
2025年3月24日(月)〜31日(月)に吉祥寺シアターにてオーストラ・マコンドー本公演「影のない女」が上演される。
人気バンドKEYTALKでギター・ボーカルの寺中友将が演じるのは、主人公の皇帝だ。寺中は今作で初めて俳優に挑戦するが、初舞台にして初主演とその期待度が伺える。皇帝の妻は、近年タレントとしても活動の幅を広げている清水みさとが演じる。また、重要な役どころとして、InstagramやYouTubeの動画が話題の吉本興業所属の山井祥子(エレガント人生)、女子プロ界を牽引し続けている朱里(スターダム)が名を連ねている。山井も今作が舞台初出演となる。
そして本公演の主題歌を手がけるのは、日本を代表するファンクバンド、在日ファンクの浜野謙太。浜野謙太個人として舞台作品の主題歌を担当するのは、本作が初となる。
オペラの物語とファンクが出会うことで、一体どのような化学反応が生まれるのか。普段はなかなか交わることのないメンバーが、各々の場所から飛び出し、105年前の名作を我々にどのように伝えてくれるのか、大変楽しみな作品となっている。
各業界のカリスマが名前を連ねる異色の作品、メインビジュアルの撮影地でもある「吉祥寺シアター」にて。ぜひ足を踏み入れてみて。
[ストーリー]
東洋の島々に住む皇帝は、霊界の王(カイコバート)の娘と結婚している。
皇后となった彼女には影がない。
影をもたぬ呪いで皇帝が石になることを知った皇后は、貧しい染物屋の女房から影をもらい受けようと図る。
人間を嫌う乳母に貶められて、染物屋の夫婦は霊界にて離れ離れになってしまう。
一方、皇后と乳母は霊界を船でさまよう。
しかし、結局彼女は他人を犠牲にしてまで、影の入手を望まない。
その精神の尊さゆえに奇跡が起こり、皇帝は石から甦り、彼女も影を得て人間になる。
キャストコメント
寺中友将
少子化問題の原因であるかのように、名指しされる世代の私たち。「生殖」というテーマに紐づいた「愛」の形。この舞台を通して、人それぞれの「価値観」を改めて考える機会になればいいなと思っています。初舞台、初主演です。大きな期待を背に、与えられた役に、私の生き様が投影される様、必死に挑んでみます。
清水みさと
わたしは悩むことが苦手で、できる限り避けてきました。でも、倉本さんの舞台ではそうはいきません。嘘もハッタリも通じない倉本さんの元で、5年経ってようやく頑張る覚悟ができました。久しぶりに限って、難しい「生殖」がテーマですが、舞台という不可逆ではない場所だからこそ、多角的な視点で考えられると思うので、やっぱりがんばろうと思います。一般的な正義や価値観は一度隅に置いて、まっさらな状態で「影のない女」に向き合いたいと思います。
山井祥子
30歳を迎えてから大人になったと実感する事が増えました。大人になった私は、そろそろ次世代へ繋ぐ事を考えながら生きなくてはいけないのだと思います。ただ、それが子供を産むことなのか、別の方法なのかはまだ分かりません。そんな事を考え始めたタイミングでこちらの舞台のオファーがあったため、あらすじを読んでドキっとしました。私や観客の皆様を含めた全ての生物に関係がある“生殖”という問題。この舞台が、なにか大切なものを見つけるきっかけになったらいいなぁと思っています。
朱里
今回『影のない女』という歴史ある作品に参加できることを大変嬉しく思います。この物語に込められた「影」や「愛」、「生きる意味」のテーマは、今を生きる私たちにも深く響くものがあると感じています。35歳の私自身の人生とも重ねながら、染物屋・バラクの妻という役を通して、観客の皆さまに何かを届けられるよう全力で挑みたいと思います。ぜひ劇場でお会いしましょう!よろしくお願い致します!
オペラ「影のない女」概要
リヒャルト・シュトラウス作曲のオペラ作品。台本はドイツの作家フーゴ・フォン・ホーフマンスタールによって執筆された。1919年に初演を迎え、ドイツ・オペラの大作として現在も上演され続けている。
演出家 倉本朋幸 プロフィール
1981年高知県出身。
2010年舞台演出家デビュー、オーストラ・マコンドーを結成。2014年に劇団化。
現在までに海外戯曲、日本の古典、寺山修司・小津安二郎作品のオマージュや自身のオリジナル作品を含め、様々なジャンルの舞台作品を100本以上演出。
初の⻑編映画監督作「どうしようもない僕のちっぽけな世界は、」が第32回東京国際映画祭・スプラッシュ部門への招待作品に選出された。