
写真左から)村角ダイチ、村角太洋(ボブ・マーサム)
コミュニケーションシリーズ最新作で“未知過ぎとの遭遇”が描かれる
京都を拠点に活動するTHE ROB CARLTONが大阪では10回目、東京では5回目となる本公演を開催する。そもそも彼らはどんな劇団なのか?
ボブ(太洋) 京都の高校のラグビー部が主体となった集団、というのが我々の一番の説明です。2011年に旗揚げ致しまして、最初は5人いたのですが、現在は私ボブ・マーサム、弟の村角ダイチ、演出助手の入江拓郎の3人で活動しております。現在も京都を拠点に活動しながら、7年前から東京での公演もおこなっております。
ダイチ 昨年から演者が僕ら2人だけになったので、負担が増えました(笑)。ただその分、より純度の高いTHE ROB CARLTONを出せているのではないかと思います。
彼らのトレードマークはスーツ姿で、公演でも毎回かっちりした衣装と作り込まれた舞台美術に定評がある。
ボブ 私がホテルで働いていた経験もあって、格調高いカチッとしたイメージが好きなんです。旗揚げした30歳手前の頃は、背伸びをして実年齢よりも大人が出てくる芝居を作ろうという意識もありました。非日常の世界を描くというコンセプトはずっと根底にあるので、いわばハッタリをかましているといいますか。最近、ようやくスーツに着られない年齢になってきたかなとは思います。
6月の新作のタイトルは『ENCOUNTERS with TOO MICHI』。一見難しい英語かと思いきや……。
ボブ 『未知との遭遇』ってすごくいいタイトルじゃないですか。これ、原題をかなり大胆に意訳しているんですよね。”馴染みのない英語をきれいな日本語にする”パロディとして、”未知過ぎとの遭遇”としました。タイトル自体もモジっていますけど(笑)。
テーマはミスコミュニケーション。
ダイチ ボブは演出するとき独特な単語を使うから、伝わりにくいんですよ。僕は“なんとなくこういうことを言っているんだろうな”とわかるんですけど、初めてだとそのニュアンスは理解できないよ、という場面がよくあって。
ボブ ただ僕に限らず、どんな方でもコミュニケーションの難しさを感じる瞬間があると思いますので、そこを伝えられたら。
前作『THE STUBBORNS』では言語によるミスコミュニケーションがテーマの一つだったが、今作は言語のみならず、共通のものが一切不明な状態でのコミュニケーション、まさに“未知過ぎとの遭遇”が描かれる。
ボブ とある小さな島国の上空に円盤が停止して、その国に人類の未来が委ねられてしまうんです。プレジデント、ジェネラル、セクレタリー、プロフェッサーの4人がコミュニケーションのとれない相手にどうしたらいいか頭を悩ませる、というお話です。人間なら国が違っても共通認識はある。でも宇宙人は姿形も違えば、食事をするかさえわからない。それを大好きな90年代の洋画の雰囲気と合わせたら面白いかなと思いました。映画『マーズ・アタック!』で平和の象徴の鳩を飛ばしたら、火星人がブチギレる。あの共通認識が伝わらない怖さと面白さ。
ダイチ 何しろ兄弟なので、映画もよく一緒に観ていました。だから感覚は共有していますし、ボブの書くものを信じています。僕は小さい頃から彼はもっと広い場所に出るべき人やと思い続けています。今回の作品もきっと、面白いものになるはずです。
ボブ いろいろ話しましたが、ただただ楽しい作品を作ります。今回は勝負の公演だと思っています。
1ミリも手を抜かずにやりますので、少しでも気になったらぜひ来てください。
インタビュー・文/釣木文恵
Photo/岡田晃奈
【プチ質問】Q:手土産を選ぶポイントは?
A:
ボブ 自分たちも疲れを実感しはじめてきていますし、ラグビーをやっていたこともあって、たとえば入浴剤とかリカバーに注目して選びます。先日はアミノバイタルのすごくいいものをいただいて、いいなあと思いました。
ダイチ 僕も同じ考えで、よくレッドブルとかエナジードリンク系を差し入れします。
※構成/月刊ローチケ編集部 5月15日号より転載
※写真は誌面と異なります

掲載誌面:月刊ローチケは毎月15日発行(無料)
ローソン・ミニストップ・HMVにて配布
【プロフィール】
THE ROB CARLTON
■ザ・ロブカールトン
村角太洋(ボブ・マーサム)と弟の村角ダイチを中心に2010年に結成された劇団。京都を拠点に舞台を中心に活動している。