野本ほたる『のっ会』vol.2 | 野本ほたる インタビュー

「少女☆歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE-」の雪代晶役など、女優として活躍する野本ほたるのファンイベント「のっ会」vol.2が、6月25日に東京・原宿ストロボカフェにて開催される。今回は、歌やトークのほか、脚本を23が手掛けた朗読劇「なごしのはらえ」を上演。ゲストに春川芽生、長澤綾乃を招き、北谷麻里枝のピアノに乗せてお届けするという。果たしてどんなイベントになるのか、野本に話を聞いた。

――2回目の「のっ会」ですが、1回目の感想をお聞かせください

前回は配信のみの形だったので、お客さんと実際に交流はできなかったんです。でも、初めて1から自分でイベント内容を考えたんですけど、たぶん私はそれを考えている時間がすごく好きなんです。これをしたら喜んでくれるかな、こうしたらこんなリアクションがあるかな、っていうのをたくさん考えて、すごくワクワクしました。なんだろう、プレゼントを考える感覚に近いのかな? だから、お客さんに入ってやりたかったな、という想いはあります。

――1回目に参加したファンの声などで印象に残っていることはありますか

リモートの形でしたけど、すごくあったかいなって思いました。やっぱり、実際に会っているわけじゃないので伝わりにくい部分はあるんじゃないか、って思っていたんです。でも、私が出したアクションに対して、コメントやリプライを返してくれて、ネットを通じても人の温度感や熱量って伝わるんだな、って思いました。それが、すごくうれしかったですね。

――前回はテーマ曲を作ったりしましたが、今回の「のっ会」はどのようなことをするんでしょうか

イベントをやるからには、私はやっぱりクリエイティブなことをしたい。ファンの方と交流するだけでなく、私がクリエイティブしたものをお見せしたいんです。前回は五十鈴ココさんにお願いして楽曲という形でお届けしました。そのほかにも、カバー曲なども自分のルーツになった曲などをセレクトしたんです。”今”の自分とリンクするものを大切に選んでいきました。

でも、今回のほうがクリエイティブの要求は強いかも。自分のイベントで、どんなことでもチャレンジできるから、じゃあやっちゃおう!って感じなんですよね。

――それで今回は朗読劇にチャレンジされるんですね

そうなんです。春川芽生さんと長澤綾乃さんにゲストに来てもらってやります! もともと、芽生ちゃんや綾さんと「何かしたいね」っていう話を、それぞれにしていたんですけど、事務所も違うし、なかなか現実的なビジョンが出てこなくて。でも、2人と何か作りたい。…じゃあ、のっ会ならできるじゃん!って思ったんです。

今年は、私の誕生日のタイミングは別のイベントなどをやっていたので、のっ会はやらないかもな、って思っていたんですけど、2人と何かできるかも、って思いついてから一気に動いて作りました(笑)。台本も23さんにお願いして、私が役柄とかテーマを考えて伝えて、それを基に書いてもらいました。

――春川さんや長澤さんと何かやりたい、という想いは、どういうきっかけで生まれたんですか?

3人とも舞台に立つ人、プレイヤー側の人間なんですけど、こう作ったらどうなるんだろう?とかの作る側の気持ちを持っている人なんです。長澤さんは振付もしますしね。だからか、プライベートで3人で話していると、いつも何かを作ることとかの話になっちゃうんですよね。

ファンの皆さんから見ると、3人の繋がりってあんまり分からないかもしれません。SNSとかで会っていることをアップしたりもしていないし、きっかけもミュージカル「美少女戦士セーラームーン」なので、4~5年前とかになるのかな?そのころからのファンは知ってくれているかもしれませんが、セラミュが終わってから、ずっと仲良しだったっていう感じでもなかったですから。

――何か再接近のきっかけがあったんですか?

芽生ちゃんとは、ここ最近でなぜか突然2人で古着屋さん巡りとかをするようになって(笑)。2人ともお洋服が好きなので、下北沢に行ったり、高円寺に行ったりして。それで2人ともおしゃべりなので、たくさんしゃべって、するとあそこも行きたい、これもやってみたい、って行きたい場所がどんどん増えて。今も10個ぐらい行き先が溜まっているんです(笑)。1度再会したら、やりたいことがどんどん増えちゃった感じですね。

綾さんは、セラミュの新作を見に行った時に「見に行ったよ」って連絡をしたら、会いたいって連絡をくれたんです。私も会いたかったから、遊びに行ったら、何か一緒に作りたいね、っていう話になって。だったら芽生ちゃんも入れたい!って思って3人になりました。

――野本さんから見た2人のイメージって、どんな感じ?

