日米合作ブロードウェイミュージカル『RENT』|山本耕史&クリスタル ケイ インタビュー

初めて実現する“日米合作版”の『RENT』で
山本耕史とクリスタル ケイが舞台初共演!

プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』をベースに、ジョナサン・ラーソンが作詞、作曲、脚本を手がけてオフ・ブロードウェイで1996年に初演後、高い評価を得て瞬く間に世界的な名作となった舞台『RENT』。日本初演は1998年、主演のマーク役を演じたのは当時21歳の山本耕史だった。その山本が26年を経て、再び同役に挑む。しかも今回は初めての〈日米合同キャストでの全編英語上演〉という企画であることも見逃せない。その山本と舞台初共演となるのが、モーリーン役で参加するクリスタル ケイ。『ピピン』日本語版(2019、2022年)でミュージカルに初挑戦し演劇賞を受賞する結果も残した彼女が、『RENT』ではどんな歌唱と演技を披露するかも楽しみなところだ。

本格的な稽古が始まる前、久しぶりの顔合わせで話も弾む二人に作品への想いを聞くと「まさか、また『RENT』に出られるとは!しかも、まさかの英語上演でたぶん僕が最年長みたいだし(笑)。日本初演後には現地で直接文化に触れたくてNYに行ったりしていた僕にとって、今の自分があるのはまさに『RENT』があったからとも言えます」と、作品との縁の深さを山本が語ると、実は英語で台詞を言うのは今回の舞台が初めてとなるクリスタルは「私はまたちょっと違うプレッシャーを今回は感じています。でもいいチャレンジの機会ですし、楽しむしかないです!」と宣言。さらに「『RENT』は小学生の頃に一度、日本で観ている気がするんです……ということは、もしかしたら!」と、山本が出演していたステージを目撃していた可能性をも告白し、場を盛り上げる。そんな二人が意見を揃えるのが「この作品は、未見でも、たとえミュージカル好きでなくても、ほとんどの人が耳にしている曲ばかりの名作であるのは間違いない」ということ。

山本 僕が好きなのはまさに序盤で歌う『RENT』。ギターをやる者にはこのコード感でこのメロディーラインにいく?というのも刺激的なんです。あとオペラがもとになっている『La Vie Boheme』は、みんなで歌うパートが早口だったりもするから、あれがバッチリ頭に入るまでは安心できないなと覚悟しています。

クリスタル 私は『Goodbye Love』が切なくて超~好き!子どもの頃は『Seasons Of Love』の有名な♪Fivehundred~♪ってフレーズしか知らなかったけど、改めて聴くと全部メッセージ性が強いしとても言葉が伝わりやすいですね。

山本 物語的には1990年代が背景だけどジェンダーやドラッグ、エイズといった当時のニューヨークの若者たちの話なので……。

クリスタル でもテーマ的には、現代だからこそ通じる部分もありそうですよね。

山本 むしろ日本が、今ちょうど追いついてきた感もある。

クリスタル そして終演後はきっと、もっと“今”を大事にしよう、今日しかないと思って生きようぜ!と思えるはずです!

インタビュー&文/田中里津子
Photo/篠塚ようこ

【山本耕史】
スタイリスト/笠井時夢
ヘアメイク/佐藤友勝

【クリスタル ケイ】
スタイリスト/角田今日子
ヘアメイク/中塚智恵

※構成/月刊ローチケ編集部 8月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布

【プロフィール】

山本 耕史
■ヤマモト コウジ
10歳で舞台デビュー。ドラマ『ひとつ屋根の下』などに出演。以後、大河ドラマや舞台、声優と幅広く活躍。Netflixシリーズドラマ『地面師たち』が配信中。

クリスタル ケイ
■クリスタル ケイ
1999年「Eternal Memories」で歌手デビュー。今年歌手活動25周年を迎え、12月に地元横浜で「CKニーゴー〜25TH ANNIVERSARY」ライブを開催。