ONWARD presents 劇団☆新感線『修羅天魔~髑髏城の七人 Season極』 Produced by TBS 竜星 涼 インタビュー

脚本と演出、キャストを変えて“Season花・鳥・風・月”と上演してきた劇団☆新感線『髑髏城の七人』。360°観客席が回転するアジア初の新劇場、東京・豊洲のIHIステージアラウンド東京にてロングラン公演中のこのシリーズの最終章『修羅天魔~髑髏城の七人 Season極』が3/17(土)に開幕する。これまでの『髑髏城~』と世界観は同じとはいえ、登場人物の人間関係ががらりと変わることでも話題の今作で、新しいキャラクター<夢三郎>に扮するのが竜星涼だ。以前から「出てみたかった」と公言する劇団☆新感線への初参加が叶った竜星に、『修羅天魔』のこと、舞台の仕事に感じる醍醐味などをヴィジュアル撮影の直後に語ってもらった。

 

――今回、竜星さんが演じる<夢三郎>は、これまでの『髑髏城~』に出てくるいろいろなキャラクターの要素が混じり合っているようにも思える新キャラクターとのことですが。

竜星「そうなんです。もうどうしたらいいのか・・・、本当にプレッシャーです!(笑)だけどヴィジュアル撮影のために一度、こうして役の衣裳とメイクができたおかげで、今の自分に足りないものなど、いろいろなことが改めて見えてきた気がします。僕自身はまだそれほど、舞台出演の経験も少なくて。今回のカンパニーでも、新参者としてやらせていただくわけなんですが」

 

――劇団☆新感線には初参加ですからね。

竜星「そんな中、こういう難しい役どころをいただけるなんて、今はプレッシャー以外、何も感じないというか。正直ちょっとビビッているくらいです」

 

――やっぱりビビりますか(笑)。

竜星「ビビってますねえ!(笑)。そもそも、こんな公演回数を経験したことがないですから。それも今回は観客席が360°回転するというIHIステージアラウンド東京での上演ですからね。こけら落とし公演の、昨年の“Season花”を観た時は、その頃にはもう“Season極”に出させていただけると聞いてはいたので、どういうお客様がいらしているんだろうということが気になってお客さんの層を観察してみたり、使われる音楽のことをチェックしたりもしていました。それにしてもやっぱり夢のように素晴らしい世界観だったので「うわー、ここでやれるのか!」とうれしくなったと同時に、武者震いもしました(笑)。まだどうなるか全然わからないんですが「出られているみなさんは本当に大変そうだな、これはやっぱり観るものなんじゃないか、自分がやるとなったらかなりしんどそうだ」なんて、つい思ってしまって」

 

――出るものではないな、と?(笑)

竜星「ハハハ。だけど実際、セットの作りもものすごくて、リアルに雨が降り、川には水が流れていて、しかもその川の中で合戦したりもしていて。ちょっと他では感じられない、たとえば水の匂いであるとか、そういうリアルさみたいなものが感じられる舞台で、本当に素晴らしいな、素敵だなともちろん思いました。それでもやっぱり、単にお客さんの目線で観ることはできなくて「これ、衣裳何回着替えているんだろう」とか「これで1日2回公演の日もあるなんてすごい!」とか、本当にいろいろなことを考えてしまいました」

 

――舞台経験は少ないということでしたが、映像とは違う舞台ならではの楽しさ、醍醐味というのはどういうところに感じられていますか。

竜星「僕は、初舞台の時(スタジオライフ『OZ』、2012年)に実は本番中にアクションをしていて足をぶつけてしまうという出来事がありまして。立てないくらいの激痛だったんですが、替わりはいないし、途中で何度か応急処置をしながら出続けていたんです。だけどそうやって痛みの方に気が行っていたことでなぜだかすごく、いい意味で抜けることができて。セリフのことや、何かをやらなきゃとか、考えていたものが頭からなくなって、ただ目の前にいる人と自然に会話をするだけでその人の言葉に勝手に泣けてきたり震えあがったりできた。カーテンコールでも呼吸困難になるくらいに涙が止まりませんでした。結局、その日だけはものすごく芝居の中に入り込めた感覚が味わえたんです。きっと今でも自分が追い求めているのは、あの瞬間のような気がする。もちろんそれはドラマでも映画でも、どの現場でもできればいいんですけど、でもやっぱりあれは舞台だったからできたのかなあ、とも思うんです」

 

――今回の舞台でも、そういう経験ができたらいいですね。

竜星「そうですね。でも今はやらなきゃいけないことというか、自分にとっての課題みたいなものがまだまだたくさんあるので。今はそれをどうクリアすればいいかを考えれば考えるほど、なんだか生きた心地がしないです(笑)」

 

インタビュー・文/田中里津子
Photo/村上宗一郎

 

【プロフィール】
竜星涼
■リュウセイリョウ 1993年3月24日生まれ。東京都出身。2010年にドラマ『素直になれなくて』で俳優デビュー、『桜蘭高校ホスト部』ではドラマ版(2011年)と劇場版(2012年)の両方に出演、注目を集める。2013年『獣電戦隊キョウリュウジャー』の主人公キョウリュウレッド・桐生ダイゴ役で人気が急上昇。その後も『アンナチュラル』(2018年)や『ひよっこ』(2017年)など話題作に多数出演している。劇団☆新感線には今回が初参加となる。