“今月の”優先順位高めです【2025年1月号】

2025.01.01

新年あけましておめでとうございます。今年も変わらず、みなさんの観劇の参考になれますよう、このコンテンツも頑張っていきたいと思います。それでは、いい観劇始めができますようにの想いを込めて、2025年1発目の「優先順位高めです」です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

俳優・佐久間麻由の優先順位高め!

2025年ですね!今年は【乙巳】。どれどれ今年は…、「多くの人にとって成長と結実の時期となる可能性が高く、これまでの努力や準備が実を結び始める年」とのことで、とっても楽しみな1年になりそうです!皆さんが望む未来の日々の中で過ごせますように…。さあさ、2025年1回目の優先順位高め、書き連ねます!

▶︎KERA CROSS『消失』
KERA CROSSの第六弾!作:ケラリーノ・サンドロヴィッチさん×演出:河原雅彦。そして、出演者に藤井隆さん、入野自由さん、岡本圭人さん、坪倉由幸さん、佐藤仁美さん、猫背椿さん、、、私の辞書に「不観劇」という文字はないです。たのしみですっ!

▶︎1999会『解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話』
団体のプロフィールを読んでから、とっても気になっておりました。【1999年代生まれの人たちの集まりです。2020年3月に旗揚げしました。一人一人が可能な限り対等な関係性の中でぶつかり合うことによって、誰の思い通りでもない、想像の外にある演劇を作ることを志しています】、私もそうあったらいいなと思っているのになかなか難しいなと感じる日々です。楽しみにしてます!

▶︎た組「ドードーが落下する」
2022年に初演し、第67回岸田國士戯曲賞を受賞した作品の改訂版。作品の素晴らしさはもちろんのこと、授賞式の加藤さんのスピーチは今も忘れられないですし、先日の情熱大陸で垣間見れた加藤さんの人となりも素敵でした。メインビジュアルもティザーも素敵です…!楽しみです!

▶︎ONEOR8『誕生の日』
『誕生の日』が面白い!と感想を耳にしていたので、情報解禁時からとっても気になっております!個人的には日程的にすでに観にいくのが難しそうで、、すでに観に行くよという知人から感想をシェアしていただくのを楽しみにしてます!(奇跡的に行けるといいけど…)

ほかにも、劇団papercraft第11回公演『昨日の月』劇団スポーツ『逆VUCAより愛をこめて』ヌトミック『何時までも果てしなく続く冒険』松井周×菅原直樹『終点 まさゆめ』も観に行きたいなリストに入れておりまして…。

そして、恐縮ながら(しかしこの公演に集まった皆さんが本当に素晴らしいので恐縮してる場合ではなく…)、私がやっております、読みづらい名前のついた企画ソロユニットの第2弾にもご注目いただけたら!爍綽と vol.2『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!』!作・演出に萩田頌豊与さんをお迎えして、東京にこにこちゃんの人気作を大胆リメイクです。人気作をリメイクするというなんともプレッシャーなことに踏み出し、少々の不安もあったのですが、好きな方々に集まっていただき、書き上がった脚本を読み、それを体現するキャストをお稽古で目の当たりにして、あの不安はどこへやら、です。望んだ未来がみちみちに詰まった公演になってます!そんな奇跡のような公演、観にきてもらえたらとっっってもうれしいです!

それでは、2025年もどうぞよろしくお願いいたします!
みなみなさまとあらゆる舞台作品に幸あれ!
宝物のような作品にたくさん出逢えることを願って…。

佐久間麻由
俳優・企画制作。劇団「スリーピルバーグス」所属。企画ソロユニット「爍綽と」主宰。次回出演作品→爍綽と vol.2『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!』作・演出:萩田頌豊与(東京にこにこちゃん)2025年1月29日(水)〜2月2日(日)@浅草九劇
X(旧:Twitter):@mamamayuuuu
Instagram:@mayusakuma221
公式サイト:https://www.lespros.co.jp/artists/mayu-sakuma/

脚本家/演出家・萩田頌豊与の優先順位高め!

