ONWARD presents 劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season 鳥 Produced by TBS 少吉役 少路勇介 インタビュー

みなさんに負けないよう目立ちたいです!


劇団☆新感線に出演するのは、『髑髏城の七人』Season鳥が8年ぶり2作目となる少路勇介。巨大な円形客席が360°回転するという画期的な新劇場で、4シーズンに分けてロングランされる大注目の公演とあって、その胸中には燃えたぎるものがあるようだ。「少吉」を演じる少路に、この公演に賭ける思いの丈を語ってもらった。

 

──劇団☆新感線には、2009年の『蜉蝣峠』以来、2度目の出演になります。話があったときはどう思われましたか。

少路 「また新感線の舞台に立てるということがまず嬉しくて、それが新しい劇場で上演される、とても注目されている大きな舞台だということで、そこに参加できることをすごく光栄に思いましたね」

 

──再び立てることを嬉しく思われたのは、やはり、前回の体験がすばらしかったから?

少路 「そうですね。そもそも、上京した18歳の頃から僕は新感線の舞台を観ていて、当時からもうメジャーな劇団だったので、そこに自分が出るなんて想像もしていなかったんですね。だから、『蜉蝣峠』のときもとにかく出演できるのが嬉しかったですし、楽しかったイメージしかないんです。本当に、部活みたいで楽しかったんですよね」

 

──よく出演されている大人計画とは違う雰囲気だったんですか。

少路 「全然違います。大人計画も劇団なので部活っぽいと言えば部活っぽいんですけど、バリバリの体育会系ではなく、室内の運動部みたいな感じがするんです。“本当に運動してるのか!?”みたいな(笑)。それと比べると新感線さんは、メジャーリーグみたいな本格的な感じがして。もちろん大人計画も好きなんですけど、僕もずっとサッカーをやってきて、ひとつ上の先輩が神様みたいな環境で過ごしてきたので、新感線は居心地が良かったんですよね。僕みたいに外部から客演してる人にもすごくやさしくて。やりにくくないようにみなさんがサポートしてくださったので、のびのびとできたんです」

 

──芝居の作り方も、異なっていたのではないかと思いますが。

少路 「そうなんです。新感線は演出のいのうえ(ひでのり)さんがまず役者に動きをつけられるんですけど、大人計画では好きにやるという感じなので、最初はやっぱり戸惑いましたね。気持ちと身体がアンバランスになるなって。しかも、いのうえさんが演じられるのがいちばん面白いので、なかなかあんなふうにできないなと思ったりして。それに順応できたかどうかはわからないですけど、必死でついていってましたね。終わってから、その中で自分を出していけたらいいんだとか、最初に飛ばしすぎたら大変になるとか、わかったことがたくさんありました(苦笑)」

 

──そのリベンジができますね(笑)。

少路 「2回目ですからね。今度は最初から最後までいいクオリティのものを出せるように、頑張りたいなと思います」

 

──『髑髏城の七人』Season鳥で演じられるのは、純粋な若者・少吉です。

少路 「一応なんとなく、自分の中でこうやりたいなっていうイメージはあるんですけど、まずいのうえさんに動きをつけてもらってからの作業になるので、どう演じるのか、まだ何とも言えないですね。でも、兵庫(福田転球)との関係も“Season花”とは違うものになりますし、はじめましての転球さんとどんな関係が作れるのか、すごく楽しみなんです。製作発表のときに初めてお会いしたんですけど、大阪のいい兄ちゃんっていう感じだったので、仲良くさせていただけたらいいですね。あと、“Season花”と違って歌とダンスがあるので、僕もぜひ歌って踊りたいなと思ってます! 振付が“恋ダンス”のMIKIKOさんで、僕は鎌を持っている役なので、“鎌ダンス”ができるかなと(笑)」

 

──関八州荒武者の面々とか、色里「無界」の人々は、この物語の中で実はとても重要な役割を担っているように思います。

少路 「そうかもしれませんね。いわゆる庶民である彼らの目線がお客さんにいちばん近くて感情移入ができるというか。僕なんかはそういう周りの人たちを観るのが好きだったりするんです。メインの“良い者と悪者”の戦いよりも。いや、もちろんやれるならメインの役もやりたいですけどね(笑)。今回はそれに翻弄される役を与えられたので、そういう人々の思いを出していけたらなと思います」

 

──製作発表では、「もう役者を辞めても良いんじゃないかと思えるくらい(笑)、頑張りたい」とおっしゃっていました。それはどんな思いからだったんでしょう。

少路 「最近はいつもそういう思いでやってるんです。本当にそれぐらいの意気込みでやらないと、この先、生き残っていけないんじゃないかと思うんですよ。下からはどんどん来ますし、上は辞めないので(笑)、そこに食い込んでいけるように。だから今回も、大きな声出して、みなさんに負けないように、ちゃんと目立ちたいと思います(笑)」

 

──演出で何をやらされようが応えていって。

少路 「はい。ただ、前回、毎公演違うモノマネをしろって言われたのが本当につらかったのでできれば勘弁していただけたらと(笑)。いや、でも何でもやります! 頑張ります!!」

取材・文/大内弓子
撮影/村上宗一郎

 

■プロフィール■
少路勇介 ショウジ ユウスケ
‘79年、岐阜県出身。俳優。主な出演作に舞台「マシーン日記」、「サンバイザー兄弟」、ドラマ「ゆとりですがなにか」、映画「忍びの国」(7/1公開)など。