
2月になりました。年が明けたと思ったらあっという間に1ヶ月経ってしまいましたね。きっとすぐに3月です。なぜなら2月は少し短いですから。寒さも厳しい中ですが、劇場の熱量で身も心もホットにいきましょう!というわけで、今月の「優先順位高めです」です。よろしくどうぞ。
俳優・東野良平の優先順位高め!
はじめまして!おひさしぶりです!
2年ぶりに”優先順位”に帰ってきました東野良平です。
劇団「地蔵中毒」(風邪ひいたときの結局忘れるキモい夢みたいな演劇をやる劇団)の役者です。
今月もオススメ作品が目白押し!それでは2月!いってみましょう!
●爍綽と vol.2『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!』
さっそく上演中の公演から!東野も出演してます!2月2日(日)まで!
俳優・佐久間麻由さんプロデュースの「爍綽と(しゃくしゃくと)」。第2弾となる今回は、東京にこにこちゃん主宰・萩田頌豊与を作演出に迎え代表作を全編リメイク。
“ロミオとジュリエットがもし死なずに家庭を持ち、朝ドラみたいな幸せな日々が続いたら…”という温かなキャッチフレーズの皮をかぶった、とんでもねえナンセンスギャグ演劇…!!
やはり最注目はブルー&スカイさんと吉増裕士さん!ナンセンスの境界線を変幻自在に往き来するおふたりの底知れない磁力…めちゃくちゃ笑ったあとに、なんでそんな芝居ができるの…?とゾッとするおもしろさ。
稽古期間中から目まぐるしくギャグが追加され、幾重にもギミックが搭載された本作は、まさに今絶好調の頌豊与節が炸裂するポップナンセンスの”新版”代表作となるでしょう。
これは、手を繋ぐまでの物語。名物”ハッピーエンドにて”お待ちしております。
●【配信】しりあがり寿presents新春!(有)さるハゲロックフェスティバル’25ーあなたとわたしの温泉郷ー
毎年正月恒例、今年も大盛況のうちに幕を閉じたサブカルチャー大新年会の配信版です!
配信期間は2月1日(土)〜2月28(金)のまるまる1ヶ月間!太っ腹!
オールナイトで繰り広げられた奇跡と混沌のライブ&トークショーを自宅でゆっくり楽しめます。
特に、松尾スズキさんによるオルタナティブ歌謡ショーは必見!猫のホテル・佐藤真弓さんとの妖しく怪しいデュオで歌いあげる、懐かしの温泉旅館CMソングっぽいナニカ…毒と笑い渦巻くステージング、松尾さんの狂気でキマッた笑顔、人間離れした身体リズムに新年早々痺れました!
また、昨年7月にご逝去された、さるフェスの”幻演師”であり少年王者舘主宰の天野天街さんを偲ぶ追悼の語らいも。
●はえぎわ25周年本公演『幸子というんだほんとはね』
こちらの公演にも東野が出演いたします!!
25周年を迎える劇団はえぎわ。初の本多劇場進出となる記念すべき公演に出演できるなんて本当に嬉しすぎる…
主宰・ノゾエ征爾さんの演出は、稽古場でまさにその瞬間に俳優の身体から発露したものを掬いあげるスタイルで、クリエーションという言葉がぴったりだと感じています。
ノゾエさんの師匠・松尾スズキさんがイラストを手がけたフライヤーもぜひ手にとってみてください。ノゾエさんのコメントが四半世紀演劇を創り続けるということ、それだけ経っても次の一歩へのワクワクを感じさせる文章で最高です。
顔合わせの日、稽古場入りしたときに、町田水城さん、鳥島明さん、山口航太さんが並んで座っていて(うおー!はえぎわだ!)と静かに興奮しました。同世代では劇団員を多数擁する団体は少ないので、現場でお世話になったり、客席で圧倒された先輩方が、ひとつの劇団の名のもとに揃うのはめちゃくちゃかっこいい!
