舞台「魍魎の匣」開幕!!公開ゲネプロの模様、出演者コメントをお届け!

2019.06.21

2019年6月21日(金)に天王洲 銀河劇場にて、舞台「魍魎の匣」が開幕しました。戦後間もない昭和20年代後半を舞台に、癖のある魅力的な登場人物と、民俗学や論理学、妖怪など様々な分野の薀蓄(うんちく)がぎっしりと詰め込まれた不思議な世界観で、多くのファンを獲得している京極夏彦の大人気小説「百鬼夜行シリーズ」。その中でも最高傑作の呼び声が高い『魍魎の匣』を舞台化。主演の橘 ケンチを筆頭に紫吹 淳、西岡德馬などの多彩なキャストが京極夏彦の超絶ミステリーの世界に挑みます。初日公演に先立って行った公開ゲネプロの模様と、コメントをお届けします。

 

【コメント】
≪中禅寺秋彦役:橘ケンチ≫

「魍魎の匣」という京極夏彦先生の大作を舞台化させていただくことになりまして、キャスト・スタッフ一同ありがたく思っております。いよいよ初日を迎えますが、これまで1か月間この座組で培ってきた稽古と積み上げてきた想いを、今日初めてお客様に届けられることを嬉しく思います。「魍魎の匣」という作品が舞台という形態で、どのような箱が開くのかお客さまにもぜひ楽しんでいただければと思います。ハッピーエンドの作品ではありませんが、きっとみなさんの記憶と心の奥底にずしりと刺さるようなインパクトを届けられるような作品だと思っております。キャスト一丸となって千秋楽まで頑張りますので、ぜひ皆さま劇場で舞台「魍魎の匣」を体感していただければと思います。

 

≪木場修太郎役:内田朝陽≫

大作の舞台化なので、もともとプレッシャーもありましたが、顔合わせの時に京極先生が「新しい自分の知らない魍魎の匣を観たい」というようなことをおっしゃって下さって、それがさらにプレッシャーになりました。期待に応えるためにできることは、一生懸命やることと、稽古をして何かを見つけるしかないと思い、もがきながら稽古をしてきました。「魍魎の匣」はテーマもなかなか残酷だったり、ホラーな表現もある怖い作品ですが、とても文学的で言葉が面白いと思いますし、橘さんをはじめ役者の皆さんがとても素敵で、色っぽい作品にも仕上がっていると思います。怖い作品ですが、楽しんでいただきたいですし、観ていただいて何か感じていただけたらいいなと思います。

 

≪関口 巽役:高橋良輔≫

顔合わせの時に京極先生からお言葉をいただいて、先生にご挨拶をするときに本当に言葉がでないといいますか、言葉にならない気持ちになりました。大作の舞台化ということでプレッシャーも感じながら稽古をしてきて、今日ここに立たせていただいているわけですが、あまりプレッシャーを感じすぎて舞台上で硬くなってもしょうがないので、最後まで楽しんで演じていけたらいいなと思っております。台詞として本当に素敵な言葉をたくさんいただいておりますので、そのひとつひとつを大切に、皆さんにお届けしたいと思います。

 

≪榎木津礼二郎役:北園 涼≫

「魍魎の匣」は物語ですが、身近に起こりうる話、内容になっていると思いますので、観ていただいたお客様がどんな感じことを思って帰られるのかなというのがとても楽しみです。後は榎木津礼二郎として舞台上で子供のようにはしゃげたらいいなと思っています。こんなに素敵な共演者の皆 さんとお芝居ができるのがすごくうれしいですし、稽古を経て積み上げてきたものがあるので、自信を持って舞台に立ちたいと思います。

 

≪鳥口守彦役:高橋健介≫

最近、歌やダンスのある舞台に出演させていただくことが多かったのですが、今回は本当に言葉のみの戦いの作品だと思いますし、それがこの作品の魅力の一つでもあると思うので、約2時間、言葉のみで楽しさを皆さんに味わっていただけたらなと思います。作品はもちろんですが、共演者の皆さんもすごいメンバーなので気合を入れないといけないなと思って稽古をしてきました。稽古中、皆さんからたくさん刺激をいただきましたし、本番に入ってからも自分がひとまわり、ふたまわり大きくなれたらなと思っております。

 

≪柚木陽子役:紫吹 淳≫

長いこと舞台をやらせていただいておりますが、今までは愛をテーマにしたハッピーな作品に出演させていただくことが多かったのですが、今回は愛は愛でもゆがんだ愛といいますか、こんな愛の表現もあるんだなと思っております。「魍魎の匣」のファンの方の中には、私が演じる柚木陽子というキャラクターのかなり確立されたイメージをお持ちの方もたくさんいらっしゃると思いますので、そのイメージを壊さないようにしつつ、私なりの陽子を演じられたらなと思っております。

 

≪美馬坂幸四郎役:西岡德馬≫

「魍魎の匣」という作品は京極夏彦さんの傑作ですが、こんな話があり得たら困るなと思う、人間の発想ではなかなかできない仕組みの話になっているなと思います。その仕組みは本当に力強くて大きいものなので、私たち俳優はその仕組みに負けないように相当なエネルギーをぶつけていかなければなと思っています。この作品は「ある愛の歌」だと思っています。面白い作品ですのでぜひご覧ください。

 

≪演出 松崎史也≫

フィクションやエンターテイメントが担う大きな役割の一つに、現実世界を生きるための支えや備えになることというのがあると思っているのですが、この作品を観ることでお客様の中に支えや備えが一つ加わればいいなと思っております。俳優 橘 ケンチの代表作になると思ってますし、本当に役者たちがみんな素晴らしくて、このメンバーでシリーズとして続けたいなと勝手に思っているくらいに充実した稽古でした。どうぞよろしくお願いいたします。