明けましておめでとうございます。
2025年になりましたね。2025年は皆さんどんな年になりますかね?
いい一年でありますようにそう思ってるんじゃないですかね?僕もそう思います。
では新年一発目のローソンチケット演劇部活動報告を致します。以下おすすめ

爍綽と『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!』
今年の観劇初めと言いたいのですが、少し遅いし何ならほぼ2月なので、そんな贅沢は言いません。今年の観劇2、3回目に是非。
今回僕の作品の中でも、物理的に高さが必要なお話で、前回は自分の納得のいく高さではなく、今回佐久間さんに高さを出してもらえると言われ、この作品で迎え撃ちます。ロミジュリがベースですが、叶わなかった悲しい恋愛ということだけわかってれば、後はこっちでどうにかします。
手を繋ぐまでの物語再び。是非に。
今年もハッピーエンドにてお待ちしてます。

1999会『解体されゆくアントニン・レーモンド建築 旧体育館の話』
1月の僕の作品にも出てくださる、土本さんがこの作品にも出演するので、稽古場で「どんな話なんですか?」って尋ねたんですが、何て言ったか、忘れちゃって、一言だけだったので聞けばいいんですが今4時51分で、原稿締め切り過ぎてるから朝9時には出さなきゃで、本当に思い出せないのですが、なんか一言でこの作品はこうだ!って表していたんですよね。すごい美しい言葉だったんですが、忘れてしまいました。ごめんなさい。
土本さんは本当にすごい役者さんで、彼女は絶対に売れます。そんな彼女が出てる作品なんだから素晴らしいに決まってる。
よし!やー!

べろべろガンキュウ女『道元坂PINKVIBE』
フライヤーのあらすじには結構ディープな内容が書かれています。ドキドキします。何かを刺激してくれる予感がビシビシと伝わります。
盟友排気口佐藤暉、安藤安按出演。是非に。

アガリスクエンターテイメント『二十歳の集い』
1月2日から、演劇初めはアガリスクでしょう!いよいよ20周年のアガリスクの1弾目といった感じでマイドそうかこっから盛り上がっていく一番最初皆さん観にいきましょう!
20周年改めておめでとうございます。

優しい劇団『優しい劇団の大恋愛Volume7妄想特急王子エクスプレス2025〜もう会えない君に会える線!〜
良いタイトル。銀杏BOYZ的な泥臭さと美しさが詰まってる。めちゃくちゃ俺の誕生日なのでそこも一緒に楽しんでください。

以上!よーし!今年も皆!演劇とか漫画とか!そう言うの読んで!辛いことの方が多くても少しでも皆様のストレス軽減剤になれますように!そう願ってるのは本当です!
今年も!よろしくお願いします!
やー!

萩田頌豊与
脚本家。演出家。
日本で最もチケットの取れる劇団『東京にこにこちゃん』主宰。
1991年1月4日生まれ。
身長193cm
体重110kg
X(旧:Twitter):@CollinesBar
公式HP:東京にこにこちゃん 公式サイト

俳優・田代明の優先順位高め!

あけましておめでとうございます!!
今年もみなさまの観劇が素敵なものとなりますように!!

体験型ミュージカル『ホンジツ島のマジックアワー』
主催の一茶企画・高橋伊久麿さんのsns等を見ると稽古の様子などみれるので、ぜひご覧になってください!とても素敵な楽曲達をのぞき見できます!
体験型ミュージカルという事で、なにやら席によってはセリフも言えちゃうお席もあるみたいです!!
公式HPに色々掲載されてるので、みなさんぜひご覧ください、注目です!

た組『ドードーが落下する』
2022年の初演時に第67回岸田國士戯曲賞を受賞した今作。今回改良版での上演です。
脚本・演出の加藤拓也さん、11月に情熱大陸に出演した事でも話題になりました。
他人の人生を覗き見しているような感覚になるた組の作品、初演では2人の役の視点から描かれていたストーリーを主人公夏目の世界をより膨らました形での再演となるそう。
インタビューに際して、加藤さんは「思っているより暗くない話なので、気負わず観に来ていただけたらと思っています」と語っております、みなさん気軽に観にいってみましょう。

ミュージカル『ケイン&アベル』
世界初演!ベストセラー小説を原作としたオリジナルミュージカルが生まれます。
作曲は、数多くのミュージカル作品を生み出してきたフランク・ワイルドホーンが務めます。個人的には、『&Juliet』も担当していたジェニファー・ウェーバーの振り付けもとっても気になります。
公式サイトでは、原作のジェフリー・アーチャー氏や、各クリエイターのメッセージも掲載しております。ますます初日が楽しみになること間違いなしなので、ぜひチェックしてみて下さい!