稽古場の時点ですでに自慢したい瞬間がたくさんありますが、1ヶ月後には自分自身の芝居で自慢できるように、ひたすらに没頭しようと思います。
東野良平
俳優。劇団「地蔵中毒」所属。
★出演中→爍綽と vol.2『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!』1月29日(水)〜2月2日(日)@浅草九劇
★次回出演→はえぎわ25周年本公演『幸子というんだほんとはね』2月26日(水)〜3月2日(日)@本多劇場
X(旧:Twitter):@lycoris1210
俳優・田代明の優先順位高め!
みなさんこんにちは、田代明です!
2月って人生の中で思い出が少ない気がするのは私だけ…?
お正月が終わり、別れと始まりの季節が始まる、ちょっと前。そんな2月を、特別な月にする舞台作品達です、どうぞ。
パルコ・プロデュース2025 東京サンシャインボーイズ 復活公演『蒙古が襲来 Mongolia is coming』
東京サンシャインボーイズって何?という方も是非ティザー映像を観てください、役者さん1人1人のお顔はきっと見たことあります。そして何より、三谷幸喜さんを知らない方はいないかと思います。かくいう私もサンシャインボーイズ自体を観たことはありません、なんてったって私が生まれる前に劇団が「30年の充電期間」に入ってしまったからです。そして30年の時を経て、このように本当に公演を実現されるなんて!なんだかロマン!かっこいい!
そしてこの公演を終えた後はまた80年間の充電期間に入ると三谷幸喜さんがおっしゃった(らしい)ので、私のように2105年まで生きていられる自信のない方はぜひ観に行きましょう。
ミュージカル『SIX』日本キャスト版
世界中を熱狂の渦に巻き込んだミュージカル『SIX』。私も2年前にNYで観劇し、当初全くその存在を知らなかったのですが、ライブ仕立てのノリの良さと80分という疾走感に、終わった後もずっと「イェーイ!」とテンションが上がりっぱなしだったのを覚えています。
そして1月に来日版を終え、待望の日本キャスト版。英国王ヘンリー8世の6人の元妻達が各々の死因をひっさげ、現代に蘇ります。そしてロックでポップな楽曲に乗せて、誰がこのバンドのリードボーカル相応しいか、を歌で競い合います。
ミュージカルが好きな方、ライブで盛り上がるのが好きな方、そして強い女性が好きな方、そんな方々に刺さる作品。
サイモン・スティーヴンス ダブルビル『ポルノグラフィ PORNOGRAPHY/レイジ RAGE』
サイモン・スティーヴンスの戯曲のダブルビル上演(2つの作品を同時上演する事)という斬新な試み。
「ポルノグラフィ PORNOGRAPHY」は地下鉄・バス連続爆破テロ事件を題材に描かれた作品、「レイジ」はジョエル・グッドマン撮影の写真から構想を得た大晦日を舞台に繰り広げられる群像劇。様々な舞台でご活躍のキャストの皆様がこのダブルビル上演に挑まれます。
まったく違う二つの作品を休憩を挟んで観ることにより、また新たな発見があるかもしれません。
2月は考えたらバレンタインですね。甘いチョコレートに面白い舞台、あ、2月全然最高の月でした。
みなさんも365日、心を豊かに!
田代明
俳優・歌手
北海道札幌市出身。東京藝術大学声楽科卒業。
X(旧:Twitter):@akkarindays
公式Instagram:@akkarindays
俳優・佐久間麻由の優先順位高め!
1月が光の速さで過ぎ去ってしまい、2025年の12分の1が終わったことに、驚きを隠せておりません。皆さんにとってはどんな1月でしたか?2月のご予定にお迷いの方に届けよ想い、と、想いを込めて、2月の優先順位高めをお届けします。
はえぎわ25周年本公演『幸子というんだほんとはね』
25周年、誠におめでとうございます!はじめて「はえぎわ」を観たのが15年前でした。そのことを全くもって信じられないほど、その劇は今もはっきりと脳裏に焼きついてます。いつだって演劇は生で観るのが1番!と思わせてくれる「はえぎわ」の世界観が本多劇場でどう広がっていくのか、とてもとても楽しみです!チラシもタイトル最高ですが、何よりノゾエさんによる挨拶文がたまらなく好きです!もう一度言いたい、とてもとても楽しみです!
