Bunkamura30周年記念 シアターコクーン・オンレパートリー2019 DISCOVER WORLD THEATRE vol.6 ハムレット 岡田将生 インタビュー

蜷川幸雄との約束を胸に挑むシェイクスピア劇

 

「君とシェイクスピアをやりたい」これは岡田将生が初舞台に立った時、演出の蜷川幸雄に言われた言葉。そして岡田にとって忘れられない大切な言葉だ。

岡田「僕を初めて舞台に立たせてくれたのが蜷川さんですからね。怖くて、優しくて、何も知らない僕に舞台の楽しさを教えてくれた方。その方に嘘でもこんなことをおっしゃっていただけたことはすごく嬉しくて。蜷川さんと再びご一緒することは叶いませんでしたが、今回こういうチャンスをいただけて本当にありがたいなと思います」

 

蜷川との約束を胸に岡田が挑むのは、シェイクスピア作品の最高峰『ハムレット』。その魅力を聞くと…。

岡田「それはやっぱりハムレットという人物に尽きると思います。僕の印象としては、ハムレットは心が壊れているというか。でもそうじゃないように取り繕っていて。そこをどう冒頭の30分でお客さまに印象づけるのか。それがすごく大切になってくる気がします。あとはシェイクスピアならではの言葉遣いや独白ですよね。本当に大変だと思いますが、言葉ってだんだん自分の口に合ってくるものだと思います。そこから楽しさも出てくるでしょうし、お客さまにいかにわかりやすく伝えられるか。そこもしっかり考えていきたいと思います」演出を手がけるのは、本作が日本デビューとなる気鋭のイギリス人演出家、サイモン・ゴドウィン。

岡田「一度ワークショップに参加させていただいたんですが、それが本当に面白くて!体の動かし方、表現の仕方がこんなにたくさんあるんだということを改めて知ることが出来ましたし、今回の稽古でもさらにいろいろなことを学んでいけるんだろうなと。稽古場はいくら失敗してもいいところですから。恥ずかしがらず、どんどん試して、たくさんのことを吸収していきたいと思います」

 

岡田は今年30歳。その節目の年だからこそ、挑んでみたい高い壁がシェイクスピアだったとも言う。

岡田「正直言えばまだ不安しかありません。でも30代を前にどうしてもシェイクスピアをやりたいと思いましたし、ここ2、3年でやらせてもらってきたことが、『ハムレット』に向かって少しずつ階段を上ってきた感じもあって。すごくいい流れでこの舞台に臨めそうな気がしています」

 

インタビュー・文/野上瑠美子
Photo/矢野寿明

ヘアメイク/FUJIU JIMI
スタイリスト/大石裕介

 

※構成/月刊ローチケ編集部 2月15日号より転載
※写真は本誌とは異なります

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【プロフィール】
岡田将生

■オカダ マサキ ’89年、東京出身。多くの映像作品で主演を務める。4月からはNHK連続テレビ小説「なつぞら」に出演。