2025年、みなさんはどんな舞台で今年をスタートさせますか??

田代明
北海道札幌市出身。東京藝術大学声楽科卒業。3月18日(火)〜3月30日(日) ミュージカル『TARRYTOWN』、4月16日(水)〜4月21日(月) ミュージカル『ツミとバツ』出演予定。
X(旧:Twitter):@akkarindays
公式Instagram:@akkarindays

脚本家/演出家・海路の優先順位高め!

海路です。みろって読みます。
新年明けましておめでとうございます。元旦は、お餅を喉に詰まらせないようにお気をつけ下さい。
てなてなことで、1月の優先順位高めな作品はこちら!!

劇団papercraft第11回公演『昨日の月』
ど頭からにはなりますが、告知の方を失礼させて頂きます!
自分が主宰で作・演出を務める、劇団papercraftの新作本公演を1月16日(木)より彩の国さいたま芸術劇場小ホールにて上演致します。今回は「昨日か明日を売る高校生」を描いた話でして、皆様にあの頃を思い出しながら観て頂けたらと思ってます!主演が名村辰さんで、福田麻由子さん、高橋健介さん、井上向日葵さんなどなど、魅力的な方々が名を連ねてます。劇場もU字型でまた独特な空間になってるので、舞台美術もお楽しみに!

た組『ドードーが落下する』
第67回岸田國士戯曲賞を受賞した本作を、今回改訂版として再演する劇団公演。初演を観ているのですが、なんとまあ。加藤拓也さんの作品に共通していることではあると思っているのですが、なんとまあよく人間のそんなところを切り取れるな、と同じ書き手として思います。圧倒的なリアリズムの中に、小さな綻びが生まれて崩れていくあの感じ、是非体験して欲しいです。そして今回改訂版とのことで、その初演とまた台本を大幅に書き換えているらしく、ほぼ初演、なんてコメントもあったので、一度観ている方もまた新たに楽しめるものになっているのでは!と思います。とても楽しみです!

爍綽と vol.2『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!
佐久間麻由さんプロデュースのソロユニットである爍綽と。劇団アンパサンドの安藤さんと組んだ前回公演『デンジャラス・ドア』がとんでもなく面白かったのですが、今回は東京にこにこちゃんの萩田さんと組んで、東京にこにこちゃんで上演された本作をリメイクして行われるとのこと。劇団アンパサンドからの東京にこにこちゃんのリレーという、今小劇場界隈で熱い2団体と組む佐久間さんのプロデュース力、恐れ入ります。キャストにはそんな佐久間さんをはじめ、にこにこちゃんお馴染みのメンバーや、ブルー&スカイさん、清水みさとさんなど、面白いに決まってる!是非!

海路
脚本家。演出家。監督。
劇団papercraft主宰。アミューズ所属。『檸檬』にて第29回劇作家協会新人戯曲賞を受賞。
1999年7月20日生まれ。
X(旧:Twitter):@nonde_miro

脚本家/演出家/俳優・滑川喬樹の優先順位高め!

この連載を任せていただいてから毎月舞台を検索するようになりましたが2024年も本当にたくさんの演劇が作られ発表されました。その当たり前の事実にシンプルに驚いてると同時に面白そうだなって思いながら観に行けなかった舞台が何本あったことか。それでも新しいおもしろに出会えた瞬間もたくさんありました。2025年も思いもよらないような出会いがあることを願いつつ年初めの優先順位です。

ASH&D PRESENTS LIVE『東京コントメンR』
ASH&Dが行うライブが座高円寺であります。ザ・ギース、ラブレターズ、阿佐ヶ谷姉妹という個性派コント師のコントが一度に観れる贅沢なライブ。一度共演させていただいた破壊ありがとうも名前を連ねていて優先順位だいぶ高めです。絶対面白い並びです。