テアトロコントspecial/THE ROB CARLTON’S「ENKYOKU」
ずっとずっとずっと観たかった、THE ROB CARLTON。やっとやっと観れるぞと思ったら、またもや行けなさそうな公演日程…。2日間しかやらないなんて……。悲しいです。もうファンの方も沢山いると思いますが、まだ未見の方はぜひ!ごめんなさい。観てないけど、おすすめしちゃいます!だってとても観たいのだから!
KAAT×新ロイヤル大衆舎 vol.2『花と龍』
作品が面白そうなのはもちろんのこと、なんと開場前に舞台上に屋台が出て、そこで食べたり飲んだりできて、一部の席では自分の席でも飲食していいという……!なんてわくわくする素敵な企画なのでしょう。出店するお店はKAAT(神奈川・KAAT神奈川芸術劇場)の近くのお店とのことで、そんなところも素敵です。そして、鑑賞サポートとリラックスパフォーマンスを取り入れた「やさしい鑑賞回」の実施もあります。<様々な事情で劇場での観劇が難しい方や、観劇に不安のある方が安心して楽しむ機会を持っていただくために設けた特別な回です。この回では、以下の通り通常回とは少し異なる環境で作品を上演いたしますが、脚本やキャストに変更はございません>とのこと。きっと演劇をもっと多くの方に安心して楽しんでもらいたいという想いからのもの。すばらしすぎます。とてもとても楽しみです!
タンツマインツ『PROMISE』
ごめんなさい…。なんの情報も知見も無いのです。ダンス公演もあまり観にいかないほど。でも踊り舞うみなさんのビジュアルから面白そう!とわくわくしたので(トレーラーでも少し様子が覗けますよ!)、おすすめさせていただきたいです。わくわくを信じて…。同じようにわくわくした方はぜひ。ぜひ。
そして!1月も触れておきながら大変恐縮ですが、企画・プロデュースしております、爍綽と vol.2『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!』が2月2日(日)までやってます!手前味噌ながらとってもとってもおすすめです!魅力個性あふれ爆発の俳優さんたちが萩田さんの戯曲の中で愉快に暴れ舞ってます。ぜひ!ぜひ!!
それでは、まだまだ寒さ厳しい2月ですが、鬼は外して福は内して、立春にバレンタインに、何より素敵な観劇ライフを過ごせますように!
佐久間麻由
俳優・企画制作。劇団「スリーピルバーグス」所属。企画ソロユニット「爍綽と」主宰。
次回出演作品→爍綽と vol.2『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!』作・演出:萩田頌豊与(東京にこにこちゃん)@浅草九劇
X(旧:Twitter):@mamamayuuuu
Instagram:@mayusakuma221
公式サイト:https://www.lespros.co.jp/artists/mayu-sakuma/
脚本家/演出家/俳優・滑川喬樹の優先順位高め!
