このたび、3月27日(金)より大阪・インディペンデントシアター2ndを皮切りに、東京、新潟にてiaku『粛々と運針』の上演が決定しました。また、iaku主宰の横山拓也よりコメントが届きましたので掲載いたします。
【ごあいさつ】

「作風」というものは、長く作品づくりをしていく中で徐々に形づくられていくもので、『粛々と運針』を書くまでの僕およびiakuの作風は、いわゆる一幕物でした。一つの場所に集まった人たちが、実時間の中で、ある問題に突き当たって右往左往する。そういう作風でやっていました。『粛々と運針』は、執筆当時、自らに作風を打ち破ることを課して挑み、実験の意味合いが強い初演になりました。しかし、これが書けたことで、演劇の自由度や懐の深さを改めて享受できたような気がしていて、大きな転換点となった作品とも言えます。小説の原作にしたり、PARCO PRODUCEとして上演してもらったり、小劇場の枠を越えていった作品でもあります。この特別な思いがこもった作品を、僕の作品づくりの腹心、上田一軒氏が演出し、キャストも一新してお届けします。戯曲のブラッシュアップも済んでいます。どうぞご期待ください。
横山拓也
【あらすじ(イントロダクション)】
子どもをもたないことを約束して一緒になった夫婦に妊娠の気配。二人で住むのにちょうどいい一軒家を建てたばかり。どこからともなく猫の鳴き声がするけど、夫は交通事故で頚椎を痛めており、探せないと言う。一方、入院中の母親の見舞いを終えた兄弟。まだ治療の余地があるにも関わらず、尊厳死を選ぶと言い出した母親に頭を抱える。病室にいた「金沢」と名乗る高齢の男性にそそのかされたのかもしれない。一体あの人は誰なんだ?二つの平凡な家庭に突如噴出した命にまつわる葛藤を、周到な会話の応酬で描き出す。
【iakuとは】
劇作家・横山拓也による大阪発の演劇ユニット。緻密な会話が螺旋階段を上がるようにじっくりと層を重ね、いつの間にか登場人物たちの葛藤に立ち会っているような感覚に陥る対話中心の劇を発表している。間口の広いエンタテインメントを意識しながら、大人の鑑賞に耐え得る作品づくり、繰り返しの上演が望まれる作品づくりを心掛け活動中。2024年に上演した「流れんな」の作・演出とPARCO PRODUCE「ワタシタチはモノガタリ」の作で、横山拓也が第59回紀伊國屋演劇賞(個人賞)受賞。
代表作:「エダニク」(第15回日本劇作家協会新人戯曲賞)、「人の気も知らないで」(第1回せんだい短編戯曲賞大賞)、「逢いにいくの、雨だけど」(第26回OMS戯曲賞佳作)、「あつい胸さわぎ」(2023年1月まつむらしんご監督によって映画化)、「モモンバのくくり罠」(第27回鶴屋南北戯曲賞)など。