オフィス3○○『鯨よ!私の手に乗れ』『りぼん』
渡辺えりさん作演出の舞台。コロナ禍で中止になった「鯨よ!私の手に乗れ」と「りぼん」を本多劇場で行います。「二作とも男性社会の中で圧し潰されてきた女性の生き方をテーマにした作品」とのこと。70歳になっても精力的に活動を続ける渡辺えり氏が今訴えたいこととはなんなのか観て確かめてきます。

ヌトミック『何時までも果てしなく続く冒険』
不勉強でまだ拝見したことないのですが主宰の額田さんという方がやっている「東京塩麹」と言うバンドですっかりその音楽のファンになってしまいました。演劇とは別のジャンルの要素を持ち込んでくる方って面白い人が多い気がしてますがこちらもとても楽しみです。全編生演奏での上演とのこと。

優しい劇団の大恋愛『妄想特急王子エクスプレス2025〜もう会えない君に会える線!〜』
1年半くらい前からSNSで名前を見るようになったかと思ったら、あれよあれよと東京で名前を轟かせている名古屋の劇団。こちらもまだ拝見したことないのですが河川敷で無料の公演をしたりととてもユニークな活動をしていて興味津々の団体さん。今とても観てみたい団体さんのひとつ。

pityman『おもいだすまでまっていて』
少し前から気になっている団体さん。こちらもまだ拝見したことがないのですが、推しの役者さんが出演されていて観に行きたいなと思っています。私は会話劇を書くのが苦手なので質の高い会話劇をもっとたくさん観て勉強したいなと思っており、優先順位高めです。

新しい一年をどんな年にしようか考えてる時が一番楽しいかもしれないって最近気がつきました。考え始めるのにはちょっと遅い気もしますが。皆様の2025年も健康で楽しい一年になりますように。

滑川喬樹
脚本家・演出家・役者。
エトエ主宰。
X(旧:Twitter):@nametakaki
エトエ公式HP:https://etoe.amebaownd.com/

脚本家・演出家・俳優・野田慈伸の優先順位高め!

2025年7月の予言の事はみなさんご存じでしょうか?
2025年7月に大災害もしくは大隕石が来るという予言です。
地球もしくは日本が壊滅するんじゃないかと巷ではまことしやかに囁かれています。
怖ろしいです。
絶滅する前にあのお芝居見ておけばよかった…とならないよう、ちょっとでも気になったら見に行こうと思ってます。それでなくとも急にやらなくなった劇団や、小劇場に出なくなった俳優さんが知り合いに増えてきた昨今、見れなくなる前に見ておかないと。
新年から世知辛い話で恐縮です。

そういえば2025年7月に桃尻犬の新作公演が浅草九劇で上演予定です。
それまではどうにか日本には絶滅は待ってもらって新作公演やりたいと思ってますのでお心にとめておいていただければ幸いです。
2025年も楽しく生き延びましょう。僕が書くのは今月でおしまいです。
ありがとうございました。

●劇団ドラマティックゆうや『短編傑作選』
未見の団体ですが、最近名前をよく聞いて気になっていた団体。
情けなくも一生懸命生きる男の姿をどうしようもねえなぁ、と笑ってみる演劇と聞いてとてもシンパシーを感じます。劇団名もとても素敵。かっこいい。
短編傑作集、とのことなので未見の団体を見るにはうってつけじゃないでしょうか。
見に行きたいです。

果てとチーク『きみはともだち』
こちらもまだ未見の団体です。
見てないので何とも言えないのですが、おそらく上質な演劇。
上質と言っても色々ありますが、チラシやあらすじの雰囲気から察するに、日常に纏わる些細な事件や感情の機微を丁寧に扱い、身近な感情を扱う事によって観客に親近感を与え感情移入をさせ、ささやかだけど大切だと思えるような感情の動きを観客にしてもらえる事を目指すような演劇でしょうか。全然違っていたらすみません。
でもそういう、自分が思っている演劇かどうか答え合わせをしに行くのも観劇の醍醐味な気がします。合ってたら嬉しいし、全然違っていても驚きがあって嬉しい。
未見の団体を見に行くときのドキドキが僕は大好きです。