1月が終わりましたね。2月も何週間も経てば終わります。そしたら3月でじきに4月です。春です。春が来たらなんだかんだすぐ夏で、夏なんか暑くて外に出れないので体感的にはすぐ秋でしょう。秋はもう冬です。そしたら年末です。1年が終わりました。はやいですね。そういうことなのでやれそうなことは今やっておかないとと思った1月でした。では2月の優先順位です。
爍綽と vol.2『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!』
しっかり売れてしまったみたいなアフタートークの面子でしたね。私は初日に観に行きますのでこれが出た頃には観終わっています。ブルー&スカイさんも出るし。楽しみにしています。
Nanori『Woodman』
『「劇場芸術としてのコント」の可能性を探り創作する』(HPからの引用)とのこと。私も普段コントを作っている身として大変興味深いです。どこか定型化されてしまったコントが量産されている昨今(私もその中の一人なのですが)、新しいものを見せてくれそうで楽しみにしています。役者さんたちも魅力的な方ばかりで期待大です。
劇団スポーツ#12『逆VUCAより愛をこめて』
不勉強ながら拝見したことはないのですが知人や周りの評判の良さを耳にして観てみたいなと思っていました。こちらもコメディの可能性に挑戦している団体さんとのこと。よって優先順位高めです。
ラブレターズ 単独ライブ2025『40』
溜口さん、塚本さんお二人とも40歳になられたということで、それできっと「40」なのでしょう。言わずと知れたキングオブコント王者の単独ライブ。彼らの演劇的なコントは普段コントを見ない方でもきっと楽しめると思います。溜口さんは役者としても抜群に面白いのでそれだけでも見る価値ありでしょう。
はえぎわ25周年本公演『幸子というんだほんとはね』
25周年という節目の公演らしく、私は2回くらいしか観たことはないのですが「はえぎわ渾身の‘嘆きの喜劇’」(HPから引用)を観に行きたいと思います。初めての本多劇場らしいですが、そうなんですね。大人気劇団の印象だったので意外というかなんというか。面白いので観たほうがいいと思います。公演チラシのイラストは松尾スズキ作みたいです。
1月は体調不良者が本当に多かった。そんな中でもしっかり公演を打ち最後まで駆け抜けてる劇団関係者の皆様に頭が下がります。お疲れ様です。1月も楽しい演劇をありがとうございました。
滑川喬樹
脚本家・演出家・役者。
自称武蔵野市代表コントユニット「エトエ」主宰。
X(旧:Twitter):@nametakaki
エトエ公式サイト:https://etoe.amebaownd.com/
脚本家/演出家・海路の優先順位高め!
海路です。みろって読みます。
最近、周囲で今年の冬は暖かいなんてことを言っている方が多々みられるのですが、個人的には全然寒いです。体感例年と変わらず寒いです。
てなてなことで、2月の優先順位高めな作品はこちら!!
○s**t kingz 舞台公演「See」
こちらシッキン新作舞台公演。ダンサーとしてトップを走るs**t kingz(シットキングス)さんですが、今回はそんな4人が作・演出・出演で「see」をテーマに創作するダンスエンターテイメント舞台とのこと。シッキンさんのこれまでもLIVEなどを観に行かせて頂いているのですが、その中でも小芝居みたいなのがちょこちょこいつも挟まっていて、それがめちゃくちゃ面白いんです。ダンスカッコいいってなった直後に愉快な家族の小芝居が挟まって、また踊って、みたいな。そんな舞台でのシッキン、新国で是非!
○KAAT神奈川芸術劇場プロデュース 音楽劇『愛と正義』
こちら『バナナの花は食べられる』で岸田國士戯曲賞を受賞した範宙遊泳の山本卓卓さん書き下ろしの音楽劇。山本さんは昨年の劇団公演『心の声など聞こえるか』を最後に、演出はせず書くことに専念すると発表されていて、今回演出を担当するのは、元・劇団子供鉅人の益山貴司さん。タイトルの通り「愛と正義」をテーマにヒーロー達を通して、現代の「争い」に向き合う新作公演とのことで、凄く楽しみです。キャストには一色洋平さんや入手杏奈さん、坂口涼太郎さんなどが名を連ねます!
○ゾノノキカク『Crash』
そんな山本さんと同年に『柔らかく搖れる』にて岸田國士戯曲賞を受賞した、ぱぷりかの福名理穂さんが作・演出を務めるこちらの公演。凄く個人的な話なのですが、枝元さんとアナン君が一緒にやってる!って知った時凄くテンションが上がりました。というのもお二人とは一昨年同じ作品でご一緒してて、おこがましいのですが、良い空気感で本当に素敵なお二人なのです。フライヤーの写真見ただけでほっこりしてしまいます。すみません私情で(笑)。
劇場もシアター711(東京)と好きな場所なので、こちらも凄く楽しみです!
その他にも、坂ノ上茜さんご出演の試験紙プロデュース『some day』など、注目公演目白押しです!是非!
