をした日だったんですよ。その日に、私はまだ向こうに住んでいたので東京に出て来ていて、壮さんから『今日何するの?』って聞かれたので『特に何もないです…。』って言ったら、『えっ!?』って、『寂しすぎるそれっ!』て(笑) その日、壮さんがお友達と会う予定があったので『えっ来る?』って言って下さって。壮さんの幼なじみの方と愛加あゆが!!誕生日を祝って頂く会をするという!もう、予定がなくてよかったーって壮さんにも直接お伝えして。今でも、何かあったら時々、連絡は取らせて頂いていますね。」

 

最後に、舞台への意気込みとお客様へのメッセージをお願いします。

 

愛加「宝塚を卒業して初めての作品が、このミュージカル「ON AIR~夜間飛行~」ということで、国を越えての作品に出演させて頂けることが本当に光栄ですし、きっと新たな自分も発見できると思います。お客様も一緒に楽しんで頂けるように精いっぱい頑張るので、もしお時間がありましたら是非観にいらして頂きたいです!」

Profile

愛加あゆ まなか・あゆ

1987年10月18日生まれ、富山県出身。A型。2005年、宝塚音楽学校卒業、91期生。『マラケシュ・紅の墓標/エンター・ザ・レビュー』で初舞台。2009年8月『ロシアン・ブルー-魔女への鉄槌-/RIO DE BRAVO!!』にて新人公演初ヒロインを務める。2012年12月25日付けで、壮一帆の相手役として雪組トップ娘役に就任。2014年『一夢庵風流記 前田慶次/My Dream TAKARAZUKA』の東京宝塚劇場公演千秋楽をもって、宝塚歌劇団を退団。2015年、『ON AIR~夜間飛行~』が宝塚退団後初の舞台出演となる。

 

インタビュー・文/ローチケ演劇部(ミ)