劇団スポーツ『逆VUCAより愛をこめて』
合う、合わないは別として、自分より年齢が下の人たちの感性も知っておきたい。
以前劇団スポーツを見た時は知らない、こんな世界。と感じました。
それがとても貴重な経験だったと思います。
また新しい世界を教えてほしい。楽しみです。

テアトロコントvol.72
こちら桃尻犬として出させていただきます!
新作30分のコントよりの短編演劇。絶対笑ってもらえるようにしますのでよければ。
芸人さんのコントもいっぱい見れてお得です!
あと、●サンプル松井周さんの松井周×菅原直樹『終点 まさゆめ』、●pityman『おもいだすまでまっていて』、●ヌトミック『何時までも果てしなく続く冒険』、●爍綽と vol.2『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!なども気になるところです。

面白そうな演劇はホントに毎月いっぱいやってるんだな、とこの連載をさせてもらえて改めて気づきました。全部見れたらいいんですけどね。
半年間ありがとうございました。

野田慈伸
脚本家、演出家、俳優。演劇団体『桃尻犬』主宰。
映像作品の脚本やお笑い芸人へのコント演出などいろいろ活動中。
X(旧:Twitter):@naraduke7

ライター・岩村美佳の優先順位高め!

新年明けましておめでとうございます!2025年はミュージカルが盛り沢山の年。優先順位が大切になってきますね。

年明けに早々の観劇予定は『マチュー・ガニオスペシャル・ガラ ニューイヤーコンサート』です。パリ・オペラ座バレエ団エトワールのマチュー・ガニオさんがその座を退く直前の、バレエファンの皆様にとって大切な公演だと思います。この公演に、元宝塚歌劇団花組トップスター柚香光さんが出演され、新作のデュエットを披露されるとのこと。柚香さんは宝塚退団後世界に羽ばたかれるのではと期待していたら、あっという間に現実となりました。運良くチケットを手にできたので、新年の観劇はじめに訪れようと思います。

そして、新年早々に誕生するのが、世界初演ミュージカル『ケイン&アベル』
イギリスの国民的作家ジェフリー・アーチャーのベストセラー同名小説を原作とした新作で、おなじみフランク・ワイルドホーンが全編を作曲。世界のクリエイター陣による日本発のミュージカルです。ケインを演じる松下洸平さんは7年ぶりのグランドミュージカル出演。松下洸平さんのミュージカルを久しぶりに拝見できるのがとても嬉しいです。アベルを演じるのは松下優也さん。昨年から今年にかけて、様々なミュージカルへの出演が続いていて、ノリに乗っていますよね。ふたりの“松下”さんが火花を散らす舞台に期待しています。

さらには、日本初演となるミュージカル「SIX」が開幕します。
英国史上最も有名な暴君ヘンリー8世の元妻たち6人が、「誰がいちばん悲惨な目にあったのか」を競うために歌い明かすという、エレルギッシュで強烈なミュージカル。来日版、日本キャスト版と続けての上演となりますが、どちらもとっても楽しみです。

加えて、3度目の日本上演となるミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』
も見逃せません。主要な4役はトリブルキャスト、ダブルキャストで、どの組み合わせで観ようかと四苦八苦。韓国発のミュージカル『ワイルド・グレイ』は小劇場ならではの濃密さを堪能できそう。これらの作品に加えて、『レ・ミゼラブル』も上演中。ミュージカル界の様々な層が厚くなってきていることを、実感する年明けになりそうです。

岩村美佳
ライター。フォトグラファー・ライター。初観劇は小学生の時に観た宝塚。ミュージカルを中心に色々と観劇しています。配信観劇も存分に楽しめるようになりました。超絶猫好き。
X(旧:Twitter):@nyanyaseri

ライター・釣木文恵の優先順位高め!