海路
脚本家。演出家。監督。
劇団papercraft主宰。アミューズ所属。『檸檬』にて第29回劇作家協会新人戯曲賞を受賞。
1999年7月20日生まれ。
X(旧:Twitter):@nonde_miro
脚本家/演出家・萩田頌豊与の優先順位高め!
あけましておめでとうございます。
東京にこにこちゃんの萩田頌豊与です。
只今、舞台爍綽と vol.2『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!』の小屋入り中に書いております。明後日から本番です。
成功しますように。
そして今年が、皆様にとって幸せな日々でありますように。萩田頌豊与でした。
以下、おすすめの演劇
爍綽と vol.2『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!』
今作再演なんですが、ほぼ書き直しました。ですが前回お客様から笑いを頂けたとこは残してます。
前回ウケたとこも回収しながら、新しい作品にできたらと思います。
東京にこにこちゃん流ハッピーエンドロミジュリfeat.爍綽と、で宜しくお願いいたします。
ハッピーエンドにてお待ちしてます。
テアトロコントspecial/THE ROB CARLTON’S「ENKYOKU」
前回超面白くて、作演様と挨拶したいですと騒ぎました。
上品なコメディで、言葉の揺さぶり、日本語の本質を上手く利用しながら笑いを誘う技法。もし教えていただけるなら教えて欲しいです。今作も絶対面白いです。
はえぎわ25周年本公演『幸子というんだほんとはね』
はえぎわに本多劇場。
絶対に面白い先輩の作品。不思議だけど、進む物語と、予期しないタイミングで、気づいたら眼前に笑いがある感覚は、はえぎわでしか味わえない。本多劇場へGo。東野良平も出るよ。
立川志らく 独演会
言わずもがな、人は行くと思いますが。
生意気ながら紹介させていただきます。
絶対行ってください。三鷹へGO。
劇団スポーツ #12『逆VUCAより愛をこめて』
劇団スポーツ新作。
どんなに作品を重ねても落ちない精度。
とてつもない集中力で作ってるんだと分かります。これからも輝き続ける作品群をぜひ皆様も目撃せよ。
絶対に2月になります。
来月は3月。それだけは言える。そしたら必ず訪れる来月にまた。
だって来月は必ず訪れるのだから。
やー。
萩田頌豊与
脚本家。演出家。
日本で最もチケットの取れる劇団『東京にこにこちゃん』主宰。
1991年1月4日生まれ。
身長193cm
体重110kg
X(旧:Twitter):@CollinesBar
公式サイト:東京にこにこちゃん 公式サイト
ライター・釣木文恵の優先順位高め!
2月ですね。コートと荷物で膝の上が山になる時期が早く過ぎないかな、と思っています。
疑心暗鬼大喜利バトル 超滑狼in赤坂
今や多くの人が知るパーティーゲーム「人狼」をベースに、大喜利で戦うライブ「滑狼」。参加者全員が大喜利する中で、スタッフからあらかじめスベった答えを与えられた「滑狼」を探し出すというもの。これまで幾度となく開催されてきたライブで、神回がたびたび生まれている名企画です。滑狼をあぶり出す会議の過程で、芸人さん同士がそれぞれの面白さをどう評価しているのかが見えたり、相方同士であっても互いの面白さや回答の方向性を見誤ったり、もちろん「人狼」と同じように占い師や裏切り者などの役職が場を引っ掻き回したりと、観ているだけでかなり手に汗握ります。
全日本コントファンクラブ FREEDOM
