『リア王』製作発表記者会見レポート

2026.06.08

新橋演舞場にて2026年9月6日(日)~22日(火・祝)に上演される『リア王』。
今回は、公演に先立ち6月8日に行われた制作発表記者会見の様子をお届けする。

本作は歌舞伎俳優の中村芝翫が、演出家・井上尊晶とタッグを組み挑んできたシェイクスピア劇シリーズで、第三弾となる今回、シェイクスピア四大悲劇の中で最高峰と称される『リア王』に挑む。イギリス史の研究を土台とした石井美樹子による翻訳で、シェイクスピアの言葉の本質を現代に甦らせる。

襲名10年目の節目を迎える中村芝翫が演じるのは、老いと孤独に翻弄されるリア王。またリア王の長女ゴネリル役に松下由樹、弟の策略に翻弄されるエドガー役に三浦涼介、リア王の次女リーガン役に朝月希和、リア王の末娘コーディリア役に井上小百合、兄を陥れるエドマンド役に大野拓朗、そして、グロスター伯爵役には村田雄浩と物語を彩る豪華出演者が揃う。
シェイクスピアが描くリア王の姿、そして人間とは何かという問いを、開場101年目となる新橋演舞場のスケール感を生かしてお届けする。

コメント

中村芝翫

今から8年前、はじめてシェイクスピア作品に「オセロー」で挑戦させて頂きまして、その後に「夏の夜の夢」もやらせて頂きました。その時に演出家の井上尊晶さんから「いつかはリア王をやった方がいいな」って言われていました。まだ遠いものだと思っておりましたが、私も気づきましたら昨年還暦を迎えまして、リア王とは違って私も3人の息子がいます。
今作は素敵な3人の娘でございますので、思いっきりこの舞台で老害を発揮しようと思っております(笑)
皆さん力を合わせて、私どももいい作品を作りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

松下由樹

シェイクスピアの作品に挑戦するのは今回が初めてです。
やはりシェイクスピアと聞くと緊張してしまうんですが、これから稽古を重ねて、「リア王」って何となく堅く感じるかもしれませんが、日常のごく家庭にも起こり得ることなんじゃないかと、それぐらい落とし込めるようなお芝居をしたいと思ってます。

朝月希和

私の演じる役は、3姉妹の中で一番心に冷たさを持っている女性なのかなと思うんですけれども、ビジュアル撮影の時に演出の井上さんにただ怖くしなくていい、その今まで生きてきてリーガンがただそうなったわけだから。とおっしゃっていただいたので、その根本の生い立ちをしっかり理解して、セリフを怖がらずに言えるようにお稽古していきたいと思います。

井上小百合

私が演じるコーディリアは、愛を伝えるのがすごく下手というか、自分の思ってることを人に伝ることがそこまでかっていうくらい下手だと思うので、他のお姉さん方とはちょっと違うドライさを感じてしまうのではないかなと。その中でも自分の正義を持って演じていきたいです。あと先日披露宴に参加させていただいたんですけども、私の16歳ぐらいからの仲間が芝翫さんの本物の娘になりまして、なんかその姿を見て、私号泣してで、その私の親友も今回観劇するということで、すごい不思議なご縁を感じています。

村田雄浩

今回中村芝翫さんの、シリーズ3作目になるんですかね。これに呼んでいただけるんでこんな光栄なことはないなと思ってます。しかも四大悲劇「リア王」。私もシェイクスピア作品の経験は少ないのでこれはどういう風になっていくんだろうと思っています。でも皆さんのお話聞いてると、難しいな、大変だろうな、って思うんだけれどもでもよく読んでみるとちょっと昼ドラ当たりにありそうな家庭劇だったりするので、私自分が出てて思うんですけど、「渡る世間は鬼ばかり」とすごくオーバーラップするなと。ここに参加させていただき一体何ができるのか、頑張らさせていただきますので、よろしくお願いします。

三浦涼介

今日(共演の)皆様とお会いして、改めて気の引き締まる思いでございます。皆様おっしゃっていたようにシェイクスピアは難しい作品と思われるかもしれませんが、精一杯演じてまいります。
自分自身もそろそろ若さで乗り切れる年齢でもなくなってきましたが、 先輩たちの素敵な素晴らしい演技を勉強させていただいて精進してまいりますのでどうぞよろしくお願いいたします。

大野拓朗

今回はこのリア王という誰もが知る大きな作品に、この皆さんとご一緒させていただけること、心から嬉しく思っております。
僕自身悪役というものを演じる経験が今まであまりなかったので、今回は大いに暴れ回って掻き乱して、全身全霊で舞台上を楽しみたいなと思っております。そしてたくさんたくさん皆さんからも作品からも多くのことを勉強させていただけたらなと思っております。あとは石井美樹子さんの翻訳ということで、この新しい翻訳の形を(井上)尊晶さんがどのようにこの「リア王」の世界観を立ち上げていくのか、一演劇ファンとしても今ワクワクしている所存でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。

井上尊晶

リア王ですが、3本目。芝翫さんとこうやって、ご一緒できる機会を与えていただいて、本当にありがとうございます。
それも新橋演舞場という歴史がある劇場でやるというのはとても身の引き締まる思いです。稽古はまだ始まってないので、この場をお借りして蜷川から教わった3つのルールをお伝えしようかなと思います。
1つ目は、台本はカットしない。台本通りに言葉だけで説明したいなと思っております。2つ目は、マイクは使わない。ミュージカルとかでは使うんですけど、ストレートプレイではマイクは使いません。最後、これは演出家としてですけど、幕開け三分で何とかして観客をこの劇の世界に入れたいなという思いがあります。
本当に今いろんな「リア王」がありますけど、同じ作品でも演出によってこれだけ違うんだということができるのは演劇の特権だと思っていますし、ここでしかできないいリア王をこのメンバーと一緒に作っていきたいなと思っています。
よろしくお願いいたします。

あらすじ

ブリテンを治めるリア王は老境にあり、国土を分割して3人の娘のうち自分を最も愛するものに多く分け与え、退位して静かな余生を送ろうとする。言葉巧みに美辞麗句を並べリアを喜ばせる長女ゴネリルと次女リーガンに対し、末娘コーディリアが虚飾のない実直な物言いをしたためリアは激怒。姉2人に領土を分け与えてコーディリアを勘当し、放逐同然にフランス王に嫁がせる。コーディリアをかばった忠臣ケント伯爵も国外追放となるが、変装して再びリアのそばに仕える。
ゴネリルとリーガンの2人は領土を譲り受けるや本性をあらわし、リアを邪険に扱う。失意のリアは娘たちの家を出て、道化とともに荒野をさまよい、怒りと嘆きで正気を失っていく。
一方、リアの家臣グロスター伯爵の庶子エドマンドは私生児であるがゆえの不当な扱いに不満を持っており、父親の領地と権力とを手に入れるため、長男エドガーを陥れ追放。エドガーは狂人に身をやつし荒野をさまよっていたところ、リアと遭遇する。同様にエドマンドの策略にはまり、謀反人の烙印を押されたグロスターも荒野でリアと行動を共にするが・・・。