また新たな1年がやってきますね!変わらずお笑いや演劇を観に劇場へ通おうと思っております。2025年も本欄ではお笑いを中心にご紹介します。ちなみに私は、M-1グランプリ2024決勝当日も、ライブビューイングを観に劇場へ行く予定です。

キングオブコントLIVE2024
毎年、年明けから「M-1グランプリツアー」というライブが全国で開催されます。準決勝以上のメンバーが数組ずつ出演するものです。キングオブコントにもそんなライブがあってもいいじゃないか!というのが今回おそらく初となる試みの『キングオブコントLIVE2024』。こちらは決勝進出者10組全員を一度に観られるかなり豪華なライブ。最終決戦に進めなかったコンビやトリオの「幻の2本目」が観られたりするのかもしれません。「一夜限りのユニットコント」もあるとか。定着するといいなと思います。

R-1グランプリ2025準々決勝
ある芸人さんが教えてくれたことがあります。「準々決勝がいちばん面白いライブだ」と。一般的に賞レースは決勝だけが注目されますが、お笑いを愛する者にとっては決勝はウイニングラン。準決勝こそが最大の決戦の場であり、準決勝で各大会の意思に沿ったメンバーに絞られる前の準々決勝こそが、そこまで勝ち抜いてきた実力を伴った、幅広い面白さに溢れた豊かなライブであると。R-1グランプリはピンネタを競う大会です。M-1やキングオブコントなどと比べ、「人といっしょに何かをやる」ことができなくてもエントリーできる1回戦は本当に有象無象の方々が次々現れます。これもこれでまた別の面白さがあるのですが、やはり多くの方におすすめできるのはこの準々決勝です。

1月の頭といえば、ここ数年で急激に吉本の恒例ライブとなった「no寄席」です。各芸人が主催する形で寄席を開催するものです。例年、即席の架空コンビが大量に登場する「ケビンスno寄席2025」には、架空といえば!のななまがり、、幾多のモノマネレパートリーを持つJPさんらが初参加。かが屋の毎年恒例「かが屋の新春ネタ初め十日間興行『巳』」は完売ですが、配信があるといいなあと思っています。人間横丁の内田紅多さんが演劇初挑戦!の爍綽とvol.2『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!も楽しみです。

釣木文恵
演劇を中心にインタビュー記事などを執筆。最近はお笑い関連の仕事も増えてきました。
X(旧:Twitter):@troookie

ライター・井ノ口裕子の優先順位高め!

謹賀新年!2025年も舞台を楽しみましょう♪
今月は、見逃せない作品が目白押しです。

まずは、新年にピッタリな華やかなミュージカル3作品。

ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』
ミュージカル界の“生ける伝説”アンドリュー・ロイド=ウェバーが、自身最大のヒット作『オペラ座の怪人』の後日譚として生み出した名作ミュージカル。再再演の今作でファントムを演じるのは、市村正親さん、石丸寛二さん、橋本さとしさん。ヒロインのクリスティーヌ役は、平原綾香さん、笹本玲奈さん、真彩希帆さんが演じます。圧倒的な歌、絢爛豪華な舞台セット、濃いストーリー。一度は観るべきミュージカルです。

ミュージカル『ケイン&アベル』
松下洸平さんと松下優也さんのW主演で注目のオリジナルミュージカル。イギリスの国民的作家ジェフリー・アーチャーのベストセラー小説『ケイン&アベル』を原作とした、世界初演のオリジナル・ミュージカルです。20世紀初頭のボストンの名家に生まれたウィリアム・ケイン(松下洸平)と、同じ日にポーランドの山奥で生まれ貧困と劣悪な環境で育ったアベル・ロスノフツ。宿命の二人が夢を掴むため火花を散らすドラマティックな作品。『ジキル&ハイド』はじめ多くのミュージカルを手掛けるフランク・ワイルドホーンの音楽も楽しみです。

ミュージカル『ワイルド・グレイ』
韓国発の衝撃作が日本初上演。19世紀末のロンドンを舞台に、『ドリアン・グレイの肖像』の作者オスカー・ワイルド、その友人で支援者のロバート・ロス、ドリアン・グレイにそっくりな青年貴族アルフレッド・ダグラス、実在の3人をモデルに芸術と愛をもとめた男たちの物語を三人芝居で観せる。ピアノ・チェロ。バイオリンの生演奏による美しく情熱的な歌も見どころです。メンバー固定の2チームでの上演なので、見比べてみる楽しさもあり!