有楽町よみうりホールで開催されるコントライブ。数年前から行われているこのライブ、過去には複数回にわたって行われる年もあったのですが、今年はどうやら1公演のみ、上演時間200分予定!キングオブコントファイナリストやら劇場を沸かせる人気者やら、とりあえず面白いコントをやる人たちを片っ端から集めたという顔ぶれです。コンビ、トリオ、8人組が並ぶ中に唯一のピンとして吉住さんがいるのもかっこいい。そして注目はこの3時間超えのライブを取り仕切るMCが「トンツカタン森本晋太郎&お抹茶」ということ。森本さんといえばこれまで、MCとしてあらゆるライブを成立させてきた剛腕ですが、そこに相方のお抹茶さんが?そしてトリオの二人がMCをやっている間、もう一人の相方、櫻田さんがどうしているかも気になります。
ほかに、スラッシュパイルの7日間連続興行、興味深い公演が並ぶ中でも、リクエストライブ「このどぶろっくがすごい!」が気になります。この「リクエストライブ」、毎回リクエストする側が語るその芸人さんやネタの魅力がすごく聞き応えがあるんです。無観客生配信なのに3,000人キャパで行われる『野田クリスタル初コンサートin TOKYO DOME CITY HALL』については、いったいどういうこと……?と思っています。演劇ではとうとう30年(実際には31年)経ちましたね、パルコ・プロデュース2025 東京サンシャインボーイズ 復活公演『蒙古が襲来』Mongolia is comingが楽しみです。パラドックス定数『ズベズダ−荒野から宙へ−』はなんと2時間前後×3部作!なんとかして観たいのですが……。
釣木文恵
演劇を中心にインタビュー記事などを執筆。最近はお笑い関連の仕事も増えてきました。
X(旧:Twitter):@troookie
ライター・岩村美佳の優先順位高め!
今月楽しみにしているのは、ふたつのオリジナルミュージカルです。近年、日本でも色々なオリジナルミュージカル作品が作られていますが、さまざまな座組、アプローチで作品が誕生しています。
今月誕生するミュージカル『昭和元禄落語心中』は、同名原作漫画を元に作られる新たなミュージカルで、山崎育三郎さん、明日海りおさん、古川雄大さんが共演、小池修一郎さんが演出されます。戦前から平成に至る落語界を舞台に、人々の多彩な生き様を描いた、日本発の和物オリジナルミュージカル。2018年に山崎さんが同作ドラマに出演されたのをご縁に、熱い思いでミュージカル制作へと繋がっていったそう。強力の布陣で挑む今作に期待しています。
2作品目は、今年1月に大阪で開幕したミュージカル『ミセン』。韓国の大ヒット漫画が、2014年にドラマ化され、「ミセンシンドローム」と呼ばれるほどの社会現象を起こした大ヒット作。日韓のクリエイター陣によってミュージカル制作され、すでに上々の評判も聞こえてきています。囲碁のプロ棋士になる夢が絶たれて、商社のインターンとして働くことになる主人公を中心に描く、「自分らしく生きる」人生のヒントが詰まった作品とのこと。制作過程に迫るドキュメンタリーや、舞台動画を拝見して、すでに興味が高まっています。
そして、遂に今月クローズを迎える現帝国劇場では、CONCERT『THE BEST New HISTORY COMING』が開催されます。これまで出会ってきた作品に想いを馳せつつ、最後の時間を堪能してきたいと思っています。
岩村美佳
ライター。フォトグラファー・ライター。初観劇は小学生の時に観た宝塚。ミュージカルを中心に色々と観劇しています。配信観劇も存分に楽しめるようになりました。超絶猫好き。
X(旧:Twitter):@nyanyaseri
ライター・河野桃子の優先順位高め!
