加藤拓也 最新作 劇団た組 第20回目公演『誰にも知られず死ぬ朝』全キャスト発表(コメントあり)

2019.11.09

劇団た組の第20回目公演『誰にも知られず死ぬ朝』が2020年2月22日~3月1日の間、彩の国さいたま芸術劇場小ホールにて上演されます。

作演出は同劇団の加藤拓也。すでに発表されている出演者の村川絵梨、平原テツ(ハイバイ)、中嶋朋子、更に続いて発表された安達祐実、尾上寛之らに引き続き、鳥谷宏之、藤原季節、伊藤梨沙子、木本花音、山木透らが発表となりました。以上が全キャストとなります。劇中の音楽と歌・生演奏はUNCHAINの谷川正憲。チケットの先行発売は2019年11月16日から先行販売が開始。一般販売は12月19日より。

 

【あらすじ】

歩美はここしばらく、年も取らず死んでは生き返りを繰り返し死ねず、長生きしています。
自分より早くに好きな人が死んでしまうので恋も愛も放っておいたのですが歩美は恋に落ち、やがて良嗣と結婚します。そんな良嗣は死ねない歩美の為に、一緒に死のうと歩美を殺す努力に精を入れています。
良嗣の兄・浩介と江梨香にはりっちゃんという子供が居まして、りっちゃんは子供だと思っていたらいつの間にか歩美よりも早くに子供を産みます。長く生きる歩美はどんどんと周りが年を取ってゆく、そんな様子には慣れていて幸せですが、やはり時々、例えば一人で朝起きてすぐ、好きな人とご飯を食べている時、誰かと手を繋いで眠る時に、幸せでも生きているだけで人間は寂しいと感じてしまいます。
なので歩美は死ぬべきだと考え続けますがやはり死ねず、死のうと思いながらまた長く生きます。そんなお話です。

 

【コメント】

■村川絵梨:加藤さんの描く世界観に飛び込める事、素敵なキャストの皆様と取り組める事が本当に楽しみです。脚本を読んで「生、死、愛」がじわっと沁みてくる感じに最後は涙を拭っていました。この想いを体現出来るように、千秋楽まで励みたいと思います。


■平原テツ:
この度、劇団た組。に初参加させて頂きます。しかも、出演者の方々も初共演という初盛りだくさんなんです。久々の客演で緊張していますが、楽しみの方が何倍も上でございます。加藤くんの脚本・演出は本当に素晴らしくて「本当に 20 代かよ!?」と感心しまくり、正直おじさんは圧倒されっぱなしです。しかし、圧倒されてばかりでは本当にただのおじさんになってしまうので、めちゃめちゃ面白くする為に頑張ります!!楽しみにしてて下さい!!


■中嶋朋子:
空気呼吸 リズム 在り方 向かい合うものすべて新しいものになるんだろうなぁ、と。望みなのか、予感なのか、強いているのか、そんな感じです。まあ、とりあえず、手にあるものは超えていこうと思います。そういう時間になればいいなぁ。いや、したいなぁ。いや、なるんじゃないでしょうかね。


■安達祐実:
今回、私にとって7 年ぶりの舞台出演となります。映像を中心に俳優生活をしてきましたが、舞台の上で演劇の持つ魅力を今また経験させていただきたいと思っております。生きるとは、死ぬとはどういうことなのか。精一杯、表現出来ればと思います。


■尾上寛之:
二度目、参加させて頂きます。加藤くんの作品は観る度に魅力的になっていく。色々なヒト、モノ、作品から良い影響を受けているんだろうなと感じます。自分も、良くも悪くも何か影響できたらなと。二度目なんですけど。まぁ、受ける衝撃のほうが大きいんだろうな。二度目なんですけど今回もよろしくお願いします。

 

■鳥谷宏之:出演しても観劇しても毎回驚かされるた組。3 回目の出演となります。台本を読み、痺れました。全キャストの名前を聞き、震えました。もう楽しみで仕方ありません。この作品の作り手の一員として居られることに喜びを感じ、興奮しております。加藤拓也さんの世界観を、皆様に深くお届けできるよう、冷静に丁寧に物語を紡ぎあげていきたいと思います。

 

■藤原季節:「1000 年後にも残っていてほしいものは何ですか?」去年た組に参加した時インタビューされたことです。たぶん加藤拓也は 1000 年後の世界において何が残っているのか考えていて、それでこの戯曲を書き上げたのだと感じました 。彼女 が生きてきた膨大な時間の中の、初めての極限の夫婦愛に、心が滅茶苦茶遠い所まで持っていかれて何度も読み直して感動しました。 1000 年経とうがこのキャストで上演されることは二度とありません。僕の役はこの戯曲において一筋の希望の役になるので、精一杯頑張らせていただきます!

 

■伊藤梨沙子:初めて劇団た組の作品を観たのが今年の春でした。こんなにも誰かに舞台の感想を話したくなったのは初めてで、とてつもないほどの高揚感に包まれました。生々しいほどリアルな会話と空気感、発せられる音の大きさが、私の中でとても居心地が良かったのを覚えています。今回初めて参加させて頂くこと、とても嬉しく思っています。私は緊張しやすいので、既にもう今から緊張しているのですが、この作品に寄り添いながら、稽古場で生まれるものを大切にして、じっくりと向き合いたいと思います。よろしくお願い致します。

 

■木本花音:側から見たら何も異常のない普通の幸せに見えるのにその中にいろんな思いが隠れている、そんな日常に見えるけど貴重でありえない時間が描かれていて面白いなと思いました。自分が死ねない人だとしたらどう思うだろうか、どんな気持ちでどんな決断をするだろうか、周りの大切な人が死ねない人だとしたらどうするだろうか、どんな事をしてあげられるだろうか、そんなあり得ないけどあり得るかもしれない事を考えながら見れる作品だと思います。


■山木透:
今から楽しみで仕方ありません。それと同時に、この錚々たる顔ぶれの中に僕の名前があるのもちょっとした恐怖です。精一杯やらせていただきます。

 

■谷川正憲(音楽):死なない という絵空が、逆に人間のリアルを引き出しているように感じました。それがとても美しくて、それがとても残酷でした。友の死を思い出します。その時の故郷の海がやけに綺麗だったことを。

 

■加藤拓也(作・演出):自分の世代と時代の価値観を自分の言葉で書いておく、そんな作品を目指しています。