舞台タメ劇vol.1『タイムカプセル Bye Bye Days』
2.5次元舞台を牽引してきた、“タメ”=同い年の2人、荒牧慶彦さんが企画・プロデュース、植田圭輔さんが演出する舞台。主演の赤澤燈さんをはじめ、出演するキャストも全員が同い年の35歳という“タメ”にこだわった作品。荒牧さんと植田さんももちろん出演します。友情を取り戻すためにタイムリープしまくるドタバタハートフルコメディ。

2025年、最初のおススメ2.5次元作品はこの2本です。

演劇『ライチ☆光クラブ』2025
古屋兎丸原作の漫画『ライチ☆光クラブ』、4度目の舞台化作品。工場の黒い煙に包まれた町「蛍光街」が舞台。その片隅の廃工場に集う少年たちは「光クラブ」と名乗り、崇高な目的の為に“ライチ”という完備なる機械(マシン)を作り上げる。シュールな世界観に引き込まれてください。

演劇調異譚「xxxHOLiC」-續・再-
原作はシリーズ累計発行部数1450万部を突破した大ヒット漫画。劇場版&TVアニメーション、実写ドラマ化もされた人気作の舞台化作品。壱原侑子役は太田基裕さんが艶やかに演じ、四月一日君尋役は阪本奨悟さんが演じます。人気2.5次元俳優たちが『xxxHOLiC』の世界を再現します。

井ノ口裕子
ライター。観劇の入口は中学生のときの宝塚。それから観劇は一番の趣味です。小劇場からグランドミュージカルまで、ジャンルは問わず面白そうと思ったら何でも観ます。

批評家・山﨑健太の優先順位高め!

クィアな作品3本を優先順位高めに挙げて締め括った2024年。年末には石破首相の同性婚の法制化が日本全体の幸福度の向上につながるものであるという発言がありましたが、だったらさっさと法制化してもらいたいものです。2025年が少しはマシな世界になりますように。

というわけで2025年1本目の優先順位高めは稲葉賀恵-川華 ポウジュvol.1『オレアナ』『リタの教育』二作同時上演。​演出家の稲葉賀恵と翻訳家の一川華が「『翻訳』という営みを探求する遊び場」としてスタートしたポウジュ。​その第一弾となる公演は男性​教授とその教え子の対話を描いた(男性劇作家の手による)戯曲の新訳二作同時上演というユニークな企画だ。戯曲の舞台はそれぞれ70年代と90年代だが、演劇界を含めた日本社会の様々なニュースを見れば残念ながらこれらの作品が未だに/今こそ見るべき作品であると言わざるを得ないことは明らかだろう。

2本目は果てとチーク『きみはともだち』。2023年に初演され第29回劇作家協会新人戯曲賞最終候補作となった『はやくぜんぶおわってしまえ』で「女子高生」たちが直面させられる地獄を描いた果てとチークが続編となる本作で描くのはそれから10年後の登場人物たちの姿。前作の舞台が現在からおよそ10年前に設定されていたことを考えればこれは現在を描くという宣言でもあるはずだ。舞台は結婚式後の二次会とのことだが、『はやくぜんぶおわってしまえ』の登場人物の何人かのようにクィアな人々にとって、結婚式はしばしばヘテロノーマティブ=異性愛規範的なライフコースから疎外された自らの状況を改めて突きつけられる場となり得るものだ。そこにある生き方の違いを乗り越えてなお「私たち」はどのように関係を築いていけるのか。そんなことを問う作品になるのではないだろうか。

3本目は和田企画『スティルヒア』。青年団に所属する俳優として趣向や明日のアーなど様々なタイプの演劇に出演しつつ、「俳優・劇作家・演出家・制作者に向けたLGBTQ勉強会」を通して演劇や映像の現場における就労環境の向上にも尽力してきた俳優・和田華子。その個人企画の第一弾は屋根裏ハイツの中村大地が作・演出を担当し、和田と大石将弘が出演する二人芝居となる。「何でトランスの移行前と移行後って同じ俳優で演じられる事が多いんだろう。演技力の見せ所的な、観客の観たさ・俳優の演じ“たさ”の問題なのだろうか、どうだろう」。そんな和田の問いからスタートしたこの作品は、カフェでの何気ない会話を演じることを通して「例えばこういう形はどうだろう、っていう提案」をするものになるという。問題の多いトランスジェンダー表象がはびこる現状(たとえばNetflix『トランスジェンダーとハリウッド:過去、現在、そして』などを参照)に一石を投じる重要な作品になるはずだ。

