ダイワハウスSpecial 地球ゴージャスプロデュース公演 Vol.15「ZEROTOPIA」稽古場会見レポート

2018.03.09

岸谷五朗と寺脇康文による演劇ユニット“地球ゴージャス”。その最新作『ZEROTOPIA(ゼロトピア)』が、4月の東京・TBS赤坂ACTシアターを皮切りに、愛知、新潟、福岡、広島、大阪の全6都市で上演される。そこで3月上旬、都内某所にて行われた稽古場会見へ。岸谷、寺脇のほか、柚希礼音、西川貴教、新田真剣佑、宮澤佐江・花澤香菜(Wキャスト)らメインキャストが登壇した。

物語の舞台はある無人島。豪華客船に招かれた人々は、船の沈没によって、その島へと流れ着いていた。奇跡的に生き残った数名の男女。徐々に明らかになっていくそれぞれの過去。そして彼らは、自分たちが島に流れ着いたのではなく、船が沈没したのでもなく、意図的に船は沈没させられ、この島に流れ着かされたのだと知る。果たしてそこに隠された秘密とは……。

 

会見冒頭、作、演出、出演の3役を兼ねる岸谷が、「いつも言っていることですが……」と切り出したあと、「地球ゴージャスの代表作は最新作です!」と力強くひと言。本作への自信のほどをにじませる。さらに「作品の内容にぴったりな、素晴らしい35名のキャストが集まってくれました」と続け、地球ゴージャスならではのカンパニー力の強さもアピールする。また出演と演出補を担う寺脇は、「ついこないだ56歳になりまして、今回のカンパニーで最年長になりました。でも56っていい数字なんですよ」とニヤリ。「56=ゴロウですから、岸谷五朗とWゴロウ。今年はWゴロウイヤーです!」と自信満々に言い放つも、その場にいる全員からは失笑が……。そんなふたりの絶妙なバランスも、地球ゴージャスの大きな魅力と言えるだろう。

 

続いて公開稽古として、キャスト陣が4つのナンバーを披露。通常の倍近い稽古期間を設け、しっかりとした作品づくりを行うことで知られる地球ゴージャスだけに、初日まで約1か月というタイミングながら、そのダンス、歌、芝居には、すでに完成形に近いクオリティの高さが感じられた。

 

まずは舞台のオープニングを飾るナンバー「Dynamic Dynamite Extreme」。西川のメインナンバーだが、やはりその歌唱力は圧巻。これから始まる物語への期待感を一気に高めてくれる。

 

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続いては柚希のメインナンバー「Jun’s past2」。柚希演じるジュンの過去を歌うメロディアスなナンバーで、彼女の力強い歌声が物語にさらなる厚みを加える。

 

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そして新田のメインナンバー「特殊工作員アトラス」へ。アクションを取り入れたダンスが印象的で、中でも新田のキレは抜群。本番ではその歌声にも注目して欲しい。

 

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最後に披露されたのは、メインキャスト全員による「Jun’s Dream」。お互いの夢を語り合う中、ジュンは自らの夢を「エンターテイナーになって人々を笑顔にすること」だと明かす。そこから始まる華やかでポップなナンバーなのだが、それはまさに地球ゴージャスが目指すエンターテインメントのかたちそのもの。岸谷と寺脇の夢が、ジュンの夢と重なって見えた。

 

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これからさらに稽古を重ね、本番ではいかなるステージを見せてくれるのか。「歌、ダンス、アクション、ギャグ、さらに今回はミステリーまで! 極上のエンターテインメントをつくるべく、一生懸命頑張っております!」と寺脇。開幕まで残り1か月、その全貌が明らかになる日を楽しみに待ちたい。

 

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取材・文:野上瑠美子