SNSで舞台の情報を辿るのが前ほど難しくなってきていて、そんななかでこの企画は書き手の個性もありつつ場所がまとまっていて大事だなぁ…と思いながら今月も書いています。では公演日順に。
・窓の階『ここはどこかの窓のそと2』
階を初めて知った時は衝撃でした。発想の独自性、人とモノと空間が共存する手触り、自分の想像で空間がどこまでも広がっていくような感覚。大阪公演は終了済み。
・サイモン・スティーヴンス ダブルビル『ポルノグラフィ PORNOGRAPHY/レイジ RAGE』
世田谷パブリックシアターでおなじみのキャストも多くいますが、サイモン・スティーヴンスのダブルビルは観たい…。『夜中に犬に起こった奇妙な事件』などの作家です。
・パラドックス定数『ズベズダ−荒野から宙へ−』
一幕ものなどのどんどん凝縮していく作品も好きなのですが、今回のように歴史ベースに長い時間を描く作品も面白く、観たことない人におすすめしやすいです。
・タカハ劇団 第20回公演「他者の国」
高羽さんの演劇は、その精度、視野、目指すところ……どこまでいくんだろうと回を重ねるごとにワクワクが募るのがすごい。
・『韓国現代戯曲ドラマリーディング ネクストステップVol.2』
韓国の現代の作家の作品に触れられる企画。vol.1のときに韓国の実感が垣間見えたことでとても韓国に、韓国演劇に興味を持ちました。日本、外を見なきゃなと…!
・タンツマインツ『PROMISE』
ドイツ・マインツ州立劇場のコンテンポラリーダンスカンパニー、タンツマインツ初来日。トレーラーがあるのでまずは動画をぜひ!
また、劇団印象-indian elephant-『女性映画監督第一号』、ゾノノキカク『Crash』、MONO 第52回公演「デマゴギージャズ」、ルサンチカ『楽屋〜流れ去るものはやがてなつかしき〜』も注目。
河野桃子
ライター。翻訳戯曲と小劇場を中心に、ミュージカルやコンテンポラリーダンスなど「舞台」と名がつくものはなんでも観に行きます!
X(旧:Twitter):@momo_com
ライター・井ノ口裕子の優先順位高め!
もう2月。一日を大切にしなければと思う今日この頃です。
外は寒いですが、素敵な舞台を観て心を温めてください。
ミュージカル『ヒーロー』
昨年は『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』に主演。近年、数々のミュージカル作品に出演し、今年4月には『キンキーブーツ』主演も控える有澤樟太郎さん主演のミュージカルです。舞台は2008年のアメリカの地方都市。過去にトラウマを持ちながらアメコミ漫画家を目指す主人公が、周囲の人々との別れや交流を通して奇跡に気づいていく物語。アメコミの人気キャラクターが台詞や歌詞に登場するなど楽しい演出が満載の日本初上演作品で、今乗っている有澤さんがどんな舞台を見せてくれるのか楽しみです。
舞台「私立探偵 濱マイク-遥かな時代の階段を-」
映画監督・林海象氏原作、永瀬正敏さん主演で人気を博したハードボイルド探偵シリーズ、映画「私立探偵 濱マイク」シリーズの舞台化第二弾。横浜の古い映画館の二階に探偵事務所を構える、お人好しで人情派な探偵・濱マイクを、2022年上演に第一作に続き佐藤流司さんが演じる。クールだけど人間味あふれる濱マイクは佐藤さんにピッタリのハマり役で、続編となる今作でもその魅力を発揮してくれるはず。
そして、今月おススメの2.5次元作品はーー。
舞台『刀剣乱舞』十口伝 あまねく刻の遥へ
「刀ステ」の新作はやっぱり見逃せません。今回注目なのは「刀ステ」シリーズ初の短編連作集(オムニバス)であること。どんな演出になるのか注目しています。
舞台『魔道祖師』邂逅編
中国人作家・モーシャントンシウのBLファンタジー小説『魔道祖師』の初舞台化作品。
物語の舞台は、法術を使う者が妖魔や邪気を退治する架空の古代中国、強い絆で結ばれた2人の激動の運命を描いた壮大なストーリー。原作は、ラジオドラマ、漫画、アニメ、実写ドラマなど、様々なメディアミックスを展開しアジア各国で社会現象を巻き起こし、世界中にファンを持つ人気作だ。主人公の2人、ウェイ・ウーシエンを舞台初挑戦の金子隼也さん、ラン・ワンジーを廣瀬智紀が演じる。和田琢磨さん、村田充さんはじめ脇を固めるキャストも2.5次元の実力派が揃って、期待が高まります。
井ノ口裕子
ライター。観劇の入口は中学生のときの宝塚。それから観劇は一番の趣味です。小劇場からグランドミュージカルまで、ジャンルは問わず“面白そう!”と思ったら何でも観ます。
批評家・山﨑健太の優先順位高め!
