第63回全国高等学校演劇大会・最優秀作品を
“劇団献身”奥村徹也により舞台化
「アルプススタンドのはしの方」浅草九劇にて開幕!
完成度の高さが光る上演が相次ぎ、混戦必至となった第63回全国高等学校演劇大会で最優秀賞に輝いた作品を“劇団献身”主宰・奥村徹也の演出により再演を図った『アルプススタンドのはしの方』が6月5日に浅草九劇にて開幕した。
同級生が甲子園の舞台で活躍している姿をアルプススタンドで見つめる4人の高校生。野球のルールを知らない演劇部員の安田あすは(小野莉奈)と田宮ひかる(西本まりん)。元野球部員の藤野富士夫(石原壮馬)。成績優秀で周囲から孤立している宮下恵(中村守里)。アルプススタンドのはしの方で、試合の展開と共に徐々に変化していく彼らの心模様をユーモラスかつセンチメンタルに描く会話劇。
野球の応援歌が流れ甲子園の臨場感が溢れるが、舞台上には実際に野球を行う少年たちの姿はなく、応援席のみにスポットが当たり物語が展開していく。笑いを誘う台詞をふんだんに取り入れつつも、若者独特のコンプレックスや悩み、後悔など誰もが抱いたことのある心情を、決して重苦しくなく爽やかに描いている。
キャストには、テレビドラマ「中学聖日記」で主人公の恋敵を演じ注目を集めた小野莉奈、舞台『イキザマ3』、『紫猫のギリ』で主演を務め、活躍の場を広めている石原壮馬、サンダンス映画祭 短編部門でグランプリを受賞した「そうして私たちはプールに金魚を、」に出演の実力派・西本まりん、アイドルグループ「ラストアイドル」の派生ユニット「Love Cocchi」のメンバーで映画「書くが、まま」で主演を務める中村守里といったフレッシュな俳優がオーディションを勝ち取り集結。そして、劇団ゴジゲンの目次立樹が今回の舞台化のオリジナルキャラクターとして英語教師役で出演している。
なお、6月6日(木)19時公演には声優・土岐隼一、6月9日(日)18時公演には脚本・籔博晶、6月11日(火)14時公演 にはガールズバンドthe peggiesの北澤ゆうほをゲストに迎え、俳優陣や演出・奥村徹也とともにアフタートークを実施する。
<奥村徹也 開幕コメント>
「アルプススタンドのはしの方」初日が幕を開けました。
4人の若者と1人のおじさんが、汗かいて頑張っています。なんとも初々しい座組みで、今回が初舞台という俳優もいます。しかしそれは、決して不安要素ではありません。
人は何事も上手くなります。技術がつきます。だけどもその技術ってやつは時に、大切なものを曇らせます。むしろ何も知らない時の方が、ひょいと軽々、本質に迫ることだってあると思います。恐れも何もありません。怖いもの知らずで、奔放で、要は桜木花道なのです。
4人の桜木花道と1人のおじさんが、とにかく今この瞬間に迸る感情だけを武器に、75分突っ走っています。その姿は、きっと観ていて楽しいものです。
劇場にて、お待ちしております。