山﨑健太
批評家・ドラマトゥルク。演出家・俳優の橋本清とともにy/nとして舞台作品も発表しています。
X(旧:Twitter):@yamakenta

ライター・河野桃子の優先順位高め!

た組『ドードーが落下する』
2022年初演し、第67回岸田國士戯曲賞を受賞した作品の改訂版。戯曲も出版されたので、観劇はしていないけど読んだ人も多いのじゃないかなと思います。その戯曲の表紙に書かれたコピー、心のバランスを崩した友人に寄り添う若者たちの青春失踪劇「なんか、くるおしい」。たしかに、くるおしい。統合失調症の症状はわかられにくいと言われることがあります。当事者も、周りの人も。友人も、家族も。その疾走感や切実さに焦がされながら、熱されたアスファルトの坂道を疾走しているような気持ちになりました。とてもくるおしくて、くるしくて、いとしくなる。

ブルーエゴナク『変身』
フランツ・カフカの小説による、朝起きたら虫になっていた男の話はさまざまな演劇になってきましたが、今回はどんな舞台になるのか。演出の穴迫さんによると「誰しもが決して他人事ではない「異質なものへの怯え」を描きます」とのことですが、親しい人の突然の変化、恐ろしい外見、そして、コミュニケーションがとれない畏れ……こういったことは、姿形が同じ人間でも起こります。目の前の人がまるで知らないなにかのように見えた瞬間は、ひゅっと暗闇に吸い込まれるような怖さです。そのときは、相手を虫だと思わないと、立っていられないのかもしれません…。

そのほか、わかりあえないけどそれでも他人にはならない、ともだちとは?……果てとチーク『きみはともだち』

台詞、歌、音、声、空間、時間が織り重なっていく……ヌトミック『何時までも果てしなく続く冒険』

団地がわたしで、わたしが団地で……?団地にて滞在製作した私道かぴ 演劇版『団地のこえ』

これらも気になるところ。

河野桃子
ライター。翻訳戯曲と小劇場を中心に、ミュージカルやコンテンポラリーダンスなど「舞台」と名がつくものはなんでも観に行きます!
X(旧:Twitter):@momo_com

ローチケ演劇部_白の優先順位高め!

2025年明けましたね。本年もどうぞよろしくお願いいたします。最近このコンテンツを「よく見てます!」なんて言われることが増えてきて嬉しい限りです。今年も頑張って参ります。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは2025年一発目の優先順位高めな公演をご紹介いたします。

まずは絶対欠かせません、爍綽と vol.2『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!。この「優先順位高めです」にも寄稿いただいています佐久間さんのソロユニット爍綽と の第2弾公演。作・演出に同じく「優先順位高めです」に寄稿いただいています、萩田頌豊与さんを迎え、東京にこにこちゃん2022年に上演した名作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!』をリメイクです。この作品ね、めちゃくちゃいいんですよ。途中ずっと笑っているのに最後泣いてるんです。頌豊与作品は、人物が丁寧に描かれているから、登場人物それぞれに感情移入できるんですよね。終わり方も最高で、前回は終わって暗転した瞬間に「うわっ、好き!」って思いました。そんな『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!』が、新たな形で素敵なキャストでまた観られる!こんな幸せな年始がありますでしょうか?

そして、た組『ドードーが落下する』も観ないといけません。第67回岸田國士戯曲賞も受賞した本作ですが、こちらも初演からガラリと変わる様子。加藤拓也さんの描く世界は、心臓がギュっとなるような物語ですが、こちらも必見です。

ほか、KERA CROSS『消失』劇団スポーツ『逆VUCAより愛をこめて』なども。
今年1年も皆様の観劇ライフが充実しますように。