博多座公演迫る!プレミア音楽朗読劇『VOICARION XV 博多座声歌舞伎 ~拾弐人目の服部半蔵~』念願の故郷博多でのタイトルロール・山口勝平 取材会レポート!!

劇作家・演出家 藤沢文翁が東宝株式会社とタッグを組んで贈る、この上なく贅沢な朗読スタイルの舞台シリーズ『VOICARION』。この最新作となる、プレミア音楽朗読劇『VOICARION XV 博多座声歌舞伎~拾弐人目の服部半蔵~』が、11月5日(土)・6日(日)に福岡・博多座で上演される。
その公演を目前に取材会が開かれ、本作で忍術がまったく使えない十二代目・服部半蔵を演じる山口勝平が、本作への思いを語った。

「今回のお話が“和もの”ということで、今日は和装で来てみました」と、笑顔で登場した山口勝平。本作については、「今までの『VOICARION』と系統が違うかなという印象で、過去に(『VOICARION』シリーズで)『信長の犬』という作品がありますが、あれよりもさらにグッと“和”に寄って来た作品です。桂小五郎、高杉晋作、岡田以蔵、沖田総司などが登場して、“幕末オールスター”みたいな感じになっています。幕末って、日本の歴史の中でもドラマチックな時代だと思うんです。そこを背景にしているので、歴史が好きな人はもちろん、歴史が苦手な人でも楽しんでいただけると思いますよ」と教えてくれた。また見どころを聞かれると、まだ稽古が始まったばかりなので…と前置きしつつ、緒方恵美演じる沖田総司と朴 璐美演じる岡田以蔵が相対するシーンをあげ、「すごくカッコよかった。忍術が使えない半蔵の代わりに、カッコいいところは女性陣にお任せって感じでやっております(笑)。“女性陣がかっこいい”そこは見どころになるのではないかと思います」と明かしてくれた。

福岡出身の山口にとって博多座での公演は特別なもの。とても感慨深い様子で、「子どもの頃、(博多座近くの)櫛田神社のすぐ近くで育ったんです。そのころはまだ博多座が建っていなくて、いま博多座があるあたりは遊び場でした。自分のテリトリーでしたね(笑)。中学生のころに西の方に引っ越しましたが、それまでは “博多祇園山笠” (博多の伝統的な祭り)にも毎年出ていました。今までも何度か博多座公演でお声がけをいただいていたんですが、スケジュールの都合で参加が出来なかったりで、今回ようやく実現しました。故郷に錦を飾るって感じでしょうか(笑)。嬉しいですし、わくわくしています。家族もなかなか東京まで舞台を観に行くことはできないので大変楽しみにしてくれています。個人的には母に見に来てもらえるのはちょっとうれしいです(照)。何年経っても故郷は落ち着ける場所。そこに自分が芝居で帰って来る機会があるのは、やっぱりありがたいですね。それから、博多座だけに限らず、大阪公演の新歌舞伎座に立てるのもスゴイこと。歌舞伎を上演している劇場に立たせてもらえることなんかそうそう無いわけで、出演者みんな感謝しています」と、笑顔で語っていた。

最後に山口から「時代のうねりの中に巻き込まれていく感じをお客さんにも味わってもらいたいですし、自分もそこを楽しみたいですね。自分がなぜ服部半蔵なのか・・・それは最後まで見ていただければお客さまにも伝わると思います。『VOICARION』って、基本は台本を持って読み上げる朗読劇ではありますが、音楽の効果もスゴイですし、朗読劇ってなんなんだろう?って思わされる、経験してみないとわからない舞台です。今は配信などで楽しむという選択肢もありますが、『VOICARION』は劇場に足を運んでもらって、生でその世界を一緒に感じてもらいたいと思います。ぜひ劇場にお越しください。お待ちしております!」

11月の博多座公演が終わると、次は12月の大阪・新歌舞伎座へ。キャストを一部変更し、プレミア音楽朗読劇『VOICARION XVI 大阪声歌舞伎 ~拾弐人目の服部半蔵~』が上演される。

VOICARIONとは

ホームとなる劇場は、演劇の中心地日比谷に位置する旧芸術座、シアタークリエ。
劇作家・演出家 藤沢文翁が東宝株式会社とタッグを組んで贈る、役者がマイク前に立ち、台本を持って演じる、朗読スタイルの舞台シリーズ。
一流の役者たちの類稀な表現力と、同じく出演者の一人として物語を奏でる最上級の生演奏、美しい照明・美術、役者一人一人に合わせ丁寧に仕立てられた衣裳によって、その作品世界はお客様の想像力で無限に広がってゆき、VOICARIONでしか味わえないこの上なく豊かな観劇体験となる。

VOICARIONの由来

VOICEとギリシャ神話に登場する天馬ARION(アレイオーン)を組み合わせた造語。声によって聴く者の想像力の翼がどこまでも高く羽ばたいていくように、との願いが込められている。また、I の上にデザインされた王冠は「声の王様・女王様」を意味している。

撮影:岩村美佳

文/ローチケ演劇部