2月の優先順位高め1本目は市原佐都子/Q『キティ』。
ロームシアター京都による〈レパートリーの創造〉プログラムとして創作されるこの作品は、まずは2月のロームシアター京都で世界初演を迎える。前作『弱法師』で人間の生と性を揺さぶり抉り出すあまりに衝撃的な人形劇を創り出した市原の新作タイトルがこれ、しかも「かわいい」がキーワードときては期待しないわけにはいかない。先行して公開されているクリエイション過程の成果発表会の写真からしてすでにインパクト大。3月にはシアターコモンズ’25のプログラムとして東京公演もあり。まずは写真だけでもぜひチェックを。
2本目は範宙遊泳・山本卓卓が描くヒーローの物語を元・劇団子供鉅人の益山貴司が演出するKAAT神奈川芸術劇場プロデュース 音楽劇『愛と正義』。
どんな舞台になるのか全く想像がつかないタッグだが「現代の「争い」に言葉と物語と暗喩と愛で応答」するという言葉がグッとくる。大きなテーマを掲げたタイトルにふさわしい物語を期待したい。
そして3本目はもちろん「都市にあらたな「コモンズ(共有地)」を生み出す」ことを掲げる芸術祭、シアターコモンズ’25。
「ブレス・イン・ザ・ダーク/暗闇で呼吸する」をテーマとする今年も『キティ』をはじめ今の社会と向き合うプログラムがずらり。個人的には上海出身でアムステルダムを拠点に活動するメイ・リウのレクチャーパフォーマンス『Homesick for Another World』がタイトルからして特に気になっている。世界が暗闇に突き進んでいくように見える今だからこそ、異なる価値観やバックグラウンドが交錯するフェスティバルの場はより重要だろう。
山﨑健太
批評家・ドラマトゥルク。演出家・俳優の橋本清とともにy/nとして舞台作品も発表しています。
X(旧:Twitter):@yamakenta
ローチケ演劇部_白の優先順位高め!
寒さが厳しくなってきました。今月乗り切るとまた暖かくなってきますかね。
2月は少し短いのでツメツメにいきたいと思います。そんな2月の「優先順位高めです」な作品は―。
テアトロコントspecial/THE ROB CARLTON’S「ENKYOKU」です。
緻密に計算された笑いを提供してくれる、ロブカールトン。関西の劇団ですが、その笑いはコテコテの笑いとは異なります。語弊があるかもしれませんが、とてもおしゃれな笑いです(違うか)。老若男女、紳士淑女も笑ってしまうウェルメイドコメディです。今回はどんな作品になるのかしら。とても楽しみ。観たことない方はぜひ観て欲しい。
パルコ・プロデュース2025 東京サンシャインボーイズ 復活公演『蒙古が襲来』Mongolia is comingも観たい!
でもチケットがありません…!「リア玉」でも「シアタートップス」でもないけれど、東京サンシャインボーイズの復活公演は素直に嬉しい!でもチケットがありません…!リセール情報を細かくチェックしましょう!
はえぎわ25周年本公演『幸子というんだほんとはね』も観たいんですよ。
はえぎわの劇団力ってなんかかっこいいなって思ってます。劇団員みんながいろんなところで活躍してて、劇団公演に帰ってくる、みたいな。なんか劇団の理想形を体現してくれている気がして、はえぎわは見逃せないですね。
KAATで上演される2本の作品も気になります。
KAAT×新ロイヤル大衆舎 vol.2『花と龍』は、安藤さん大好きです。桟敷・一階席の「飲食OK」ってのも気になりますね。
山本卓卓さんの脚本を益山貴司さんの演出でやるKAAT神奈川芸術劇場プロデュース 音楽劇『愛と正義』も注目。
最後に。2月2日((日))で終わっちゃいますけど、爍綽と vol.2『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・バルコニー!!』観逃さないように!!!