すごく抽象的な話になっちゃうんですけど…芽生ちゃんは、どんどん土に潜っていく人。どんどん掘って、ブラジルまで行っちゃいそうなくらい、深く潜る感じですね。綾さんは、逆にどんどん空に飛んでいく人。人類初の空を飛ぶことに成功した人になりそうなくらい、どんどん高く昇っていく人ですね。

――深く、高く…そんな2人となら、すごく広大なものが作れそうですね。

2人からすれば、私も相当ヘンな人かもしれないですけどね(笑)。今回のお話は「夏越の祓」(6月30日)が近いということで、厄をテーマにしたお話なんです。周囲に厄を呼んじゃう女の子(野本)と、それに巻き込まれる女の子(春川)。そして、厄(長澤)を身体表現で演じてもらうんですね。言葉を発さない身体表現で演じてもらうので、そうなるとやっぱり音が欲しい。そこでピアノの北谷麻里枝さんにお願いすることになりました。

麻里枝さんは前回のサポートもしてくださっていて、ジャズピアニストなので、雰囲気でどんどん演奏してくださるんですよ。「青春のキラキラをいっぱい出してください」とか、そういうことを伝えるだけで、どんどん音にしてくださる。私のたったそれだけの言葉で、なんでこれだけの音ができあがるのか全然わからないんですけど、とにかくスゴイので今回もお願いしました!

――厄がテーマということですが、プロットはどのように考えたんですか?

まずイベントが6月末くらいだったので、いろいろ調べているうちに「夏越の祓」という行事があることを知ったんです。それで私が19歳の厄年だったとき、私自身は何もないのに、周りにたくさん厄をふりまいちゃったんですよ。それを何か面白いお話にできないかな?と思って、設定を考えて23さんに伝えて、書いてもらいました。23さんは、芽生ちゃんや綾さんのことは知らないはずなんですけど、すごく”っぽい”んですよね。すごく合う役になっていると思います。

――どんな劇になるのか楽しみです! 劇のほか、もちろん歌もありますよね?

もちろん! テーマ曲の「アンテナ」も歌いますよ! それに、やっとお客さんを入れてイベントができるので、どうにかこうにか、サイン会とか写真会とかの皆さんと交流できるような時間も作れたら、と考えました。ただ発信するだけじゃなくて、みなさんからのレスポンスもいただきたいですから。

――いろいろなこだわりが詰まったイベントになりそうですね。

今は衣装も考えていて、やっぱりどこかに和のテイストを入れたいんです。目で見ても可愛い、カッコいいものにしたいですしね。みんな、身長も高いんですよ。私が1番低い(笑)。せっかく高身長で衣装も見栄えがするから、実家のおばあちゃんの力を借りて、おばあちゃんの和服で使っていいものをステージで見せられたらいいな。どうなるか、まだ全然わからないんですけどね。

――野本さんの”今”の等身大が映し出されたイベントになるかと思います。ここ最近で、お仕事の面などで意識の変化や、何か感じたことなどはありますか?

お客さんを楽しませることが1番になりすぎていて、自分が楽しむ、自分を楽しませることが少しおろそかになっていたんじゃないか、って思ったんですね。

結局、自分が楽しめていないと、私を見ていても楽しくないじゃないですか。そこもちゃんと繋がっているから、みんなを楽しませることと、自分が楽しむことがうまくイコールになるようにやっていきたいと思うようになりました。それは、いろいろなお仕事の中で、いろんなキャラクターを演じて、自分にない考え方を自分に取り入れてきたからだな、って感じます。

――では逆に、プライベートの時間でハマっているものは?

JAXAのホームページを見ること! ちょうど今、宇宙飛行士の試験をやっているそうなんですよ。去年に募集があって、たぶんちょうど選考しているころだと思うんですね。別に選考内容とか結果が載っているわけじゃないんですけど(笑)、つい気になって見ています。でも、いろいろな宇宙の解説とか、おもしろいことがたくさん載っているんですよ! ぜんぜん飽きないですね。

――宇宙のことを知って、どんどん感性も広がっていくのかもしれないですね。さて「のっ会」も楽しみですが、その後のお仕事の予定もお聞かせください!

まずは、7月10日にスタリラのイベントがあって、シークフェルト音楽学院だけのものは初めてなので、楽しみです! 7月27日(水)からは、山本試験紙 vol.1『㊀』に参加します。下北沢の小劇場での公演で、今回のお芝居は、演出家さんがダブルなんです。私もまだよくわかっていません(笑)。今まで経験がないので、自分のお芝居自体を見直すような時間になるんじゃないかと思っています。全部吸収してやろう!って感じですね。そして10月には「シークフェルト音楽学院中等部舞台」に出演しますので、そちらも楽しみにしていてください!

――いろいろと目白押しで楽しみです! 最後に「のっ会」を楽しみにしているファンにメッセージをお願いします!

ずっと私を応援してくれている人はもちろん、まだ日が浅いよ、っていう方にもぜひ来ていただきたいです。今の私を100%、いや150%出すくらい、今の私の頭の中にたどり着けるイベントだと思うので、個人のイベントだから…とか、まだそんなにファンじゃないから…とか、気負いせずに来ていただけたら。ちょっといい休日にしようかな?とか、コンビニ寄る?とか、それくらいの気軽な感覚で来てください!

取材・文/宮崎新之

写真/ローチケ演劇部