【会見レポ】ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season 鳥 Produced by TBS 製作発表記者会見

2017.04.19

円形状の客席が360°回転する劇場「IHIステージアラウンド東京」にて、現在絶賛上演中の『髑髏城の七人』Season 花。「花・鳥・風・月」という4シーズンに渡るロングラン上演は、2017年6月27日から「Season 鳥」に引き継がれる。異なるキャスト、異なる脚本・演出で新たに生まれ変わる『髑髏城〜』の製作発表記者会見の模様をレポートする。

 

会場は豊洲駅に程近い「アーバンドックららぽーと豊洲」内の屋外デッキ。当日朝まで天候不良が心配されたが、開始時刻前にはすっかり快晴となり、心地良い日差しの中での開催となった。この製作発表記者会見は豊洲近隣に住む方々や観覧希望者も参加出来るため、「鳥」の出演キャストが観客とハイタッチをしながらレッドカーペットを歩いたり、青い風船を空へ飛ばすイベントが行われたりと、野外らしい開放的かつ和やかなムードで進められた。

記者会見の登壇者は、阿部サダヲ、森山未來、早乙女太一、松雪泰子、粟根まこと、福田転球、少路勇介、清水葉月、梶原善、池田成志のキャスト陣に、劇作家の中島かずき、演出家のいのうえひでのりを加えた合計12名。以下、登壇者それぞれのコメントを順番に紹介したい。

 

【阿部サダヲ/「捨之介」役】
台本を読ませて頂いたのですが、小栗旬さんの捨之介とも、(市川)染五郎さんの捨之介や古田(新太)さんの捨之介ともちょっと違う捨之介でした。面白かったです。(「花」に出演している)演者さんが口々に「動くステージなんて、こんな体験はしたことがない」と言っているのを聞いて怖くなり、逆に身体を鍛えることをやめました。駅のホームで階段を使うのをやめて、エスカレーターとか、そういう近代的なものに頼っています。殺陣も踊りもありますから、(力を)溜めておかないと。今日はこんなに素晴らしい場所で製作発表が出来て、風船を飛ばしたりとか、ホントすごいと思いました。これだけスケールの大きなところへ参加させて頂いて、みんながやりたいと思っている捨之介という役が出来るのは大変なことだと思います。絶対楽しませますし、楽しいことは間違いないと思うので、皆さん期待していて下さい。

 

【森山未來/「天魔王」役】
Perfumeとか、最近だと「恋ダンス」で有名なMIKIKOさんの振付ですし、この劇場はどこかアトラクション的な感覚で体験出来るので、歌ったり踊ったりすることに向いている劇場だと思います。今回は「花・鳥・風・月」ということで、一年を通して『髑髏城の七人』をやる大きなプロジェクト。必然的に劇団員の方々が振り分けられる向きはあると思うのですが、この座組は、ほぼ劇団員と言っても良いくらいの勝手知ったるメンツで、しかも笑いに特化された舞台の方々ばかりなので、その辺は安心して笑って楽しんで、立ち回りもありますし、格好いい舞台に期待して頂ければと思います。

 

【早乙女太一/「無界屋蘭兵衛」役】
こんな大きなステージに立ったことがないので、どれくらい体力を使うのか? とか、想像がつかないことが一番の不安です。(『髑髏城〜』に出演した)前回は19歳の時にこの役をやらせて頂いて、今はあっと言う間に25歳になりました。前回とは違った蘭兵衛が出来ればいいなと思って頑張ります。

 

【松雪泰子/「極楽太夫」役】
劇場へ伺った時に(バックステージ)裏が難しくて、私、ちょっと方向音痴なところもありますし、裏で迷わないようにしなきゃと思います。出とちらないようにと。劇団☆新感線のお芝居を初めて劇場で観たのが『髑髏城の七人』でして、その時は本当に感動致しまして、今回こんな大きなプロジェクトの中へ参加させて頂くことを心から楽しみにしています。ですから、楽しんで頂けるよう稽古に励みたいと思います。

【粟根まこと/「渡京」役】
私は劇団員でございますので、この『髑髏城の七人』という作品にこれまで四回出て、今回が五回目となり、渡京という役も三度目になります。この、勝手知ったるメンバーの中で、いつものように、いつものことをやろうと思います。

 

【福田転球/「兵庫」役】
私は1990年の初演でしょうか、少しお声を掛けて頂き、鉄機兵というものをやらせて頂きました。その頃は(衣裳に)長いお面がございまして、そのお面を付けてローラースケートで滑ったというのが、もう20何年も前のことです。今回はお面を付けずに舞台へ出られます。それだけはひとつ達成出来ました。夢が叶いました。顔、出せます。

 

【少路勇介/「少吉」役】
僕は全く不安がなくて、今のところワクワクしかないです。この舞台が終わったら、もう役者を辞めても良いんじゃないかと思えるくらい(笑)、頑張りたいと思います。

 

【清水葉月/「沙霧」役】
劇団☆新感線初参加は、このメンバーですと私だけと先程伺いました。頼りになるキャストの皆さんと力強いスタッフの皆さんがいるので、堂々と暴れられたらいいなと思っています。

 

【梶原善/「狸穴二郎衛門」役】
劇団☆新感線は今回で六回目の出演になるのかな。こういう特別なイベントに声をかけて頂いたのは本当に嬉しいし、尚かつ、素晴らしい顔なじみ達と一緒に出来ることは幸せであります。

 

【池田成志/「贋鉄斎」役】
「花」を観に行きましたら、古田くんが非常に卑怯なことをやっておりまして、「お前がこんなのやったら俺はどうすればいいんだよ!?」と言いました。まあ、アイツがあれだけやったのであれば、私の方は非常に淡々と、地味にやりたいと思っています。あと私、豊洲駅から劇場まで歩いてみたのですが、この公演は夏でございます。芝居を観る前に(暑さで)倒れる可能性がありますので、皆さん気をつけて劇場までお越し下さいませ。

【中島かずき/脚本】
脚本の直しはかなり面白く出来たと思っているし、「花・鳥・風・月」をどう展開して行くか? という流れは「鳥」を観て下さるとご納得頂けると思います。(「花」と)全然違う形になりますので、期待して頂ければ。多分皆さんが思っている以上に変わります。今までに観たことがない捨之介になっていると思う。阿部サダヲくんが小栗旬くんと同じ役をどうするのだろう? と皆さん考えていると思うのですが……、あ、いま笑いましたね?(笑)。とにかく楽しみにしていて下さい。

 

【いのうえひでのり/演出】
「花」は一発目ということで極力シンプルに見せようと、セットもモノクローム調でシンプルな色遣いにしましたが、「鳥」は派手な色を使ったり、かなりの色付けが可能じゃないかと。それから音楽的な要素も。「花」は歌ったり踊ったりを意識的に外したので、逆に「鳥」は「花・鳥・風・月」の中で最もショーアップされたものをお見せ出来たらいいなと思っています。キャスティングも歌ったり踊ったり出来る方が多いので、歌や踊りを取り入れるアプローチを出来るだけやっていきたいです。

文/園田喬し